東京夜散歩 第三夜「王子様に会いに行こう」
2023年12月某日、夜散歩の第3回が開催された。
いつまで続くのかわからないけれども、可能な限りは月イチで行っていこうと思う。
今回は東京駅からスタートし、京浜東北線沿いに歩いて王子駅を目指すルート。
なぜ駅なのかと言うと、口に出すのも恥ずかしい位に安直なのだけれども、東京駅と言えば皇居、皇居と言えば天皇様。天皇様がスタートなのだから王子様をゴールにしようと言う今考えれば支離滅裂なよくわからない発想でこのルートになった。
書いてる現在ですら自分自身意味がわからない。だけどルートが決まったのならば後は歩くのみ。
23時13分 二重橋駅
今回は東京駅スタートの予定だったが、越谷から向かう場合は直接東京駅に行くよりもこちらの駅から東京駅まで歩いた方が導線がスムーズだったため、終電よりも少し早い時間にこちらの駅へとやってきた。
東京駅自体には人生で何度となく訪れているが、二重橋駅で降りたのは人生で初めてだと思う。
改札を出てからは地下道を通り東京駅方面へと歩いて行く。
東京駅は周知の通り地下道及び地下街がかなり広がっており、さながらRPGゲームのダンジョンのようだ。
地下街に限って言えば都内でも最大規模だろう。というか都内で他に地下街がここまで広い場所は多分ないんじゃないだろうか?
さすがにこの時間の地下道はがらんとしていて人通りもあまりなかった。
繁華街などからも離れているのだから当たり前と言えば当たり前と言えば当たり前か。
だからこそダンジョンのような雰囲気を存分に味わえて歩いていてとても気持ちが良かった。
地下道の1部がちょっとしたギャラリーになっていて写真などが展示されていた。
じっくり足を止めてみたわけではなく、少し歩みを緩めて横目で見ながら通り過ぎただけなので一つ一つを解説することはできないため、気になる方はぜひ直接足を運んでみていただければと思う。
こちらは反対側の通路、両サイドにこんな感じで写真が展示されていた。
ギャラリーになっていた通路を抜けるとだだっ広い場所に出た。ここも通勤時間になれば丸の内のオフィスワーカーたちでごった返すのだろうけど、深夜の現在は数人がちらほらと歩いているのみ。
23時31分 東京駅
二重橋駅から15分ほどで東京駅の駅舎前に到着、こんな時間に東京駅に来るのは人生ではじめてのような気がする。
深夜に見る駅舎もなかなか雰囲気があり、ここをスタート地点に決めた自分を少し自画自賛したい気分にもなった。
この時間でも丸の内のビル群はまだ明かりがついている部屋がたくさんあった。
オフィスでまだ仕事をされている方々がいるのだろうか?
それとも単につけっぱなしなのだろうか?
その答えを知る術は残念ながら私にはない。
今回のルートは京浜東北線沿いに王子駅まで進むルートを予定しているため、線路に沿って北上する。
そういえば昔ここら辺を歩いていたら、外国人の女性にお菓子を買わないかと声をかけられたことがあった。
一時期その他の外国人が都内の各所に出没するなんてニュースがあり、うそかほんとか知らないが組織だってその手の行為をやっているなんて噂もあった。
最近は見かけなくなったような気がするが今もどこかであのお菓子売りたちは出没していたりするのかもしれない。
高架沿いを歩きまずは神田駅を目指す。
高架下にはノスタルジーを感じるような飲み屋が数軒営業していた。
東京駅周辺は昔よりも開発されて商業施設は増えたが、ターミナル駅として地方各所とのハブ以上の価値はなかった時代の名残のような物が各所に感じられる。
東京駅からガード下を数百メートル歩くだけでこんな感じである、人気もほとんどない。
さらに先へ歩いていくと黄色い看板のラーメン屋が目についた。
一見すると二郎系のラーメン屋さんぽい雰囲気だったけれども、メニューを見てみると博多とんこつラーメンがあったり東京ラーメンがあったりと良く言えばバラエティー豊かな、悪く言えば節操のないタイプのラーメン屋さんだった。
店構えはなかなか年期が入っている感じだけれども、いつからあるのだろう?
