警察幹部と港湾組合の対立が、ボルティモアの裏社会を揺るがす/ザ・ワイヤー シーズン2〈あらすじ・ネタバレあり〉
#01
特別捜査班は解体され、活躍を認められて栄転したり昇格したりする者もいれば、上層部の反感を買って左遷された者も。
刑事・マクノルティと警部補・ダニエルズは後者で、それぞれ港湾課と証拠保管課へ異動となる。
マクノルティは、橋から飛び降りたと思われる行方不明の女の死体を発見し、殺人課が捜査することに。
刑務所に収監中のバークスデールは、ストリンガーに命じてニューヨークにいるロベルトの組織と麻薬取引をするよう命じる。しかし、ロベルトが麻薬取締局に逮捕され、麻薬の入荷が難しくなる。そのうえ、バークスデールの刑期が短いことから、彼が司法取引でロベルトを売ったと誤解されてしまう。
港湾警察のラッセルは、コンテナの中で13もの女性の死体を見つける。州警察は、女性たちの死亡を"コンテナが潰れたせい"と断定して、捜査はしないことを決定する。
#02
港湾施設は資金難にあえいでおり、港湾労働組合長・ソボトカは、地元のギリシャ系犯罪組織から金を受け取って密輸や盗品売買に手を貸していた。
マクノルティは、橋から飛び降りた女性が実はコンテナに乗っていたことを突き止める。
コンテナにあった通気孔が意図的に破壊されていることを証明して事件性を明らかにしたことで、モーランドと殺人課に異動したフリーマンが捜査を担当。第一発見者のため、港湾警察のラッセルも捜査に加わる。
警察組合の顔役でもある警視・バルチェックは、港湾労働組合と教会の関係が強まっていることを警戒。港湾労働組合の資金源が麻薬密売だと予想し、ソボトカを引き摺り下ろすため特別捜査班の再編を目論む。
#03
政界にも強いコネを持つバルチェック警視は、警察副本部長・バレルを次の本部長に推進すると約束し、特別捜査班の再編を要求。メンバーの中には、プリズビルスキーもいた。
収監中のウィーベイは、自分が殺した男の従兄弟・ティルマンが看守だったことから嫌がらせを受けていた。
ティルマンが刑務所内でコカインを売り捌いていると知ったバークスデールは、ストリンガーに命じて、ティルマンに麻薬を提供する売人・ブッチーを脅す。ブッチーから受け取った麻薬にはストリキニーネが入っており、囚人のうち5人が死亡、8人が重体となる。
コンテナの殺人事件は犯人こそ分からないが、おおよその動機は掴めた。
乗っていた女性たちはボルティモアのギリシャ系犯罪組織が用意した売春婦で、船乗りたちがレイプしていた。だが、1人の女性が抵抗したので海に投げ捨て、目撃者の口封じをするため通気孔を破壊して13人を窒息させた。
#04
無能の刑事ばかりで特別捜査班を編成したことがバルチェック警視に知られ、バレル副本部長は追い詰められる。
バルチェックの指名でダニエルズが特別捜査班の責任者になり、特別捜査班は殺人課の管理下に置かれる。ダニエルズはかつての部下たちを呼び戻そうとするが、ロールズの妨害によりマクノルティは異動させられない。
ガント殺しの裁判が近付き、マクノルティはオマールを見つけ出すため、情報屋・バブルスを頼る。
ソボトカの息子・ジギーは従兄弟のニックと組んで、コンテナの中から物を盗んで転売する。
勝手に盗品売買したと知ったソボトカはブチ切れ、ジギーは金を得るため父親には黙って麻薬の密売に手を出す。
刑務所にコカインが持ち込まれた件で、州は情報提供者を求める。バークスデールは早期釈放を条件にティルマンを売り、一石二鳥に成功する。
バークスデールが刑務所にいるせいでストリンガーはアトランタの組織には舐められており、買い取った麻薬は純度が低いブツだった。
#05
バブルスがオマールを見つけ出し、ガント殺しの裁判の準備を進める。
東ボルティモアの売人・チーズから麻薬を仕入れたジギーだが、思うように捌けず次の土曜日までに金を用意できなければ殺されてしまう。
ギリシャ系犯罪組織に気に入られたニックは、コカインの材料をコンテナから集めて横流しすればこれまでの3倍報酬を弾むと提案され、ソボトカに相談する。
