curry menu archive 2 酒粕カレー
2皿目は酒粕カレーです。
世界一周カレーを標榜するizonですが、さっそく微妙なカレーが登場しました。
酒粕は日本酒を絞った後のやつですから、まぎれもないJAPANです。
ただ、このカレーを作るに至った背景は、かなりワールドワイドな感じだったのでご紹介させてください。
ある日、ヨシフジはウイグル料理屋でラムと人参の炊き込みご飯を食べたそうです。
その時に、「美味い。自分で作る時には牛すじで作ろう」と思ったらしいです。
なんで?と聞いたのですが、よくわからないけどなんとなくそう思ったとのこと。
話を聞く時間が限られていましたのでここから先は私の妄想ですが、本場ウイグルのラムの炊き込みご飯は巨大な鍋かなにかで作り、丸々一頭のラムを使うのではないでしょうか。
臭みを抑えるためにスパイスや根菜を使う。味付けは塩のみ。当然骨からは出汁が出て、いい感じになる。お祭りとかで食べる。
間借りのカレー屋でそれをそのまま提供するのは難しいですから、実践的に考えた結果、牛すじになったのではないかと推察します。
骨から近い肉。出汁が出る。食感もある。なおかつ比較的安価であることも採用された一因かもしれません。
上の写真が牛すじのスパイス炊き込みご飯です。
ご飯は決まってカレーはどうするかなあ、とぶらぶら歩いていると佐々木酒造で酒粕を販売していたそうです。
どんな酒蔵さんかをWikiから引用して紹介します。
佐々木酒造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動検索に移動佐々木酒造株式会社種類株式会社本社所在地
日本
〒602-8152
京都府京都市上京区日暮通椹木町下ル北伊勢屋町727設立1893年(明治26年)業種食料品法人番号9130001003014
事業内容日本酒・リキュールの製造・販売
ノンアルコール飲料の製造・販売代表者佐々木晃(第4代代表取締役)資本金2,000万円従業員数25名(ネコ含む)関係する人物佐々木次郎吉(創業者)
佐々木蔵之介(俳優、次郎吉のひ孫、4代目社長・晃の次兄)外部リンクhttp://www.jurakudai.com/(日本語)テンプレートを表示
佐々木酒造株式会社(ささきしゅぞう)は、日本酒を製造販売する、京都市に所在する蔵元のなかでも、特に洛中と呼ばれる範囲内においては現存する唯一の蔵元である。俳優・佐々木蔵之介の実家でもある。1893年(明治26年)佐々木次郎吉が創業。
沿革[編集]
1893年 初代佐々木次郎吉が「佐々木酒造本家」として京都市上京区日暮通椹木町下ルにて創業、清酒の製造販売を始める。創業当時の代表銘柄は「聚楽菊」
1955年 佐々木勝也が三代目蔵元就任
1987年 「佐々木酒造株式会社」として法人設立
2010年 佐々木晃が四代目蔵元(代表取締役)就任
2010年 清涼飲料水・ノンアルコール醸造飲料「白い銀明水」発売
2020年 ゆず・レモンのリキュール「古都のリキュール」発売
2021年 「京都・洛中 酒蔵ツーリズム事業」開始
主力商品[編集]
聚楽第【純米大吟醸・純米吟醸】/聚楽菊【純米】/聚楽【普通酒】
古都【大吟醸・純米吟醸・特別純米・本醸造】
その他 西陣【特別純米】/平安四神【大吟醸・吟醸】/まるたけえびす【本醸造】/
白い銀明水【ノンアルコール飲料】
古都のリキュール【檸檬・柚子】
特徴・雑記[編集]
京都の造り酒屋は洛外に位置している伏見が盛んであるが(全国2位の生産量)、佐々木酒造は洛中に唯一残る酒蔵である(同じく京都市街に「松井酒造」があるが、同地は鴨川の東側であるため洛外である)。現在では京都の酒造会社と言えば伏見が全国的に有名で、灘に次ぐ全国第2位の生産量を誇る酒処として全国的に知られているが、もともと京都の酒造りの起源は洛中にあり、室町中期には300軒、佐々木酒造創業年である明治26年でも131軒の蔵元があった。しかし、洛中の蔵元はもともと家内制工業的な小さな蔵元が多く、転廃業する中で自然と淘汰され、現在では洛中で酒蔵を営む蔵元は佐々木酒造のみとなった。
豊臣秀吉の邸宅聚楽第のあった場所に位置し、良質の地下水に恵まれた環境にある。京都地域は三方を山に囲まれた盆地で、それぞれの山の岩盤を伝って地中に潜り込んだ水が水瓶になる地形となっており、1000年もの間、都が京都に置かれたのはこの類い希なる地形と豊富な水があったのが大きな要因といわれている。現在でもその良質で豊富な地下水は変わりなく、お茶の家元、豆腐や湯葉、生麩など、水が育んだ産業は現在も洛中に多く残っている。
千利休が茶の湯にも使ったといわれる「金明水・銀明水」を仕込み水とし、全ての酒を洛中伝承の技法で製造している。
主力商品「古都」は川端康成が「この酒の風味こそ京都の味」と、自身の著作『古都』の作品名を揮毫したものである。川端はフランス文学者で京都大学名誉教授を務めた桑原武夫に「古都という酒を知っているか」と尋ね、「知らない」と答えた桑原にこれを飲ませようと、寒い夜にもかかわらず徒歩30分かけて買いに行ったと言われている[1]。
佐々木蔵之介さんのご実家の酒蔵だそうです。
個人的には川端康成のエピソードに驚きました。
古都の冒頭に、『古木のもみじの幹にすみれが咲いている』、という描写があるのですが、izonは、『古都の住宅街の辻に間借りのカレー屋がオープンしている』ので妙なシンクロを覚えました。
ヨシフジは偶然、川端康成の愛した酒蔵の酒粕を買ってカレーを作ったのですが、なぜ酒粕を使ったのかというと、「実家で、かす汁か豚汁が出てくる時は決まって炊き込みご飯だったから」と語っていました。
味付きと味付きで濃いじゃないかと私は思いましたが、母の味というものは理屈を超越するところがありますから、ヨシフジの頭の中では『牛すじスパイス炊き込みご飯、酒粕カレー、ダルカレー』が違和感なく融合したようです。
ダルカレーもインドでは母の味のようです。
酒粕カレーの裏テーマには「母」が流れていました。
古都の小説全体に通底する母の愛、的なカレーを、小説を読んだことがないヨシフジが、作家の愛した酒蔵の酒粕を使って偶然作ったわけですが、偶然にしては出来すぎていて少し怖いです。
(川端康成が佐々木酒造の酒を贔屓にしていたのはさっき知りました。)
インスタの写真を見ると、山芋のアチャールはたくあん、ほうれん草とジャガイモのサブジは肉じゃが、のように見えます。どこまでも母です。
海路を含めればシルクロードの終着点は日本だったという説をジャズピアニストの山下洋輔さんが奈良監獄の周年コンサートで語られていたのを思い出しましたが、酒粕カレーは、
「シルクロードお母さんカレーfrom京都 feat.Kawabata」だったと言えそうです。
前半にラムの炊き込みご飯を、祭りの飯だ、と妄想の翼を拡げましたが、ここまでくると母の味としか思えなくなってきました。
そこまでシンクロすると怖いのでそっとしておきます。
なんだかホラーめいてきましたが、酒粕カレーを食べた記憶のある方からのコメント、ご連絡をお待ちしております。
リアルな感想が発掘できれば随時追記予定です。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
つづく。