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色にも魂がある


<色にも魂がある>

そんなことを言えば、オカルト的な話かと思う人もいるかもしれないが
これは古神道の考えでもあり、東洋科学の話でもあり、近年西洋科学でも常識となりつつある話なので
是非とも最後まで読んでもらいたい。あなたの色に対する価値観が一気に麗しくなるだろう。

あなたは「赤が赤であること、緑が緑であることを証明しなさい」という問いに答えられるだろうか?
多くの人の回答は西洋科学の知識に染まり、色素や光の性質など色というものを客観的に捉えて説明する。西洋科学は客観的であり、分別知であり、相対知である。だから西洋科学的に物事を捉え、学び、研究をすればするほど、その対象物と自分自身は切り離されていく。

こうして西洋科学では自然とヒトを切り離し、ヒトは神様によって特別に作られた存在だから自然をコントロールできる存在であり、破壊や消費をしても構わないと考えた。しかし、実際にはヒトは自然の中に取り込まれた存在であったために、自然を破壊することはヒトを破壊することだということに最近やっと気がつき始めた。

そんな西洋科学は視覚で捉えている色を光の波長や色素に分解し、その割合で色を識別し、名前をつけた。つまりこれが分別知である。また、他の色との違いはその波長の差、色素の差であると考えた。これが相対知である。

あなたもきっと子供の頃にりんごやトマト、赤色のクレヨンや折り紙を、大人が指差して「これが赤色だよ」と教わってきたに違いない。木々の葉や野草、緑色のクレヨンや折り紙を、大人が指差して「これが緑色だよ」と教わっただろう。こうして赤も緑もその他の色もあなたとは全く関係ない色として存在し、ヒトだけが色を美しいと思う存在で、他の生命には色に対して無頓着だと決めつけていた。それが西洋科学が発展して数百年余の常識となっていたが、ヒト以外の生命の研究が進むにつれ、その常識が疑わしくなっていった。

ちなみに動物は光を受け取る視細胞は大きく2種類に分類される。ひとつは杆体細胞と呼ばれるもので、単に光の強弱(明暗)だけを認識している。もうひとつは錐体細胞と呼ばれるもので人間は3種(S、M、L)あり、光の波長に応じて応答が異なることでさまざまな色を認識している。そのためヒトは3色型色覚とされている。

動物によっていくつの錐体細胞を持つかが異なる。基本的に昼行性動物は3色か4色のものが多いが、昆虫では1色や2色でも珍しくない。アリやカマキリには色覚自体がない。夜行性動物もまた1色や色覚がないものが多い。不思議なことに哺乳類でもクジラやオットセイは1色型色覚である。

哺乳類が誕生した頃は恐竜の全盛期であり、夜行性だったと考えられている。そのため2色型色覚だった。現在でもその名残で2色型色覚の哺乳類の方が圧倒的に多い。私たちの身の回りにいる犬や猫、牛や馬などが2色型色覚である。そのなかで霊長類は約3000年前に第3の錐体細胞が突然変異により再生され、赤と緑の色盲から復活するのである。

そしてその霊長類の子孫である我々人類は赤を赤として認識している珍しい哺乳類なのだ。こうして猿たちは草木に映える赤色の果実を食べるようになった。しかし実際に見えている哺乳類と鳥類や爬虫類では微妙に違う。なぜなら、鳥類や爬虫類は4色型色覚の持ち主だからだ。人間には見えていない紫外線の領域を認識することができている。また一部の鳥類や蝶には5色型色覚をもつものもいるという。

しかし近年になってヒトの中にも色覚がそれぞれ微妙に違うことが分かってきたのだ。3色型色覚が約50%、2色型色覚が約25%(赤緑色盲)、4色型色覚が約25%と別れる。ちなみに4色型色覚は女性のほうが多いそうだ。

また、私たちは脳が色を調整することも分かっている。色覚の恒常性と呼ばれる現象で、私たちは微妙な色合いのものをはっきりとした色に脳が補正してしまう。また、あなたが持っている常識や知識などによる補正やいつもと違う環境が慣れてきたことで補正することもある。実際にダイバーには海の中にあるものに青みが帯びた色に見えていないという。

さて、こうなってしまえば人によって見えている色はそれぞれ違うし、それを確認することも証明することもできない。では、いったい赤が赤であること、緑が緑であることを私たちはどうやって証明することができるのだろうか?

その助けとなるのが東洋科学である。東洋科学とは主観的であり、統合知であり、絶対知である。難しい説明はやめて簡単に言えば、誰がなんと言おうともあなたが赤だと感じるものが赤であり、緑だと感じるものが緑である。その色を感じるのは脳ではなく、身体である。私たちの身体は光を受け取ると同時に身体が反応するようにできている。

赤を受け取ると心臓の鼓動が早くなり、体温が上昇し身体が温かくなる。つまり興奮状態になる。それが赤だ。
緑を受け取ると全身の筋肉が緩んで、コリが取れ、血流が緩やかになる。つまり癒されている状態になる。それが緑だ。
青を受け取ると心臓の鼓動が遅くなり、体温が下降し身体が冷たくなる。つまり鎮静状態になる。それが青だ。
黄色を受け取ると全身の筋肉が活発になり、動きが良くなり、血流が促進される。つまりワクワクした状態になる。それが黄色だ。

赤が赤であることを、緑が緑であることを、その色がその色であることを証明するのはあなたの身体の反応である。ブルース・リーの名セリフ「考えるな、感じろ」だ。

古神道では色にも魂があり、そのパワーを私たちの魂は受け取ると考えた。これを色魂(しきだま)という。そのパワーをあやかることが魔除けの赤(朱色)、永遠の緑(常緑樹信仰)、清浄の青(青銅器)、菊の黄(太陽信仰)である。隣の中国では陰陽五行や風水と発展し、インドではチャクラと結びついた。シュタイナーは「自然界の様々な色彩は地球の魂」と言い、色彩を通じて植物と魂を通わせることができると断言した。

そして、ついに西洋科学もそのパワーに気がつき、現代ではカラー心理学として知られている。赤色の服を身につけると魅力的に見える、緑色は優しい雰囲気に見える、青色は落ち着いていて信頼されやすく、黄色は子供からの人気を集めやすい。

赤色の絨毯やカーテンを使えば部屋が暖かく感じられるため冬の部屋に、青色の寝具や服は涼しく感じられるため夏に、と。
西洋科学は統計をベースに調査・研究しているにも関わらず東洋科学や古神道とも共通点が多い結果となっていることが面白い。

色は決して、あなたと無関係の存在ではない。あなたとつながった統合的な存在である。そして、あなたにはあなたの色があり、あなただけが見て、感じている絶対的な色である。それは目だけではなく身体全体で感じてることを大切にしてもらいたい。

観察とは客観的に見ることではない。主観的に感じることだ。あなたの色の好みが変わることも変わらないことも、好きな色も嫌いな色もあなたの身体(もちろん脳も含めて)と関係ある。観察とは対象物を知ることだけではなく、あなた自身を知ることになる。

色には魂がある。あなたもそう感じないだろうか?

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