私は海外にまだ行ったことがなくリアルな海外の雰囲気を感じたこともないので、海外暮らしで得た知識を披露してマウントを取るのが大好きなXあたりによくいる方々からすれば鼻で笑われてしまうかもしれないけれど、ここら辺の高架下にはなんとなく海外的な雰囲気を感じた。
街灯の明かりも絶妙にエモくて素敵。
ワイン片手にうんちを語るのが好きな、一緒にいるとご飯がまずくなるタイプの方はあまり来なさそうなイタリアレストランも発見した。
高架をくぐって大通りへ出る。
ここら辺は昼間にも歩いたことがあるけれど、周りにはオフィスぐらいしかないのもあってかそんなに人通りは多くなかった。
23時56分 神田駅
神田駅は東京駅から数百メートルとほど近いけれども、距離にしては割と時間がかかってしまった。
おそらくはゆっくりと周りの景色を堪能しながら歩いたのが原因だろう。
神田駅前の繁華街は平日の深夜でも人で賑わっていた。きっと3年前のコロナ禍の時はここら辺も閑散としていたのだろうがやっと日常が戻ってきた感じがする。
高架下の通路は、繁華街の喧騒とはうって変わって人気が全く無かった。
そのまま線路沿いを北上し秋葉原駅方面へと向かう。
道中ピザハットの店舗前を通る。
ピザハットのハットが帽子(hat)では無く山小屋(hut)を意味していると知ったのは大人になってからだった。
神田から秋葉原の間はシャッター通りになっていた。多分普通の会社等が入ってて昼間はどこも空いているのだろう。
その中で1番目を引いたのはこちらの店舗のシャッター、何の会社かはわからないけどなんかオシャレ。
その後も高架沿いを歩いていたが、高架の方がは私たちから離れていった。それと同時に少し大きめの通りに差し掛かる。
次の駅が近いからなのだろう、通りを渡ってから今度私たちの方から再び後悔へ向かって歩み寄るように歩く。
高架下には地元の小学生の子たちによるものと思われる壁画が描かれていた。
壁画を眺めつつ効果を潜ると左手に細い橋があった、かなり昔になるけれども1度だけこちらの端を渡って秋葉原駅に向かったのを思い出し橋を渡ることにする。
ビルに囲まれた中にポツンと神社があった、ある意味こういうのが東京らしい景色なのかもしれない。
ちなみにこの橋は神田川にかかっている、先程の道をもう少し先に進んでいれば和泉橋と言う大きな橋があるのだけれど、折角なら秋葉原駅前も歩きたい。
和泉橋で渡ってしまうとそのまま昭和通り沿いを歩くのみで秋葉原エリア通過してしまう。
だからこちらのルートを選ぶのがお散歩という意味でも正解。
道の先に秋葉原駅前が少しだけ見えるとテンションが上がる。
橋を渡り終えるとそこは秋葉原駅前、こんな時間に来るのは人生で初めて。
そういう意味でもこの真夜中散歩企画は新鮮な経験をさせてくれる。皆さんも機会があったらぜひやってみて欲しい、そういう啓蒙の意味もあって…というかそれをしたくて私は文章を書いている。
この文章を読んで1人でも私も歩いてみたよなんてコメントをいただけたら、もっと言えば同じような日記を書いてくれる人がいたら私はとっても嬉しい。
0時14分 秋葉原駅
私が初めて秋葉原と言う街を訪れたのは、確か2003年前後の世間では電車男が話題になってるあたりだっただろうか?
