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#読書感想文
疲れない脳をつくる生活習慣。
休息が苦手で常に疲弊しがちな日本人に向けた「疲れない脳」を作るために、生活習慣を見直した方がいいぞっていう話。そもそもの脳が疲れるメカニズムから、瞑想(マインドフルネス)や睡眠不足解消や猫背矯正や血糖値を意識した食生活など、すべてに通じるような万能ヘルスケア本。
石川善樹氏は、以前著書で読んだ「意思決定はリソース」という話が印象に残っていて、気持ちとかこころとか精神とか、目に見えないとされていた
お電話かわりました名探偵です。
早乙女廉はイケボだと褒められる声と冴えない見た目とのギャップに悩む県警通信指令課員。不可思議な事件ばかりを寄せ付けると噂される彼の元にかかってくるのは不可思議な緊急通報ばかり。そんな時、決まって横から割り込んでくるのは謎解きに長けた凄腕の先輩指令課員の白く細い指。
お電話かわりました名探偵です。
よく考えたら通信指令本部に名探偵って安楽椅子探偵モノにとったらうってつけのシチュエーション。なんとな
この世にたやすい仕事はない。
多忙な文章を扱う職場を辞め、「一日コラーゲンの抽出を見守る仕事」を求めて職安に相談した筈が、隠しカメラを使った家主の監視の仕事をする事になった私。平穏で重圧なく私生活にも影響を及ぼさずとにかく簡単な仕事…そんなものは存在するのだろうか。
脱力系なお仕事小説かと思いきや、ふざけつつも根が真面目で他人に流されやすくも正義感は持っている、そんな主人公が不思議な事件に巻き込まれそうになる話。サスペンスあ
神様のケーキを頬ばるまで。
家族の関係が上手くいかないシングルマザーのマッサージ師、喘息で走れなかったトラウマで自分の事を話すのが苦手なカフェの店長、パートナーとのコンビ解消に悩む音楽クリエイター、など、夢や理想から離れた所で日常を必死で生きている人々を描いた短編集。
孤独を恐れるあまりに逆に孤立して自分の心に蓋をしているような人に勧めたい話。勇気を持ってつながる事、自分が本当に好きなものを知る事、そんな些細な事で、辛い日
ドッペルゲンガーの銃
同じ時刻に遠く離れた別々の場所で発生したコンビニ強盗と殺人事件、二つの事件で使われていたのは同じ銃だった。
ミステリー作家の水折灯里は、ネタ探しを目論んで警察官僚の兄・大介に頼み込んで本物の捜査に潜入取材しようとするが…。
安定のユーモア展開、読み応えバッチリの連作中編、予想外の探偵役が現れて思わぬ真相が明らかに!?という話。
何故か銃から連想してクライムサスペンスみたいな手に汗握る展開+アリバ
もういちど生まれる。
・ヤキモチを焼いてくれない彼氏に不満気な汐梨は別の友人からキスをされて…。
・ストイックにダンスに打ち込む遥と何かおもしろいことないかなーと日々を過ごす翔多の束の間のバイトの休憩時間。
・美人な姉と自分を分子と分母にしてちゃんと1になる事を気にする予備校生の妹、梢。
など、もうすぐ20歳を迎える若者たちの憧れと挫折と妬みと焦りに満ちた日常を描いた短編集。
青春=コンプレックスなのか?って程に、コ
六人の赤ずきんは今夜食べられる。
森には不思議な秘薬を作る赤ずきんが何人も住んでいる。しかし毎年赤い月の夜に現れるオオカミの化け物によって多くの赤ずきんは喰い殺されてきた。今宵も赤い月の夜が訪れて…という話。圧倒的な身体能力と人間以上の頭脳を兼ね備えたオオカミvs魔法のような特殊な効果を持った秘薬を操る六人の赤ずきん+謎の猟師。夜明けを迎えるのは果たして。
設定には惹かれたけど何せラノベに抵抗があるもんで躊躇した。台詞の掛け合い
成瀬は天下を取りにいく。
コロナ禍で閉店が決まった西武大津店に夏を捧げると宣言した成瀬あかりの挑戦の物語。奢らず媚びず動じない、常人の枠に収まらない成瀬の振る舞いがやがて周りの人々に影響を与えていく、という話。
まずタイトルが秀逸。んで読み終わったらおそらく誰もがこう思うに違いない「そりゃ天下を取るに決まってる」。
人生を大事に生きるという事って、つまりはこういう事で。「私は二百歳まで生きようと思うんだ」と言いながら「
サーモン・キャッチャー。
釣った鯉のポイントに応じて景品と交換してもらえるというシステムのカープ・キャッチャー。そこを訪れる七人の男女と一匹の鯉と一つの言語が織りなす偶像劇。追う者と追われる者が絶妙に交差していくストーリー。果たして最後に夢を掴むのは誰か。
道尾秀介らしいストーリーテリングによって描かれた新感覚の偶像劇。まずミステリー的な仕掛けもないし、偶像劇らしい物語の「転がり」も悪い意味での裏切りの積み重ねというか…
聴き屋の芸術学部祭。
文芸サークル第三部ザ・フールに在籍する柏木は「無料で何でも聴きます」という看板を掲げ「聴き屋」として3日間の芸術学部祭で個人活動をしている。そんな柏木の元に集まってくるのは個性豊かなサークルメンバーや聴き屋の客達。空き教室で黒焦げの死体が見つかったかと思えば、結末の無い戯曲の結末探しに付き合わされたり、模型部で起きた悪質な悪戯の深層を推理したり。コミカルで多忙な柏木君の日常を描いた短編集。
聴き
ありえないほどうるさいオルゴール店。
運河が有名な北の町にひっそり佇むオルゴール店。耳利きの店主があなたにぴったりの音楽をオルゴールにいたします、と書かれている。
導かれる様に店に立ち寄った客達はちょっとした土産物のつもりでオーダーしてみたが…という話。
本人すら自覚していなかった心に流れる音楽に耳を傾ける事で、忘れかけていた大切なものに気付く人生模様。
所謂、安楽椅子探偵系のコージーミステリって感じの設定なのだけどコメディ要素は少
グランドマンション。
グランドマンション一番館は一見普通の賃貸マンションだが、育児放棄、ストーカー、空き巣、オレオレ詐欺など、次々と事件に巻き込まれていく住人達。やがて隣の敷地には二番館の建設が始まり…という話。叙述の名手・折原一による連作短編集。
叙述で連作短編集はヤバ過ぎる。しかも主人公が各話バラバラなので、如何にして錯覚や記憶の錯誤が起こせるかになってくるので、そういう意味だと老人ホームは叙述トリックには向いて