TOKYO真夜中散歩 第一夜「小田急線沿いを往く」
きっかけは些細なことだった。
私の友人がたまたま見た「オーバーナイトウォーク」と言う映画に影響され、唐突に深夜に散歩がしたいと言い出したのである。
私はその映画をまだ観ていない(もしかしたらこの先も見ないかもしれない。)のだけれど、友人の説明を聞く所によると何でも深夜に下北沢から新宿まで散歩するといったお話らしい。
その映画のように深夜歩いて新宿を目指したいとの事。
ついでにその友人は過去に千歳船橋や経堂などで一人暮らしをしていた事もあり、合わせて昔住んでた場所も巡りたいそうだ。
一緒に歩いてみないかと誘われた私も、ピエール瀧さんが深夜の都内を散歩する著書「ピエール瀧の23区23時」を読んでいた影響もあり二つ返事で付き合う事に。
その後色々話し合い、今回のルートは映画のルートを若干なぞるような形で
まずは友人の思い出の地である千歳船橋からスタートし、小田急線沿いを歩き新宿を目指すコースでお散歩する事になった。
そんなこんなで私たち2人は深夜の電車に乗り、今回の散歩のスタート地である千歳船橋駅を目指した。
ちなみにこの文章はパソコンの前でじっくり腰を据えて書いてるわけではなく、トイレやら移動中やら隙間時間にスマホでポチポチと書いていたり音声入力をしていたりといった感じで書いているので誤字脱字があるかもしれないけれど、そこら辺についてはご容赦いただければ幸いです。
23時59分 千歳船橋駅
今回の散歩のルールは3つ
新宿を目指す
小田急線の駅を辿る
始発で帰る
予定では始発の時間よりは大分早く新宿には到着するように、余裕を持ったスケジュールにしてある。
終電間際の千歳船橋駅は降りる人もそう多く無く、数人が改札駅を出るとすぐに私達以外は無人状態になった。
駅で降りた方々は恐らくこれから家に帰るのだろう、つまりはここの駅が彼らにとってはゴール。
しかし私達にとっては今降りたここがスタート地点である。
駅前には森繁久弥さんがミュージカル「屋根の上のバイオリン」で演じたテヴィエの胸像があった。
勿論上記の知識は以前から知っていたのではなく、つい数分前にGoogle先生より教えて頂いた物である。
像を一瞥し、早速私達は新宿駅を目指して歩き出した。
まずは小田急線の高架沿いを、経堂駅目指し歩いて行く。
駅前にはチラホラお店があるものの、少し駅を離れると完全に住宅街。
けれどこんな時間でも人通りは絶えずある辺りに都内らしさを感じた。
変わった名前の韓国料理店を発見、思わず写真を撮る。
この時は「お店がやってる時間帯に通りがかったら入ってみたい」等と思ったのだが、人生で初めて歩くような完全に馴染みが無い場所なのもあり、それが実行される可能性は正直あまり高く無い。
とは言え、何があるかわからないのが人生。
数年後に私が千歳船橋に住んでいる可能性だってゼロではない。
夜の公園にはなんとも言えない恐さがある。
ちなみに私の地元でも夜に公園を通りかかると恐さを感じる事が良くあるのだが、今回の散歩中に感じた恐さとは違い、単に治安が良く無い地域なのが理由。
0時19分 経堂駅
千歳船橋駅から高架沿いを歩き20分程で経堂駅に到着。
友人にとっては千歳船橋と並び思い入れの深い駅のようだ。
時間が時間だけに営業しているお店も余りなく駅前は人気も余りない。
ここで友人が「昔住んでたアパートを見たい」と言うので、少しメインルートから逸れて寄り道することに。
とは言っても駅からはほど近い、住宅街を少し進んだ場所にあった為タイムロスはごく僅か。
友人のかつての住居であるアパートを見て、思い出の欠片を手に入れた私たち。
世田谷線の踏切を渡ったところで左折し豪徳寺駅へと向かう。
世田谷線の線路を左手に見つつ、豪徳寺駅へと続く小さな商店街を歩く。
昭和の頃からありそうな建物も多く、子供の頃にタイムスリップしたような錯覚を覚えた。
歩いてるうちに自然と頭の中には子供だった頃のたわいもない出来事や、近所の風景が浮かんでくる。
そんな時は大体、懐かしさと同時に重ねた年月への寂しさを感じて少しだけ気持ちが沈んだりもする。
とは言え「子供のころに戻りたいか?」と聞かれたら、自分の場合は懐かしさと同時に嫌な事も色々思い出して答えに詰まってしまうだろう。
0時36分 豪徳寺駅
商店街を抜けると豪徳寺駅。
