家族との面会回数が増えるなら喜んで殺人罪の濡れ衣を引き受ける/ナイト・オブ・キリング 失われた記憶〈あらすじ・ネタバレあり〉
イギリスBBCが2008年に手がけたリミテッド・ドラマ【クリミナル・ジャスティス】がリメイク元。
ジェームズ・ギャンドルフィーニが主演を務める予定だった本作は、彼が急逝した後ロバート・デ・ニーロに引き継がれた。デ・ニーロがスケジュールの都合で降板し、ジョン・タトゥーロが主演に内定した。
HBOの誇る2大最高傑作【ザ・ソプラノズ】と【ザ・ワイヤー】に加えて【ボードウォーク・エンパイア】のキャストも複数出演している。【ザ・ソプラノズ】で厄介者のジャニスを演じたアイーダ・タトゥーロも出演しているが、彼女はジョン・タトゥーロの従姉妹。ジョン・タトゥーロの弟・ニコラスもゲスト出演しており、タトゥーロ一家総出だ。
作中では、ジョン・タトゥーロ演じるストーン弁護士が、アンドレアの養父・テイラーに脅迫された報復をする際、「俺の家族を脅したらニュージャージーの男がそっちに行く」と発言している。トニー・ソプラノの存在をちらつかせるような、熱いシーンなので注目。
〈あらすじ・ネタバレあり〉
2014年10月のニューヨーク。
パキスタン系の大学生・ナズは、黒人の友達が開いたパーティーに行くため、父親のタクシーを借りる。
タクシーの回送表示のやり方が分からず困っていると、アンドレアという若い女性が乗り込んでしまう。
一瞬にして惹かれあった2人。
出会ったその日の夜に、アンドレアの家でセックスする。
深夜に目覚めたナズは、血まみれのアンドレアの死体を見つける。
怖くなったナズは現場から急いで逃げるが、交通違反を犯してパトロール警官に逮捕される。
警察署で手続きを待っていると、ナズはアンドレア殺しの容疑者と逮捕される。
・ナズをアンドレアの家の近くで見た複数の目撃者
・ナズの指紋がついた凶器のナイフ
・殺人現場から走り去ったタクシー
・ナズの服からアンドレアの血液が検出された事実
ナズが殺人犯であることを示す証拠がいくつも見つかり、ライカーズ刑務所へ拘置される。
警察署内で偶然出会った弁護士・ストーンがナズに救いの手を差し伸べるが、ナズの両親は"司法取引でカタをつけてコスパよく稼ぐ"ことがストーンの真意だと思ってオファーを跳ね除ける。
今までたくさんの悪党を見てきたストーンは、ナズが殺人犯には思えず、独自に調査を始める。
すると、アンドレアがジャンキーだったことや支払いが遅れて売人とトラブっていたことが判明する。
さらには、凶器のナイフは4本1セットで販売されており、そのうち1本がケースの中から消えていたと分かる。つまり、実際にアンドレア殺害に使ったナイフは持ち去られており、ナズの指紋とアンドレアの血痕がついたナイフが凶器ではない可能性が出てきた。
人権派の大物弁護士・クロウは事務所の評判を上げるため、ナズの件をプロボノで扱うことに決める。そのクロウでさえ、検察側と司法取引をするのが最善策だと考えていた。
しかしナズは司法取引を拒み、クロウは裁判から降りる。
クロウの事務所で働くアソシエイトのチャンドラがナズの裁判を引き継ぐことになるが、ほぼ勝ち目のない裁判に協力してくれる同僚はおらず、ストーンと組む。
メイン弁護士はチャンドラで、ストーンはサブについて調査員の仕事も並行する。
アンドレアが22回も刺されていたことから、私怨だと仮説立てたストーンは、母親の遺産の取り分を巡って義父・テイラーと揉めていたことを突き止める。
拘置生活を送るナズは、ライカーズを牛耳る囚人・フレディに気に入られる。
他の囚人たちは低学歴ばかりで、勉強好きのフレディにとって大学生のナズは興味の対象だった。
ある時ナズは、囚人の1人に火傷を負わされる。フレディの力を借りて復讐したのをきっかけに、ナズは彼と接近。
体を鍛えてタトゥーを彫り、囚人の家族から面会時に麻薬を受け取ったり、刑務所内で携帯のレンタルをしたりして金を稼ぐようになる。
フレディの右腕にまで登り詰めたナズは、囚人をリクルートして刑務所内で
の麻薬ビジネスを拡大していく。
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