当時はまだ駅前もこんなにきれいになっておらず秋葉原歩いている人たちの雰囲気も今とは比べ物にならない位にディープだった。
それでも当時ですら平成初期から秋葉原に通っていたような方々からすればすっかり秋葉原も変わっちまったなみたいな声がちらほらあったようだけれど、当時初めて秋葉原歩いてみた私にとっては大隣の御徒町などと比べて全く街の空気からして違うのにカルチャーショックを受けたのを今でもはっきりと覚えている。
散歩当時はクリスマス前ということでご覧のようにクリスマスプレゼント用のコーナーが大々的に作られていた。
いたずらを警戒してか警備員の方がすぐ横に立っていたが、あのはもしかして一晩中こちらのコーナーがいたずらされないかずっと見張っているのだろうか?
それとも終電がなくなったあたりで見張りは止めるのだろうか?少し気になったが当然ながら警備さんをずっと見ているわけにもいかないので答えはわからずである。
欲しいゲームはたくさんあるのだけれども、何かと多忙でじっくりゲームをやる時間が無くいまだにやりたいゲームの1本すら買っていない。
トイレの時間ですら、この文章を書くのに使っている位なのだ。もっとも私はものすごく要領の悪い人間なので、集中していろんなことを効率化すればきっとゲームやる時間ぐらいあるんだろうけれどなかなかダメ人間には難しい。
ヨドバシを抜け秋葉原駅の昭和通り改札のほうに出てきた。
このまま昭和通りの方へ抜けて北上し次の駅を目指す。
昭和通りに出てすぐ朝ラーメンをやってるらしいお店を発見した、もしも朝に秋葉原に来ることがあったら行ってみよう。
これまでの人生で朝に秋葉原に来た事は無いのだけど、深夜に来ることもなかった私が今回初めて真夜中の秋葉原を歩いているのだから、これから先朝に秋葉原を訪れる可能性もゼロではないし覚えておいて損は無い。
さらに先へ進むとすぐに別のラーメン屋を発見。
ニンニク入れますか?と書いてあるので二郎系のラーメン屋さんなのだろう、それにしても二郎インスパイアのお店はものすごい数増えた。
インスパイア系は本店と違って入りやすさを売りにしているようなお店も結構あるけれど、本店の敷居の高さや接客の横柄さでもインスパイアしてるようなお店もたまにある。
タイムリープと言う店名のコンセプトカフェ、私はコンセプトカフェ自体行った事が無いのでどう言うお店なのか全く分からないのだけれど、こちらのお店はモガに扮した店員さんが応対してくれるような感じなのだろうか?
そういえば昔の小説に出てくる旧仮名遣いの料理って読んでて凄く美味しそうに感じたものである。
ビイフシチュウとかビフテキとか、あの洋食が日本に伝来したての、当時の人がまだ慣れないナイフとフォークをおぼつかない手つきでカチャカチャとしつつ味わっているような。
私は昔の小説に出てくるそんな食事の描写が今も昔も堪らなく好きだ。
そんな事を考えながら歩いていると御徒町まではあと少し、ここら辺で千代田区を離れ台東区へと突入する。
可愛い看板だなと思って何気なく撮影したのだけど、改めて見たら逆だった。
昭和の時代からありそうな飲み屋さん。
こちらのお店は確か正直さんぽで有吉さんが前に訪れていたような。
御徒町駅に近づくにつれて景色が賑やかになってきた。
御徒町らーめん横町と言う施設を発見、一時期このての複合ラーメン店、色んな所に出来たよね。
上手く行かないとこも結構あるけど東京駅近にある奴は観光客の多さもあって成功してるイメージ。
最初パチンコ屋か何かかと思ったら宝石店だった。
そういえば去年の強盗事件でも思い出したけど、御徒町って宝石屋が凄く多いんだよね。私には間違いなく縁の無いお店だろうけど。
なんて安易な店名...だが、それがいい。
0時37分 御徒町駅
上野御徒町界隈は好きなので、年に数回は来るのだけれど、この時間に歩くのは久しぶり。
駅は終電が終わっているからか無人だった。