殺された14人の身元は未だ分からず、同情したマクノルティは彼女たちの素性を突き止めるため、不法入国者の収容施設があるニューアークに向かう。情報は何もつかめず・・・。
#06
ソボトカの尻尾を掴むため、ストリートで麻薬を売るディーラーを監視し、港湾労働組合の金の流れを調べたり盗聴したりする特別捜査班だったが、収穫はない。ラッセルとモーランドもソボトカの捜査に加わる。
"どのコンテナがいつ船から下ろされたか"を港湾はデータ化しているため、特別捜査班はそのデータを調べる。すると、港湾職員・ホースフェイスが担当している時だけ、コンテナを下ろした情報が未入力になっていたり、遅れて入力されていると判明する。
ディアンジェロの元愛人・シャーディーンは、特別捜査班と出会ったのを機に、今ではまともに生きて看護学校に通っている。
バークスデールのストリップクラブでバーテンをしていたコネがあるので、ストリッパーのロシア人たちから身元不明の女性たちの情報を収集してくれることに。
ギリシャ系犯罪組織の幹部・ヴォンダスからイスラエル人のイートンを紹介されたニック。
チーズからジギーを守るため後ろ盾になって欲しいと頼み、ヴォンダスの手下・ニコライが話をつけて逆に2400ドルを土産として持って帰る。
オマールの証言により、被告人のバードは第一級殺人で有罪となる。マクノルティは、オマールが嘘の証言をしていると気付くが、見て見ぬ振りをする。
マクノルティは、事件に追われっぱなしの殺人課よりも港湾課の方がプライベートを充実されられると思い始め、別居中の妻・エレナをデートに誘う。
#07
ストリンガーは刑務所の手下を使い、バークスデールに無許可でディアンジェロを暗殺。ディアンジェロの死は自殺として処理される。
東ボルティモアを縄張りとするバスケ・コーチのジョーがストリンガーに接近し、アトランタやニューヨークよりも純度の高い麻薬を提供すると取引を持ちかけてくる。
港湾のデータベースをリアルタイムで監視していた特別捜査班は、コンテナが外部に持ち出されるのを確認し、トラックを追跡。トラックは【ピラミッド社】という会社の倉庫に入って行き、ジョーが出入りしているのを確認する。
コンテナで起きた殺人と麻薬のつながりを確信したダニエルズは、ロールズから14件の殺人の捜査権を自分に譲るよう求める。
やることなすこと全てが裏目に出るジギーは、ニックがギリシャ系犯罪組織に気に入られたことで完全に切り捨てられる。
#08
特別捜査班は、トラックを運転していた人物をセルゲイだと特定。ニックが麻薬を密輸し、セルゲイが運んでジョーが受け取り、それがストリートで売られていると突き止める。
ロールズの弱点は、殺人の検挙率が50%未満になること。ダニエルズは弱点をつき、14件の殺人を解決するためにマクノルティが必要だと言って納得させる。遂にマクノルティも、特別捜査班に復帰する。
エレナに復縁を求めたものの、マクノルティはフラれてしまう。ヤケ酒をかましてウェイトレスとワンナイトした挙句、交通事故を起こす。
ピラミッド社の倉庫が麻薬のアジトになっていることや、会社が管理する別の建物が売春宿になっていることが判明。
マクノルティは、売春宿から出てきた客を捕まえて利用方法を聞き出す。
電話料金を3ヶ月滞納しているのに携帯が使えることを怪しんだソボトカは、港湾で電気工事士のふりをしたグレッグスに気付き、自分が警察の捜査対象であることを確信する。
ソボトカはニックを連れて、ギリシャ系犯罪組織のボス"グリーク"に会いに行く。盗聴されている可能性を報告し、グリークはピラミッド社の倉庫には普通の荷物を入れることで捜査を撹乱させることに。
#09
バークスデールの麻薬組織の売人・ボディーは、東ボルティモアの売人・チーズのシマを乗っ取ろうとして銃撃戦に発展。9歳の少女が流れ弾で死亡し、ストリンガーは麻薬密売をストップするよう部下に命じる。
