シャベルは3本あるのに掘っているのは2人 / フル・サークル〈あらすじ・ネタバレあり〉
評価:46点 / 100点
エド・マクベインの小説【キングの身代金】を原案とする作品。
【ホームランド】の影響でクレア・デインズはヒステリック、神経質な役のイメージが強くなったが、この作品も例外じゃない。
デインズの他、ザジー・ビーツ、ティモシー・オリファント、デニス・クエイド、ウィリアム・サドラー、CCH・パウンダー と大物たちが出演。
2002年。
ガイアナの政治家・ランウェルは、高級コンドミニアムを建設するため住民を強引に立ち退かせ、唯一拒否したクラレンスの孫を殺害する。
弁護士・サムは優先的に投資する権利を得たので、儲かると思って投資する。
その後、ランウェルが悪徳政治家だと知ったサムは彼との関与を揉み消すため、郵便監察局の職員・ブロワードの手を借りる。
サムの叔父でNY市警の警官・ジーンは、弟・マッカスカーがコンドミニアムに投資していたと思い込み、葛藤の末に告発しようとした。しかしジーンには別の汚職疑惑があったため、ブロワードによって逆に強請られしまう。
その結果ジーンは自分の脚を撃って保険金詐欺を行い、警察を引退して年金を得られる生活を送るようになった。
2023年。
ニューヨーク市、クイーンズ。
ランウェルの未亡人でガイアナ系ギャングのボス・マハービーラは、"組織で相次いで発生する悩みを解決したければ、儀式を行え"と占い師・ウィロビーからアドバイスされる。
その儀式とは、ワシントン・スクエア公園に円を描き、その円の中でサムの息子・ジャレッドを殺害するものだった。
マハービーラはただ殺害するだけでなく、大金を得るために誘拐計画を思いつく。
ガイアナ人の少年・ルイは、マハービーラのマッサージ師である姉・ナターリアのおかげで、友人・ザヴィエルと一緒に憧れのニューヨークを訪れる。
しかしルイもザヴィエルも、パスポートを取り上げられ、マハービーラの組織で働く羽目になる。
郵便監察局の職員・ハーモニーは、ガイアナ系ギャングによる複数の保険金殺人を疑い、マークを続けていた。
保険金殺人の実行犯としてザヴィエルをマークして口を割らそうとするが失敗し、「助けを求めたくなったら」と言って名刺を渡す。
マハービーラの甥・アケッドの仕切りで、ルイとザヴィエルは1人の少年を誘拐するが、人違いだった。
標的はジャレッドだったが、彼の友人・ニッキーを誘拐してしまったのだ。
そうとは気づかないままアケッドたちは、ジャレッドの家族に連絡を取って身代金を要求。
マッカスカーは友人のフィクサー・ジョーイに頼み、山小屋でジャレッドを匿ってもらう。
ジャレッドの両親・デレクとサム、サムの両親・マッカスカーとクリスティンは、身代金を用意することに。
ニッキーを見殺しにはできないし、もし勘違いに気付けば再びジャレッドが狙われてしまうから。
そしてニッキーは、16年前にデレクが当時の愛人・チャリースに生ませた子どもだった。今回の誘拐により、かつてのデレクの浮気が露呈する。
マッカスカーが金を用意し、デレクが運ぶことになる。
深夜1時11分にワシントン・スクエア公園で金とニッキーの交換が行われるはずだったが、デレクの携帯が充電切れになって連絡が取れなくなったせいで、取引は中止。
袋詰めにされたニッキーは殺されて埋められるが、実は袋の中にあるのはマネキン。
ルイと誘拐計画を盗み聞きしたナターリアが、マネキンを袋に詰めて、ニッキーを救っていた。
自分たちの手に負えないと判断し、サムが警察に通報。
ハーモニーの上司・ブロワードの指揮の下、郵便監察局、ニューヨーク市警、FBIによる合同捜査が始まり、マハービーラの口座で不審な金の流れを見つける。
一方ハーモニーは、サムとブロワードが20年前から知り合いだったことに気づき、何か情報を得ようと嗅ぎ回る。
ブロワードが、これまでのルールを守らない勤務態度を上層部に報告したことで、ハーモニーは停職になる。
ルイとナターリア、ニッキーは、一緒にモーテルで身を隠す。
しかし、マネキンの件はすぐにバレてしまい、ルイとナターリアは追われる身になる。
マハービーラの側近・ハリーは、ハーモニーの名刺を見つけて、ザヴィエルが裏切り者だと直感。マハービーラへの忠誠心を失いかけていたハリーは、5万ドル用意できるなら逃亡に手を貸すとオファー。
ザヴィエルはルイに連絡を取る。
ルイとナターリアは安全を手に入れるため、ニッキーを連れてデレクに会いに行く。デレクから身代金を得られると考えたからだ。
しかし、そこに追ってきたアケッドが現れたせいで揉み合いになり、ルイがアケッドを射殺。
ニッキーを取り返すことはできたが、ルイとナターリアにとって命が狙われている状況は変わらない。
ルイとナターリアは、サムの家から絵画を盗み出して飛行場に向かう。
だがハリーは約束を守る気などなく、そうと気付いたザヴィエルがハリーを殺害する。
ザヴィエルは、ハリーから盗んだ金をルイとナターリアに渡してプライベートでジェットに乗せる。
手入れによってマハービーラと彼女の組織は逮捕されるが、ブロワードは襲われて命を落とす。
独自に捜査を進めるハーモニーは、20年前のコンドミニアム建設にサムが投資していたこと、建設を進めていたのがランウェルであることを突き止める。
「コンドミニアム建設のためにクラレンスの孫が殺された」と聞かされたサムは、罪悪感に苛まれる。
そして、自分と同じように"ランウェルが危険な人物だと分かっておきながら、投資をして大金を稼いだ共犯者たち"の情報を提供することに決める。