そのままアメ横を歩く、アメ横内はかなりまだ割と賑わっており看板以外を撮影するのは難しい位。
ただ、人がいるのも飲み屋がある通りのみで、それ以外の通りは当たり前だが、がらんとしていた。
この何かが出て来そうな雰囲気、嫌いじゃない。
上野御徒町エリアを舞台にしたゲームも作られればいいのに。
私にとっては新宿歌舞伎町よりもずっと思い入れがある街だから。
飲み屋がある通りは割と人通りがあったけれど、食料品のあたりは人気がなく電気も消えていて、アメ横と言う地域性もあって歩いていると昭和にタイムスリップしたかのような気分になった。
私が子供の頃に上野動物園に連れて行った時の記憶が頭の中に浮かぶ。
駅前はもっとゴミゴミしていてホームレスの方や靴磨きの方がおり、確か教育訓練さんが募金を募っている姿もあったような気がする。
アメ横もいつかは近代的な建物ばかりになるのかもしれないけれども、街ごとの個性がなくなってしまうのは寂しい気もする。
アメ横上野側入り口に到着。
ここを昼間に訪れると、写真で言えば中央辺りの所にあるケバブ屋の客引きに高確率で声を掛けられる。
しかし私は一回も買ったことがない。
ケバブと言えば最近クルド人問題で、クルド人の方がネット民に叩かれてる姿を目にするようになった。
実際在日クルド人の方にも問題があるのは事実だ。
とは言えクルド人を叩いている方の中には、ただ人種差別をするのが好きな方が多々混じっているように見える。
その手の方は多分以前は韓国人あたりを叩いていたんだろうけども、韓流ブームなどで韓国人を叩いても前ほど世間の同調が得られなくなったからか、クルド人を叩く方向にシフトしたのだろう人も結構見かける。
あくまで私個人の感想。
日本初のファミレス等とも言われているじゅらくだが、最近はこんなお店も出しているようだ。
アメ横を抜けるとそこは上野駅、左手に進めば美術館や動物園方面。
そちら側からも次の駅には行けるのだけど、駅前を撮りたかったので右に進む。
0時48分 上野駅
今はもうとっくに終わっているのだろうが、この時の上野駅は工事中だった。
上野駅前には飲んでいて終電を逃したのであろう方々がタクシーに列を作っていた。
そういえば昔川崎に住んでいた頃、私も一度タクシーで上野から家まで帰ったのを思い出した。
今なら絶対にそんな事はせず、始発までどこかしらで時間を潰すだろう。
ウェンディーズ&ファーストキッチンを発見、昔はそれなりに見かけたが、昨今ではすっかりどちらもレアなお店になってしまった。
そのまま山手線の線路沿いを歩いていく。
線路がカーブする辺りで歩道橋を渡る、ポップ落書きに一瞬目を引かれた。
ストリートビューを見たら既にこの落書きが描かれている写真が使われていた。
落書きする側からすれば、それで一生この落書きは世間に公開され続けるのだから成功なのかもしれない。
勿論落書き自体良くない事、と言うか普通に犯罪だけど。
歩道橋を渡ると入谷口通りに差し掛かる、左手に古めかしくて少し不気味な雰囲気の建物があった。
調べてみたところJRの事務所だった、なるほど。
線路沿いに小道があったので少し入谷口通りから離れて歩いてみる。
人気は全く無く時間帯のせいもあって少し恐い。
ただし、この後歩く場所に比べるとこれでも全然都会だったのだけれど。
結局小道はすぐ終わり、すぐ元の通りに戻る。
こちらの輪っかがくっついた建物はランダバウト東京と言うホテルらしい。
そのまま道なりに進むと徐々に街並みや行き交う人々に妖しさがただよって来た。
次の駅は近い。
1時13分 鶯谷駅
今更説明するまでもないとは思うが、こちらの鶯谷駅前は一帯が都内でも最大級のホテル街になっている。
その為歩いているカップルの多くもそちらが目的だし、単独で歩いている女性もそういう職業の方が多い。
だからこその独特な雰囲気は山手線の駅の中でも一際の異彩を放っている。
