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♡J 助言者

学生時代に出会った大人達は全員「いい人」で永遠に分かち合えないと察した。田舎の公立校にずっといるとそんなもんだ。
その中で唯一心を開いた大人がいた。その人は心のカウンセラー室にいる非常勤の人だった。

唯一10年付き合いのある友人と出会ったのが中学なのだが、友人は入学早々に相談室通いに切り替えたので私はその友人に会うために昼休みは相談室へ通っていて、そこで出会った。
その人は今まで出会った大人の中で1番「大人らしくない」女の人だった。ざっくりした性格で口調も男っぽくて背も172くらいあったと思う。
私自身もいじめられていたが、親に「とりあえず学校は行け」と強いられ(不登校はだめだけど早退は許してくれた)生活に恨みしかなかった。
なので、相談室に遊びに行くついでに愚痴と毒を吐いていた。

支離滅裂な話を全部聞いてくれて、嫌な事された人の悪口を言っても相手を「そりゃ嫌いになるわ。いいよ許さないで」って言ってくれた。教師や保健医ほど学校と密接でないから言える言葉なのだろう。

その言葉を受け取った時私は親でも教師でもない、ちょっと話せる第三者の大人にそれを言ってもらいたかったんだと気づいた。

それから私にとっての助言とは「そうか、苦しかったね、謝って貰えば解決かな?」なんて聖人になりきる取説から引用した言葉じゃなくて
「海行きたいから付き合って」「このまま夜ふかしして朝焼け見に行こ」って"悪い事"を提案する人がいいんだ。
海じゃなくてもいい。カラオケオールだって、漫喫だって、夜明けのドライブでも、適当に電車乗って適当に降りて適当にホテル入ってボーッとするだけでもいい。無計画でいい。そんな阿呆な事を全力でやる人間でありたい。

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