私は小田急沿線エリアの土地勘が殆ど無く、豪徳寺駅に来るのも人生初。
なんとなく駅名の語感から、駅前には参道等の寺院ぽい雰囲気がありそうなイメージを持っていたので、そうではない事に拍子抜けした。
豪徳寺駅からは再び線路沿いの道を歩く、先程までと変わり映えのしない景色だったが次の駅にはすぐに到着した。
0時45分 梅ヶ丘駅
小田急線沿線にはあまり思い出の無い私だが、梅ヶ丘にはかろうじて記憶の片隅に残っている出来事がある。
こちらの駅前には都内各所にも店舗を構えている寿司の美登利の本店があり、当時は本店限定で毎週月曜日に90分3500円で食べ放題をやっていたのだけど、調べてみたところ2018年に終了してしまっていた。
月曜日のみ本店限定での開催と言う事で店前には長蛇の列が出来、回転前から並ぶも一巡目には入れず結局入店までに2時間弱待つ羽目に。
待った甲斐もあって味は美味しかったのだけど、オーダーシートでは無く目の前の職人さんに言って握ってもらうシステムだったので、忙しなく動く職人さんに声を掛けるタイミングや、頼む品数等に気を使ってしまい、そのせいで少し物足りなさを感じる結果となった。
その後程なくして美登利寿司が運営する回転寿司が当時住んでた場所の近隣に出来たのもあり、結局本店にはそれっきり行かなかった。
梅ヶ丘を通りがかってから暫く、私の頭の中は美登利寿司一食...もとい、一色だった。
少し歩くと環七に当たる、渡るには歩道橋を上る必要があった。
歩道橋は車が通る度にぐわんぐわんと振動する、その振動は足先から歩いている私の全身へと伝わってくる。
私はジェットコースター等の絶叫系アトラクションは好きなのだけれど、こういうタイプのスリルは大の苦手。
多分、絶叫マシーンには必ずついている安全バーなどの心の拠り所がこういう場合には一切ないからなのだろう。
その場でへたり込んでしまいたい衝動に駆られたので、途中からは駆け足で通り抜けた。
0時59分 世田谷代田駅
今まで通ってきた駅と比べると世田谷代田駅は段違いに綺麗だった。小田急線が1部地下鉄になったのに伴って駅舎が改築されたからなのだろう。
駅の横にある道を下北沢方面へと進んでいく、こちらは以前線路が走っていた場所をちょっとしたショッピングストリートに改造したようでとてもおしゃれな雰囲気になっていた。
真夜中なので営業中のお店どころか人通りもほぼなかったのだが、そのおかげで通りの雰囲気を堪能しながらじっくり歩くことができた。
昼間来たらまた違った表情を見せてくれそうな場所なので、そのうち時間を作って昼間訪れてみようと思う。
道中奇声を上げる若者に遭遇し、変な話だけれど「下北沢に近づいている」のを感じた。
1時14分 下北沢駅
今でこそどこにでもあるヴィレッジヴァンガード、けれど昔はお台場と下北沢位にしか無かった。
なので当時の私にとって下北沢に行くメインの目的は大体ヴィレッジヴァンガードだった。
あの頃の下北沢は古着屋が多く、そのなかでもストリート系のブランド古着屋がメインだった。まだメルカリどころかヤフオクもセカストも無かったので、その手の服を安く手に入れたい時に重宝してた方も多いだろうし、その為に下北沢に行くなんて方も同様に多かったと思う。
しかし向こうも商売なので仕方ないと言うか当然なんだけれども、強気な値付けが多く状態なども加味すると余り掘り出し物は無かった印象がある。
勿論頻繁に通えばまた違ったんだろうけど、年に一二度、休日の昼過ぎにフラッと立ち寄る程度のほぼ冷やかしに近いような客が、掘り出し物に当たる可能性は限りなく低い。
だから余計に何の戦果もなく古着屋を退散した後に立ち寄るビレバンが楽しかった。
と、言うか今も変わらずビレバンは好きで割と頻繁に行く。
10年以上ぶりに訪れた下北沢。
すっかり昔と変わってしまった下北沢駅前にびっくりしたのだけれど、ビレバン下北沢店が入っている本多劇場は昔と変わらないままそこにあり、懐かしさと安心感、それとほんの少しの嬉しさを感じた。
次の駅に向かい歩いていると、本多劇場グループの小劇場スズナリがあった。
スズナリのすぐ横では数人の若者が路上傍にて缶チューハイを手に何やら熱く論を交わしていた。
何を話しているのかは分からなかったが、もしかしたら演劇論等についてだったのだろうか?彼らもいずれはムービースターを目指していたりするのだろうか?