私はこの街に来たことがあまり無く、車窓から眺めた景色位の知識しか無い。
なのでホテル街はてっきり駅前からこの通りまで位のエリアなんだろうと言うイメージだったのだが…
首都高をくぐり横断歩道を渡った先にもホテル街が広がっていて驚いた。
写真奥を見て頂くと、トラックが止まっているのがわかるだろう。
恐らくラブホテルから廃棄物を回収してるのだろう、こんな時間まで大変そうだななんて思いながら、歩きつつゆっくり動くトラックに視線を送る。
トラックはそのまま進み、大通りに出ると左折。した。
すると…
ころんと一つのゴミ袋がトラックの荷台から転がって路上へと落ちた。
しかし運転手は気が付かず行ってしまう。
たまに「なんでこんな所に?」と思うような場所にゴミ袋が転がっている姿を見かけるが、その何割かはこう言う経緯だったのだろう。
行ってしまったトラックを追いかけ…てた訳ではないが、私たちも続いて尾久橋通りに入る。
ここら辺で台東区とはさようならをし、荒川区へと入る。
日暮里といえばせんい街、こちらはその入り口。
通りがかりにエドウィンのお店があった、なんでこんな場所にと思ったのだが、調べてみたら日暮里にはエドウィンの本社があった。
なるほどそういうことか。
日暮里駅前には銅像があった。
この記事を作成する際に調べてみたところ、彫刻家橋本活道氏の作品「太田道灌騎馬像」とのことである。
1時31分 日暮里駅
正式な日暮里駅の入り口は階段を上ったところなんだけれども、行くのがめんどくさかったのでそちらにはいかずそのまま通過して次の駅を目指した。
舎人ライナーができた時、ライナーという言葉の響きから特急列車のようなものを想像してたのだけれど実際乗ってみてその落差と走る地域にびっくりしたのを思い出した。
こちらは日暮里駅前の駅ビル的なもの、上階はタワーマンションになっている。
日暮里駅を過ぎそのまま線路沿いを歩いていく、日暮里駅から次の西日暮里駅までは山手線の駅間が1番近く確か数百メートルだったと思う。
踏切を越えて飲み屋街を歩くとすぐに西日暮里駅だった、割と遅い時間だったが割と歩いている人も多く、キャバクラから出てくる人なんかもいた。
1時40分 西日暮里駅
駅前は年末だからか工事が行われていた。
年末になると各所で工事が行われていると言う光景は、令和の現代でも変わらないのである。
駅前の横断歩道を渡り線路に沿ってこのまま歩いていく、どうやら坂道を登らなければ次の駅には行けないようだ。
坂登ってる途中にあったベトナム系と思われるアジア食材店。
看板のお姉さんがゆりやんレトリィバァに若干似ている。
東京駅から歩き始めて西日暮里駅まではなんとなく都市部が続いていた感じがするが、ここに来て街の景観ががらりと変わった。
片方が壁などもあってどこか閉塞的な景色がしばらく続く。そして緩やかな坂がずっと続くのもあって歩いていてちょっと疲れる。
寒いし歩き疲れたのもあってそこのビルの中の自販機でジュースを買って少し暖を取りつつ休憩しようと友人に提案したのだけれども、さすがにこの時間にこの手のビルに入るのは不審者と間違えられかねでやめたほうがいいだろうと言われ断念。
しばらく坂を登り線路よりもだいぶ高まで来ると右手の壁はフェンスになった。
さっきまでの繁華街が嘘みたいに静かでなんもない道、埼玉に戻ってきたのかと思う位に静かだった。
しばらく坂道を登り、頂上へ到達。
私がけ暮らす越谷に坂道は皆無である為、坂道も、この手の景色も新鮮。
少し歩くと公園があった。
真夜中&住宅街なので当然だが人気はない。
進行方向の景色はご覧の通りに、ビルはあるけれど都内の中心部辺りと比べると大分暗い。
気になるカフェを発見、しかし当然やっていない。
入り口は確かに裏口のようで店内がどんな雰囲気なのか覗いてみたい衝動に駆られた。
いつか近くに昼間来る事があれば入ってみよう…
