Piano piano
イタリアに来て2週間。
あちらこちらでクリスマスイルミネーションの準備をする様子を見て、
焦る、あせる。
気持ちは焦っているけど、実際はソファに座って、
ベビーサークル内でコロコロ転がる赤ちゃんの様子をうかがいつつ
このブログを書いているから、自分でもよくわからない。
とりあえず航空便で届いた段ボールはすべて開梱。
ただし、しまう場所を決めきれず散乱してるものがたくさん。
時間を決めてさぁやるぞ、と立ち上がると赤ちゃんが泣く。
あやす、遊ぶ、散歩に出かける。
気づけば離乳食の時間、お昼寝の時間に今度こそ、と思うと今度は自分の体力の限界に気づき一休み。そこうしてるとまた赤ちゃんが泣き、という永遠のループ。
よって、生活パターンは日本にいるときと何も変わらず、
偶発的に発生する問題(後日書こう。)を一つづつ解決しながら、
ぬるりと新生活がはじまりつつある。
ただやっぱり、お散歩すると自分が異国にいることを実感する事が多くて、
小さなことでもワクワクする。
例えば公園に並ぶ楓の木の葉っぱが日本では
見たこともないくらいに大きかったり、
カラスが真黒じゃや無くてグレーと黒のお洒落ながらだったり。
ベビーカーは押しにくくてこまるけど、石畳の床には時々、住んでいる市の紋章が入っていて、いちいち格好良く見える。
街の人は赤ちゃんにとても優しくて、市場の八百屋のおじさんは赤ちゃんに、とズッキーニやにんじんをおまけしてくれたりする。
そうすると、対岸の魚屋さんが「鯛なら食べられるかな?でも今日のは新鮮さがイマイチだから…」と真剣に悩んでくれたり。
アジア人な私が観光客扱いを受けないのはきっと赤ちゃんを抱っこしているからなんだろうな。
カタコトのイタリア語を屈指して買ってきた食材は
本当になんでも美味しくて。物価が高いことには目をつぶり
最初のうちだけだから!と開き直って食べたいものを食べたいだけ食べている。
家の修理に来てくれたおじさんにも、
「焦らずゆっくりPiano pianoだよ」
と言われたので、こちらの生活で小さな幸せを感じつつ
徐々に馴染んでいけたらなと思う。
ちなみに、修理のおじさんは仕事が終わらないまま帰宅した
ちょっと焦って欲しいかったな。