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心惹かれるものは、巡り巡って
出会いは数年前、facebookで偶然流れてきた投稿だった。
当時、知人と片付けをテーマにしたfacebookライブを週1〜月1でやっていた。
facebookの使い勝手がよく理解できず(今もまだ不慣れである)実はあまり好きになれないSNSなのだが、ライブの告知や終わった後の動画共有などもあり、facebookを回遊する時間が長くなりがちだった。
いつものようにfacebookを見ていると、何の前触れもなく、とても美しい造形の写真が目に飛び込んできた。
それが「ヒンメリ」だった。
ヒンメリとは
フィンランドの伝統飾り。麦の藁を繋いでモチーフを作り、収穫を祝ったり神に感謝を捧げるためのものとして使われる。日本のしめ縄のようなもの。
投稿は、ヒンメリ作家さんの個展についての情報だった。
作家というだけあって、その作品は圧巻だった。
元々、神聖幾何学が好きだったので、それらを立体で表したかのようなヒンメリに、私はすっかり心を奪われた。
投稿を偶然見つけたその1時間後には、ヒンメリの本とキットのセットをポチッと購入していた。私が迷わず何かを購入することはとても珍しいことだったが、迷いは全くなかった。
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ところが、手元に届いてから1-2度作りかけたところで、私の新しい趣味となるはずのヒンメリセットはしばらくお蔵入りすることになる。
あまりに過酷な家庭状況・仕事状況の時期に突入し、心穏やかにヒンメリを作るどころではなくなってしまったのだ。
その"過酷な状況"のトンネルの闇からは、しばらくして抜け出すことができた。が、その頃にはヒンメリは私の意識からは遠のいてしまっていた。
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今年に入って「ゼンタングル」というものを初めて知った。
規則的な模様を組み合わせて細かく描きひとつの作品にしていくもので、描く瞑想のようなものだった。
どんなものかもっと詳しく調べてみようとググったら、神聖幾何学の写真が何枚か出てきて、あっそういえば私、神聖幾何学がすごく心惹かれたんだったということを”思い出し”た。
そう、自分が好きだなと思う強い感覚を、忘れていたということに気付いた。
それで、神聖幾何学経由でまたヒンメリに行きつき、あぁそうだ、本もキットもあるのにそのままにしていたな、と本棚へ探しに行った。
実はパーツの一部を作ったのだが、完成させることなく終わっていた。
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そこで、続きから作り、初めての作品を完成させてみた。
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色や形が整っていないけれど、スケルトン階段下の複雑な光の陰影とよくマッチしていて、なんだか嬉しくなる。
色も形もシンプルだけど、見るほどに吸い込まれそうな奥行きを感じる。
自分の好きなものを、自分の手で作り出せた喜び。
早く次の作品に取り掛かりたいと思っている自分がいることも、嬉しい。
頭で考えているのではなく、心が欲している。
本当に心から惹かれるものは、タイミングが合わず一度は通り過ぎてしまっても、巡り巡って、またこうして再会することができる。
そういうものが、自分の人生の持ち物として共に歩いていくものなのだろう。
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あなたが、心から惹かれてずっと手元に持っていたいモノ・コト・世界観は何でしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。