とは言うものの、場所柄それが実行される可能性があまり高くない事はわかっている。
こんな所にこんな店
と看板に記載があるが、確かに江戸切子を扱うお店がこんな所にあるとはたしかに少しびっくり。
もっともガラナジュースやら玉ねぎやらと色々取り扱っているのを見るに、江戸切子専売だと立地上厳しいのだろう。
さっきまでの繁華街が嘘みたいに静かな住宅街。
古地図屋さんを発見、店頭に並べられている駅名の看板が見慣れた文字だらけで思わず足を止める。
こしがやが3つもあるのは人気だからか、それとも売れ残っているからか。
さらに先へ進むと陸橋があり、右手の景色に目をやると階段を降りた先に田端駅が見えた。
仕方なしに階段を降りて田端駅へ。
途中路上の吐瀉物をネズミが食べている姿に遭遇し、降りずに遠景で撮って済ませれば良かったと心から後悔する。
2時1分 田端駅
田端駅前は山手線の駅だと言うのを踏まえると、店舗も少なく些か寂しい感じがする。
駅前には将軍と言うパチンコ店、数年前まで南越谷駅前にも系列店があったので越谷市民にはお馴染みかも。
1度駅前まで行って再び階段を上り元の道へと戻った。
田端駅の近くだからだろうか、先ほどよりもマンションやや会社とのビルが並んでおり賑やかとまでは言わないが開けた感じのする道がしばらく続いた。
昭和っぽい雰囲気の魚屋さんがあった。
私の子供の頃ですら、もうスーパーマーケットの時代だったのでこの店の魚屋さんを利用した記憶はあまりない。
ここら辺で私たちの後ろを1人の男性が歩いているのに気がついた。
時間を表記しているので私たちが現在ここら辺は何時に歩いているのかは大体わかるかと思うのだけど、この時間にこういう道で後ろを歩いている人がいると少しだけ緊張してしまう。
立ち止まって後の人に道を譲れないこともないけれど、歩道はそんなに広くない為、道を譲られたら後ろ歩いている人も気まずいだろうと思い、後ろの人に迷惑をかけないように目的の周り角まで少し急ぎ足で歩いた。
曲がった先はご覧のように寂しい雰囲気の道だった。幸い私たちの後ろを歩いていた人は私たちと一緒に曲がることもなくそのまままっすぐと歩いていってくれた。
これでその方も一緒に曲がってきたら割と本格的に警戒しなければならないところだった。
そのまま道なりに歩いていると線路沿いに突き当たる。
iPhoneのカメラ補正で割と明るくは見えるけれども、実際にはかなり暗い。
遠くのほうに見えるビル群は位置的に考えると北千住あたりにだろうか。
この写真にしても実際には暗い夜道なのだから、改めてiPhoneの補正機能はすごいものだと思う。
進むにつれて大きなマンションなどの建物が増えてきた、つまりは駅が近いということである。
我ら乙女、無限大
スローガンが塀に絵と共に描かれていた。何の建物かと思ったら女子校だった。
瀧野川女子学園と言う女子校で、中等部と高等部が併設されているようだ。つまり私立の学校なのだろう。
駅前にあった建てられてから結構な年月が経ってそうな雰囲気の大きなマンション。
何と言うかこの時代ならではの無機質感と重量感があって好き。
1階にはマルエツが入っていた。
2時26分 上中里駅
本日歩いた中で1番錆びれていたというか、寂しい雰囲気の役がこちらの駅だった。
駅前にはこの時間にやっているようなお店の1つもなく人影も皆無だった。
駅入り口の横にある連絡通路を渡る。
正直何もない道をしばらく歩いていたので、若干テンションが落ちていたのだけど、本日のゴールまであと一駅ということでここで気持ちを盛り上げようと試みる。
線路の反対側にある階段を降りていると少し遠くに高層ビルが幾つか見えた。
多分あそこが本日のゴール地点だろう。
道なりに進むと踏切に差し掛かる、頭上の高架は宇都宮線や高崎線のようだが、地上の線路にはGoogleマップだとなんの記載もなかった。
点検車両などの用途だろうか?