ストリンガーは、東ボルティモアのジョーに接触し、"麻薬を安価で売ってくれれば、西ボルティモアの一部地域で密売を認める取引"を成立させる。
だが、バークスデールは一部だとしてもシマをジョーに渡す気はなく、ニューヨークからヒットマンのムーゾンを呼びつける。
ニックは、いつも通りコカインの原料をヴォンダスとイートンに渡す。報酬の半分は現金、もう半分はヘロイン。ヘロインを金に変えるためストリートの売人を抱き込み、ジョーの側近・ホワイト・マイクとつるむようになる。
ギリシャ系犯罪組織はコカインの原料をコロンビアのテロ組織に売っていたが、テロ組織は支払う素振りを見せない。グリークは、買収しているFBI捜査官に指示を出し、港湾に置いてあるコンテナからコカインの燃料を押収する。
#10
特別捜査班は、売春宿を摘発することに成功。
盗聴したソボトカやセルゲイ、ジョーの通話内容から麻薬密売に関与していそうな人物を突き止め、それぞれの車両に追跡装置をつけて動きを探ることに。
ギリシャ系犯罪組織のトップは未だに分からず、マクノルティはフィッツと和解してFBIを捜査に引き込む。FBIとしても、港湾労働組合を麻薬取引で検挙できるのは大きな手柄になるからだ。
特別捜査班とFBIによる合同捜査が始まるが、バルチェックの本来の狙いは"ソボトカを失脚させること"だった。にも関わらず、勝手に規模が大きくなったことに腹を立てる。
ジギーは、ギリシャ系犯罪組織の幹部・グレカスに依頼され、盗難車をコンテナに運んで船に乗せる。だが報酬を勝手に下げられ、舐められ続けたジギーはブチ切れてグレカスを殺害し、逮捕される。
#11
グレカスが殺されたことで令状なしで捜査できる範囲が広がり、焦ったギリシャ系犯罪組織は携帯電話や麻薬を処分する。
特別捜査班とFBIは、ニコライを含むギリシャ系犯罪組織のメンバー、ソボトカら港湾労働組合の幹部、イートン、ホワイト・マイクを一斉逮捕する。
目的を達成したFBIは撤退するが、フィッツだけは残って特別捜査班のバックアップに回る。
バークスデールに呼び出されたムーゾンがフランクリン・テラスに現れ、東ボルティモアの売人たちを脅して追い出す。
ムーゾンがいる限り、今度はジョーの怒りを買ってしまうため、ストリンガーはオマールを呼び出してムーゾンの始末を依頼する。
「ブランドンを殺したのはバードだが、拷問したのはムーゾンだ」という嘘に騙されたオマールは、ムーゾンを襲撃。だが、とどめを刺す寸前に自分がハメられていると気付いたオマールは、ムーゾンを見逃す。
#12
ニックとジギーの刑を軽くするため、ソボトカは検察との司法取引を決め、ギリシャ系犯罪組織が関与している全ての犯罪の証人になることを約束する。
FBIの内通者からソボトカの裏切りを聞かされたグリークは、ヴォンダスに命じてソボトカを殺す。
ソボトカの死を知ったニックは出頭し、妻と娘と一緒に証人保護プログラムを受ける条件で、ギリシャ系犯罪組織のボスであるグリークの顔を教えて裁判では検察側証人になる。
逮捕されたニコライも司法取引に応じて、グリークとヴォンダスの居所を吐くが、すでに2人は国外逃亡した後だった。フィッツが調べたところ、グリークはFBIテロ対策部門の情報提供者で、コロンビアのテロ組織に関する情報を流していたことが分かる。つまり、そもそも捕まえることができないし、捕まえてもすぐに釈放されるような人物だった。
ニコライが追加で情報を出す。14名の身元不明の女性を殺害した人物は、船乗りではなく組織の下っ端。ヴォンダスによってすでに始末され、フィラデルフィアの港に捨てられたらしい。
これで14件の殺人事件も解決し、次の捜査対象は再び麻薬組織になる。
これまで互いに関与してこなかった東西ボルティモアの麻薬組織が協力関係になったため、一網打尽にするチャンスが巡り回ってきたのだ。ギリシャ系犯罪組織はジョーと繋がっており、ジョーはストリンガーの同盟相手・・・。
ジョーの元に、グリークからトラックが届く。
中にはたくさんの東欧系の女性たちがいた。