そんな姿を横目に通り過ぎる。
不意に私の胸の奥にも僅かながら熱いものが込み上げたような気がした、彼らの熱に当てられたのかもしれない。
スズナリ横のスナックもレトロで素敵だった。
遠目から見た時にはただの装飾なのかと思ったが、近くで見たら普通に営業していた。
その後しばらく無心で歩いていたのだが、京王線の池ノ上駅を通過した時に少しだけ違和感を感じた。
本来ならばそこで気が付ければ良かったのだけれど、その違和感をスルーして暫く歩き続けてしまった私達。
さらに数百メートル進んだ所で、進行方向から見て左手に高層ビル群が見え、ようやく本格的におかしいと気がついた。
近場でビル群が見えるとすれば渋谷か新宿、だとすれば本来進行方向右手に見えなければおかしいのである。
しばらくポケットにしまい込んでいたスマホを取り出しマップを確認。
すると案の定道を間違えていた。
本来上記のラーメン店の場所で左へ曲がらなければならないのだが、そこをうっかり右に曲がってしまっていた。
そのせいで完全に真逆の方向へ進んでしまっていた。
すぐに道を引き換えし軌道修正次の駅へと向かう、真逆だったお陰でビル群位置の違和感に気付け、数百メートルの無駄足で済んだのは幸いだった。
1時43分 東北沢駅
こちらが東北沢駅。周辺は時間のせいもあり全く人気は無く、さらには駅前自体もあまり発展していなかったので特に目を引く物もなかった。
しかし駅から少し歩いた所に公園があり、そこにあった恐竜を模した遊具がインパクトのある外観で、思わずトップ画にしてしまう位印象に残った。
少し眺めていたら上に登りたい気分になったのだけど、大の大人が真夜中にこんなものに乗って遊んでいたら近隣の人に奇異の目で見られかねないのでやめておいた。
人気も全くなく薄暗い住宅街を歩いていたら唐突に大きな建物が現れた。
何の建物なのだろうかとGoogle マップで見てみたところ、東京ジャーミィと言うモスク。
私の地元にもモスクはあるのだが、それらとは規模が全く違った。
モスク前の大通りを渡り、人気も無く街灯もまばらで薄暗い住宅街を抜けて次の駅へと向かう。
少し前に1人で歩いている通行人がいた。
余り近づくと向こうの方も薄気味悪いだろうと思い、少しペースを落としてある程度の距離を保つように気を使って歩いた。
多分お互いに「こんな時間になんでこんなところを歩いているんだ」と思っていた事だろう。
2時01分 代々木上原駅
今回の企画で千歳船橋駅に向かう途中、小田急線に乗り換えた代々木上原駅に再び戻ってきた。
今まで通ってきた駅の中だと1番大きい駅である。ただ、下北沢駅と比べると駅前は静かな雰囲気。
線路沿いに歩いていたらすぐ千代田線と交差する踏切にぶつかった。
とっくに終電は終わっている時間だったのだけれど、ホームの照明はそのままなのにびっくりしたのだけれど、良く考えたらあと数時間後には再び電車が動き出すのだから、いちいち点けたり消したりする必要が無いのかもしれない。
2時14分 代々木八幡駅
ここら辺まで来ると、世田谷区とは街の空気感が全く変わっているように感じた。
渋谷まで徒歩圏内と言うこともあって駅周辺も都市部といった感じがある。
次の駅までは大通りを代々木公園を右手に見ながら進んでいった。
深夜の代々木公園は当然立ち入り禁止となっており遠くから伺うだけでも人気がなく少し不気味な雰囲気だった。
途中代々木公園側に煌々と灯りを放つ駐車場のような入り口を見つけた。
なんだか高級そうな雰囲気だったが代々木公園側と言うこともあって最初は代々木公園の施設の駐車場か何かかと思った。
しかし調べてみたところ、グロブナープレイス神園町と言う集合住宅の駐車場入り口だった。あくまで創造だけれども窓からは代々木公園が一望できる素敵なロケーションの高級住宅なのだろう。
ピザの配達とかでも何でもいいから1度位入ってみたい、これを読んでいる住人の方でちょっと位なら入れてやるよと言う奇特な方がもしいらっしゃったならばぜひご連絡を。
