Ⅲ, The Empress(3.女帝 正位置)
<カードの意味>
<正位置の意味>
最初に女神の定義を唱えたのは誰だろう。最初は戦士の帰りを一途に待つくらいの位置づけだったんだろうけど、いつの間にか慈悲深さ、愛情、包容力、母性、子孫繁栄の為に身を捧げるだとか追加オプション盛り盛りになっていつの間にか裸体になって描かれている。
トーチを掲げて突っ立ってるだけでも苦労するけど、そんなに要素詰め込まれたらやる方もそれなりの準備とか覚悟があるのでね。と女神の立場になってみましたが多分ズレている。だってタロットカードの女神が確立された当時と今では事情が根本的に違うんだもの。
でも唯一共通してることといえば、どの時代になっても津々浦々独自の「女性像」があるってことかな。女は働かずに家で育児しろとか、夫が帰るまで起きてろとか、学問は最低限で十分とか、先に死ぬなとか、やっぱり社会進出していいよって手のひら返されたと思ったら少子化だから子供作れ、でも働けとか面倒だねぇ。
昔は「それが主婦として、女として理想の姿」であったから成立してたけど、現代だと「自分の存在意義を見出すため」「愛されたいから」といったエゴイズムが前面に出て、母性の定義がしっちゃかめっちゃかしてる気がする。
どんな時代でも周囲に流されることなく己を持つ女性は際立って美しい。
村上春樹作品に登場する女性達がそうなんです。『ノルウェイの森』に登場するミドリとハツミ、『ねじまき鳥クロニクル』に登場する笠原メイの三人が私の女神で目標。
彼女達は自分が「「女」としてどう見られているか」を理解した上で、自分の言葉をそのまま吐き出す。凛とした強さが漂っていて私の目標でもある。時代にも家族にも流されず、自分の生きたい道を生きる。
そこに茨が蔓延っていたらハイヒールを折って裸足で踏み倒す。そんな生き方したいですね。という戯言でした。
現代の女神に必要なものは揺るがない意志と哲学。