殺し屋、続けてます。
昼間は経営コンサルタントとして個人経営者に経営指南を行う働く富澤。その副業は殺し屋。プロフェッショナルな仕事ぶりを支えるのは、ターゲットの不可解な挙動を推理して殺害時の不確定要素を排除する事。石持浅海のシリーズ第二弾。
殺し屋が推理する異色のミステリー。ビジネスライクなドライな感じが作者の持ち味と合っていて楽しい。色んなビジネス哲学があるんだから、殺し屋にだってあっていいし。成功させるのがプロではなく失敗しないのがプロなのである。もし今後ビーフジャーキーを買っている人を見たら、それは一仕事終えた後なのかもと思った方が良い。
今作は、従前の殺し屋の視点の作品だけでなく、周りの人物が深掘りされていて、淡々としていた前作と比べて賛否両論になりそうな気がした。フォーマット的に無限に続けられそうだったけど、あえて彩りを増やした事で今後の展開が生まれたと思うけど、謎は謎のままっていうのも捨てがたいんだけどな。