【自己紹介】スパイスとわたしの出会い
ぐるぐると当たり前のように回る地球の上で
私は今日も「当たり前」について考えている
「女のコらしくいるべき」とか
「あの国の人はよくない」とか
そんな助言に違和感を覚えていた幼少期
私はスパイスが苦手だった
「辛くてくさくて異国のものだよ」
そろえられた周囲の声は私の中の「当たり前」に染み込んでゆき
生姜もにんにくも、胡椒さえもほぼ触れずに育っていった
「おてんばな女のコがいたっていいじゃないか」
しがらみから逃れようとリュックを背に海を越えると
芳しくっていろとりどりで、それでいて刺戟的な世界が待っていた
アムステルダムに向かう電車で心を奪われた、スパイス香るパウンドケーキ
四川で痺れた、花椒たっぷりの麻婆豆腐
早朝の台湾で衝撃を受けた、八角のきいた豚足煮こみ
スリランカの田舎で習い感動した、ナツメグ爽やかなココナツプリン
そこには、甘いも、苦いも、爽やかも、つーんも、ぴりぴりもあった
しばり決めつけられることから逃げたわたしは、
自分が知ろうとせずに遠ざけていたたくさんの存在を知った
「辛いものは一割程度しかない」
そう知るきっかけを教えてくれたあの人とも、
文を交わすほどになるとは思ってもいなかった
お茶にも、お酒にも、お菓子にも、インテリアにも、染物にも使われる
そして、国や地域ごとに使われるものも使い方も違う
スパイスを知ることは、
世界を知るきっかけに、
そして、「当たり前」を見直すきっかけになった
この体験を、誰かに伝えたい
誰かの世界を、スパイスで彩りたい
もし、スパイスで、誰かに少しでも、
何かの気づきやきっかけをもたらせたなら
そんな思いで、まいにちまいにち、
チャイやお菓子やカレーたちの手を借りながら
新しい何かに出会えるスパイス体験を、
辛いだけじゃない、
甘くて苦くて爽やかなスパイス体験を、
こつこつ企てている
いつかあなたにも届けられますように
ちゃいまい