その際にはとらやの羊羹辺りをきちんと手土産に持参させて頂きますので何卒。
2時32分 参宮橋駅
こちらの駅あたりでしばらく横目に見ながら歩いてきた代々木公園ともお別れである。
ここら辺でそろそろゴールを意識し始める。
小田急線の線路を上から眺めている構図、人気のないホームと言うのはどこか非日常感があり、深夜のテンションも手伝って眺めていると不思議な気分になった。
首都高速を左手に見ながら歩く、途中電動キックボードで颯爽と走る若者を見かけた。
1度位には乗ってみたいなと言う好奇心はあるのだけど、都内の交通量の多い道路を昼間に電動キックボードで走るのは怖くてとてもじゃないが臆病な私にはできない。
しかし交通量の少ない深夜だったらなんだかイケそうな気がする・・・あると思います。
その後ほどなくしてLUUPに登録手続きを済ませた私は、深夜散歩中にはじめてのLUUP乗車を体験するのだけれどそれはまた別のお話。
歩いていたら白だしの自販機を見かけた。
ちょっと気になったけど900円はちょっと高いし、そもそも散歩中に買っても荷物になって邪魔なので買うのは思いとどまる。
リコスと言う謎のコンビニを発見、と思って後で調べてみたらどうやらこちらはスーパーマーケットで都内には結構な数の店舗があるようだった。
ちょっと立ち寄ってみたい気持ちもあったんだけど、大通りを渡るのが面倒だったのでスルーしてしまった。
今思えばジュースの1本でも買っておけば良かったと後悔している。
そこそこ大きな通りをずっと歩いていたんだけど駅に行くには左折する必要があったためこちらの石段を上って駅方面へ向かう。
新宿まで一駅だとは思えない位に駅周辺はよく言えばノスタルジーを感じる、悪く言えば時代に少し取り残されたような雰囲気。
遠くに見える特徴的な形の建物、歩いてる時は完全に横から見た新宿都庁だと思い込んでいた。
しかし今になって冷静に考えると方向的にそれはありえない。
後々調べてみたらNTTドコモのタワーだった、そういえば川崎にもドコモタワーがあったけど似たような形だったなと思い出す。
2時49分 南新宿駅
南新宿駅という名前だけど、実はこちらの駅の住所は渋谷区代々木だったりする。
なんて得意気に披露してるけど実は私も知ったのはついさっき、この記事を作る為にiphoneの写真を検索していた際に「渋谷区」で検索したら上記の写真がヒットした為「???」と疑問に思って調べその事実を知った。
それはさておきいよいよゴールの新宿駅まではあと1駅、そして一息。
ここまで3時間弱ほぼ休憩なしで歩いていたため若干疲れていた私たちだったが、ゴール間近となると疲れよりも寂しさの方を強く感じるようになった。
RPGで準備を整え最後のダンジョンに突入した時の心境に似ているかもしれない。
先ほど代々木上原あたりでも世田谷区とは違い都市部にやってきたと感じていたのだけれど、さすがにここまで来ると完全に大都会といった感じの街並みで、やはり新宿だなあと暗闇にそびえ立つ巨大ビル群に圧倒される。
眠らない街新宿であれば、深夜3時でも営業中のお店は多々あるのだろうと思っていたのだが、それは新宿の中でも歌舞伎町等の1部だけのようで、営業しているお店はほとんどなかった。
マクドナルドでお茶でもしようかと思ったらマクドナルドすら閉まっていたのには少々面食らった。
ゴール直前、西新宿1丁目の交差点の様子。
さすがに深夜三時ともなるとひっそりとしているが、それでも通行人の姿はチラホラ見かけるのはさすが新宿と言った所だろうか。
繁華街では無いのもあり騒いでる酔っ払い等はおらず一安心。
3時01分 新宿駅
スタートからほぼ3時間で本日の目的地である新宿駅に到着。
駅前の通りではスケボーを楽しむ若者が2名いた。この時間だったら確かに通行人も殆ど居らず、周りに住居も無いのだから、スケボーの練習をするにはある意味適したロケーションなのかもしれない。
ゴールはしたものの始発の時間まではまだ1時間半近くある。
ただ、実は出発前から新宿駅についたら始発までの間に行こうと決めていた場所があったので新宿駅から次なる目的地へと向かう。