それにしても人気が全く無い。
時間帯も時間帯だし住宅街でもあるのだから当たり前ではあるんだけど。
特に目を惹くものもない寂しい道をひとしきり歩き、やっとこさ王子駅の南口に辿り着く。
ただしこちらは予定のゴールでは無いので通り過ぎる。
ここら辺りで街並みも賑やかになってきて駅前らしくなる。
王子駅にはJR線の他に都電荒川線の王子駅前駅もある。
都電荒川線の線路を渡り王子駅北口方面へ。
2時47分 王子駅
今回は始発よりもかなり早く目的地に到着した。
王子駅は昼間になら何度か訪れた事はある、その時は割と栄えた街と言う印象だった。
しかし、深夜の王子駅は私が思い描いていた雰囲気よりもかなり静まり返っている。
こんな立体歩道橋があるのに、静まり返っている。
まだ時間もある事だし赤羽まで散歩を延長する事も考えたが、思ったより距離もあり、友人も足が痛いとの事だったので王子駅で始発待ちをする事に。
しかし街並みから察するに選択肢は多く無い。
とりあえず手近にあった快活クラブに行ってみる事にする。
エレベーターの汚さに少々不安を感じつつ乗り込んだ。
しかしさすがは快活クラブ、エレベーターを降りて一歩店内に足を踏み入れると店内はとても綺麗だった・・・
のだけれども残念ながら満席で入れず。
先程通った道にローカルチェーンっぽい別のネカフェがあったのを思い出しそちらへ向かおうとも考えたが、万が一そこまで行って同じように満席だった時の事を考えるとなかなか足が進まない。
それに加え王子駅に着いた時点で既に散歩終了モードで歩きたくない気分になっていた私達は、快活クラブと同じビル内にあるカラオケ店に行ってみる事にした。
するとカラオケ店は開いており、そちらで始発までの1時間ちょっとを過ごす事にした。
店員さんは良くも悪くも”東京都北区のローカルチェーンのカラオケ店の深夜バイト”と言った感じの雰囲気だったが特に対応には問題は無かった。
そしてカラオケの室内にも問題は無く始発までの時間を快適に過ごすことが出来た。
しかし唯一引っかかったのはお会計の時。
何がどうなったかはよく分からないし、文句を言うほどの金額でも無いのだけれど、思ったより少し高くてモヤっとする金額を支払うハメになった。
会員登録をすると少し安くなると言われたのでしてみたが、多分このチェーンを利用する事はもう無いだろう。
店をを出てからは始発までのわずかな時間を高架下のアート作品と
腰に手を回して寄り添い、千鳥足でホテルへと入って行くフィリピンパブの店員さんと常連客っぽい男女を眺めて過ごした。
今回私と友人は
ゴールはなるべく賑やかな街がいい
と言うのを学んだ。
都内ならば渋谷新宿池袋
後は上野辺りなら夜中に到着しても始発までの選択肢は色々ありそう。
しかし残念ながらつい先日行われた第六回の夜散歩でも(つまりはまだ3回分も散歩記事のストックが残ってる)に至るまでゴール地点で朝ごはんを食べる場所が無くうろうろしていたりするのだけど。
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