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izonのスパイスカレー 37皿目 エジプトカレー

こんにちは!
今日は2022年10月の実店舗オープンに合わせて提供していたエジプトカレーについて書いていきたいと思います。

スパイスカレーizonの所在地の京都市中京区毘沙門町557-1では、元々naturemian spice curryさんが営業されていました。
内装やキッチンの設備などはそのまま引き継ぐ形でのスタートでしたので、店主のヨシフジ君は「オープンの際には継承式的なことがやりたい」と思っていたみたいです。
そういった経緯から、naturemianさんのシンボルマークでもあるピラミッド型のご飯の型をお借りして、エジプトをテーマとする世界一周カレーを作ることになりました。


エジプトカレー

エジプトカレー メニュー

エジプトという国は地理的にはアフリカ大陸の北東に位置し、国土の東寄りを南北にナイル川が流れています。

紅海を挟んで東にサウジアラビア、北東にイスラエル、北は地中海、西側の砂漠を挟んでリビア、ナイル川の水源であるナセル湖の南側にスーダンが位置しています。

izonの間借り時代にイスラエルカレーをやったこともあり、ご近所が故に食文化に似たところあって、どうしてもかぶってしまうメニューが出てくるなど難しい面もあったようですが、ピラミッド型のターメリックライスをやると決めた以上他の国はありえませんから、食文化の側面を掘り下げつつ着想を得てなんとかワンプレートにまとめたみたいです。

それでは順番に解説していきたいと思います。

まずはモロヘイヤのチキンサグカレーから。

モロヘイヤのチキンサグカレー

エジプトの定番料理としてモロヘイヤのスープがあります。

エジプト原産の野菜であるモロヘイヤのスープはかのクレオパトラも愛したとか愛していなかったとか謂われているようですが、エジプト国民なら必ず食べる国民食であり、日本における味噌汁のような存在のようです。
(もちろん好き嫌いはあるでしょうが)

このモロヘイヤスープはモロヘイヤの葉をミキサーにかける、もしくは包丁でみじん切りにする、という工程を経てスープを作っていくようで、それをカレーに応用したものが「モロヘイヤのチキンサグカレー」となります。

カレーの本家インドでは青菜を使ったカレーのことをサグカレーと呼びます。(主にからし菜のことを指す)
モロヘイヤも青菜ですので、これをペーストにしたものとチキンを材料に作ったカレーが、「モロヘイヤのチキンサグカレー」です。

砕いたナッツを散らせて食感にアクセントを持たせています。

エジプトにこんなカレーはありませんので、全てはヨシフジ君の創作です。
当時のインスタグラムの投稿には作った意図は書かれていませんでしたので、今となってはよくわからなくなってしまいましたが、
「もしもエジプトの国民食がカレーだったら」
みたいなイメージで作ったのではないでしょうか。

右側があさりのベシャメルキーマ

続いてアサリのベシャメルキーマです。

エジプトの食文化にも欧米の影響はかなり大きいようで、ベシャメルソース風の料理なんかもあるようです。
ベシャメルソースにマカロニとスパイスを加えたシーフードグラタン風のカレーになりました。

カボチャとデーツのダル

これまでによく作っていたダルカレーにカボチャとデーツを加えてアレンジしたもの。

砂漠のオアシスに育つナツメヤシの実であるデーツは、エジプトでは古くから栄養源として重宝された果物です。

カボチャもデーツも甘味のある食材ですので、カレーを全て混ぜた時のバランスを考慮してダルカレーを甘く仕上げたかったのだと思われます。

エジプトではカボチャの実の部分も食べられますが、カボチャの種が人気のようで、乾燥させた種をぼりぼり食べるみたいです。
メジャーリーガーがベンチでひまわりの種を食べるみたいな感じでしょうか。

タブレサラダとクスクス

タブレサラダはイスラエルカレーの時にも登場した、パセリを使ったサラダです。
中東からヨーロッパにかけてよく食べられているメジャーなサラダ。

クスクスはエジプトのあたりが発祥だといわれる世界一短いパスタです。
キュウリやトマトと合わせてサラダ風の味付けに。

焼きイチジクのライタと右側にカンヌーグとターメイヤ

イチジクのオーブン焼きとヨーグルトを合わせて、仕上げにシナモンを振りかけたヨーグルトソースです。
イチジクはクレオパトラの愛した果物と謂われていています。
ヨーグルトの酸味とイチジクの優しい甘味がカレーにアクセントを与えてくれます。

カンヌーグは「ガヌーシュ」の誤りだと思われます。
ババガヌーシュというのがエジプトや中東でよく食べられている焼き茄子のペーストですので、忙しすぎるあまりカタカナがゲシュタルト崩壊を起こしたままのリリースになったのでしょう。
ガヌーシュのエジプト弁がカンヌーグなのかもしれません。

ターメイヤはエジプトに古くから伝わるそら豆のコロッケです。
ベシャメルキーマがバターを使う重ためのカレーでしたので、隣に位置するターメイヤはバランスを取って油が控えめになるようにフライパンで焼いての提供でした。

『全部混ぜた時のバランスをけっこう考えてる』

という思想をサボることなく実践していて偉いなあと思います。

エジプトカレー

全景がこちら。
ピラミッド型のターメリックライスが、たまらなくエジプトですね。
もしも吉村作治先生がエジプトカレー食べたらどんな顔するだろう。
エジプトが当たり前すぎて感情ゼロでもぐもぐでしょうか。

今回のメニューはエジプトの食文化を強く反映させたカレーになっています。
また改めてエジプトを扱うことがあれば、歴史や宗教の部分をフューチャーしてたバージョンも見てみたい気がします。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた次のカレーでお会いしましょう。

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