人間の質

私がアカハラの件を受けて思ったことがある
人間の質、もっと言えば本質というのは部下への接し方でわかるのではないか、と
子供というのでも良いが、自分が人の親だと子供にだけは特段優しくしてしまうなど、特例的であるためダメである
部下、それもできれば20歳以上の、成人した人間を持つ者が、その部下に対してどのように接するかをみればその人間の性質がわかると思うのだ
パターンは無数に挙げられるが、そのうち多くの者に当てはまる特徴的な幾つかを挙げることで議論としよう

部下に対して、上司や同僚と接する時と変わらずおちゃらけた、優しい人間

これは子供心が備わっている人間だと思う
若くして、自分の力で成功した人間はこのタイプが多い気がする
部下からしてみれば一番頼りがいのあるタイプだし、個人的にはこのタイプが一番好きだ
自分の力で成り上がった人間が多いので、ある種一番レアかもしれない
そして、年上に対しても軽いノリで接して、そして嫌われない点もポイントであるし、それと同じノリを部下に対してもできるのは尊敬すらする
つまり、だれが相手だろうと関係なく、一人の個として相手を認識し、接する人間なのだ
これは聖人と言っても差し支えない
むろん、このタイプにも無数のバージョンが存在し、亜種なども多いだろうがこれ系統の人間が総じて私は好きだ

部下に対しては厳しく、同僚、上司にはおちゃらけているタイプ
これは一番タチが悪いしうちのラボのボスもこれだ
上司や同僚に対してはおちゃらけているので外面が良い
だから一見良い人そうに見えて、部下に対しては厳しいのだ
このタイプが一番厄介であり、平気で虐めの加害者となるような人間だ
この人間の質が一番腐っている
人を個人で判断する前に属性で見るのだ
だからこういう人間が生まれるのだ
このような人間を皆殺しにできるのならばそんなに良いことはないが、まあ現実問題こういう人間の中にも優秀な人間というのもいるわけで、だからこそ厄介なのだ
ちなみにうちのラボのボスは頭がいい
そりゃあ准教授になれる人間なわけですから私よりうんと頭が良い
だから、どんな暴論でさえ、屁理屈でもいいから理屈をつけて絶対に意見を曲げない
もしかしたら、というか、きっと、上司や同僚に指摘されたら意見を曲げることもあるのだろう
しかし、我々学生が何を意見しようと必ず意見を曲げない
そしてそのための屁理屈も無数にある
そして、それはあまりにちゃんとしているため、我々凡人からするとその粗を見抜けないのだ
憎いしきっと間違っている暴論なんだろうけど、その粗を見抜けない自分が悔しい
一言で言ってしまえば、性格の悪い天才、なのだ

上司や同僚にはキチッとしているが部下には優しいタイプ
これははっきり言ってよくわからない、が該当する人が近くにいたため一応付け加えておく
おそらく、正確な言い方をするならば、”キッチリすべき場面ではキチッとし、それ以外の場面では誰にでも優しくできるタイプ”だと思う
はっきり言って部下の教育(ここでは学生の教育だが)というのは業務の中でもあまり重要ではない
だから、会議などに比べてキチッとする必要がないから、そういう場面では柔らかく優しくなり、そして、キチッとすべき場面、つまり会議などでは上に対しても凛として意見を言える、という、まあある種、根が真面目で良い人間がこのタイプになるのだろう

と、まあ3パターンだけ挙げたが、実はこれで大抵の人間は当てはまるのではないかと思う
少なくともこの2年間出会った人たちはこの3パターンに分けられた
さらに言うと、自分が後輩だった時にどのように接せられたかでどのパターンの人間になるかが変わると思う
つまり、ネグレクトされた子供が親になった時に子供への愛情表現の仕方が分からずネグレクトをしてしまうのと同じように、後輩だった時に先輩からの指導された方法を真似して先輩になってしまうのではないかという問題だ

無論、このように客観的に分類、分析してみることでそのような連鎖を断ち切ることが可能となるのだが、そのようなことをする人というのはおそらくかなり稀で、やはりそのまま何も考えずに受けた指導をそのままする人が多いのではないか

最後に、良い指導者には出会えなかったが、良い研究室の先輩には出会えたため、この研究室に入って後悔していない

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