始発までの過ごし方
新宿南口も深夜だけあってひっそりとしていた。
昔新宿伊勢丹で働いていた時には毎日のように通っていた場所なんだけども、これだけ静まり返っていると同じ場所とは思えない。
スタジオアルタ周辺も人気は無いけれど、交通量は結構ある。
伊勢丹時代はここら辺も毎日のように歩いてたっけなと、昔の思い出がよみがえる。
ただし思い出の殆どが、毎日憂鬱な気分で会社に行っていた事なんだけども。
そんなこんなでやってきたのは新宿ゴールデン街。
さすが歌舞伎町エリア、この時間でも空いているお店が殆どで人気もそれなりにある。
私はお酒が全く飲めない上に、歌舞伎町周辺はおっかないイメージがあったので実は来るのは初めて。
ただし龍が如くのゲーム内では幾度もお目にかかった光景なので既視感はあるのだけれど。
そんな私が人生で初めてゴールデン街を訪れた理由
それがコチラ
以前サンリオピューロランドに行った帰りに、多摩センター店で初めて凪のラーメンを食べてどハマり。
それからは通販でも度々購入&大宮店にもちょくちょく行ったりしていました。
なので機会があればいつか本店にも行ってみたいと常日頃思っていた為、今回丁度良い機会だからと訪問してみる事に。
ちなみに本館と大宮店はなんと24時間営業。
店舗は2階にあるんだけれど、この階段が急でさらには滅茶苦茶狭くて、人がすれ違うのはまず不可能。
階段は赤い照明が妖しく光りを放っていて、階段だけ見たらとてもラーメン店とは思えない位。
海外観光客の来店も最近は多いのか、看板には英語表記がテープで後付けされていた。
上に上がってみると、深夜3時半だと言うのに店内は大盛況。
店内はカウンター席が10席のみでかなり狭いのもあり人口密度がとんでもない事になっていた。
そそくさと券売機で購入し席についてじっとラーメンの到着を待つ。
凪はセントラルキッチンなので、恐らくどこのお店で食べても味は基本一緒なんだと思う。
ただ大宮店より本店の方が美味しく感じたのだけど、それは単に3時間歩いて疲れた身体に染みただけだろう。
今の私が一番好きなラーメン屋を聞かれたら即座に「凪」と答える位、私は凪のラーメンが好き。
もしもまだ未食の方がいらっしゃったら、一度は食べてみて欲しい。
ただし煮干しの風味が嫌いな人は間違いなく合わないのでそういう方にはオススメしない。
凪は深夜だと言うのにひっきりなしにお客さんが訪れていて、だから24時間営業でもやっていけるのだなと納得、そして改めて人気ぶりにびっくりもした。
その後ラーメンを食べ終わった私達は、龍が如くシリーズでもお馴染み歌舞伎町のドン・キホーテに立ち寄り、時間つぶし&お菓子等を買い、歩いて駅まで向かった。
新宿駅東口は完全に整備されてしまった渋谷駅周辺と違い、まだどこか前時代的な雰囲気が残っている。
この時間に新宿周辺を歩く事は、もしかしたら今後の人生で二度と無いかもしれない。
次新宿に来る時は昼間か、もしくは夜だとしてもそんなに遅い時間では無いだろう。
その際にはゴールドラッシュでハンバーグを食べて帰ろうと、当然ながらAM4時は閉店中であるゴールドラッシュ新宿店の看板を横目でチラ見しつつ、新宿駅東口前の横断歩道を渡った。
新宿駅東口に到着したタイミングで、丁度良く駅のドアが開錠され殆ど待つことなく駅構内へと入る事が出来た。
散歩だけで言えば所要時間はほんの3時間程だけれど、割と濃密な時間を過ごせたように思う。
始発の電車に乗り込み座席に腰を下ろした私は、心地よい疲労感と、ほんの少しの満足感を抱きつつ帰路についた。
あとがき
この時の散歩が割と楽しかった為、その後深夜散歩は月イチの恒例行事になった。
この記事を作成している現在、既に第三回まで行われている。
これからもこちらで散歩の様子を記録していくので、電車の中の暇つぶし等で読んで頂ければ。
ただ、この記事もちょこちょこ合間を見つけては書いていたのだけど結局1か月近く掛かってしまったので更新については気長にお待ちください。