スパークコーヒーの品質について、中の人はこんな事を考えています②
さて、今日はこの記事の続きです。
スパークコーヒーのウェブサイトで表明している品質に関するポリシーについて、掘り下げて語ってみましょうというのがこの記事の趣旨です。
SPARK COFFEE ROASTERSが焙煎するコーヒーは、私たちが100%の信頼を置く、産地を知り尽くし、生産者と太いパイプで繋がれたインポーターによって調達されています。より厳選された素材です。
品質に関して大切なことはたくさんありますが、まず第一には木の実であるコーヒーが収穫される時点において、きちんと完熟しているかどうかということ。それが、コーヒーの風味の豊かさにつながります。
焙煎については、ロースター(焙煎人)の哲学が反映されるべきと考えています。「素材本来の味を引き出す」という表現をコーヒーにおいてもよく目にしますが、少々説明不足です。 そのコーヒーの味作りをしていく上で、香り、酸味、甘味、口に含んだ質感、またあるものは苦味など、 数ある要素の中でどの部分に重きを置くか。そのバランスの取り方こそが重要です。
即ち、個性的なコーヒーとは、素材とロースターとの融合によって作られると私たちは考えています。私たちだからこそ出せる味わいのコーヒーを、是非ご家庭でも。
ウェブサイトではこのように語っています。
今日は2つ目の段落でいうところの、
品質に関して大切なことはたくさんありますが、まず第一には木の実であるコーヒーが収穫される時点において、きちんと完熟しているかどうかということ。それが、コーヒーの風味の豊かさにつながります。
この部分について語っていきます。
さっそくですが、コーヒー豆そのものの品質についてをいう場合、そもそものコーヒーが果実として収穫される時点でどれだけ熟しているかが最も大切です。
言い換えるとショ糖の含有量がどれだけあるかという事です。
ショ糖の含有量は果実であるコーヒー=コーヒーチェリーの果肉部分(通常は剥離され廃棄又は飲用以外の用途に用いられる)だけでなく、種子部分つまりコーヒー生豆の部分にも、チェリー全体の熟度に比例する形でもたらされます。
ショ糖そのものはイメージどおり味覚でいう「甘さ」につながるものですが、焙煎という加熱工程経るコーヒー生豆の場合、最終的にカップに注がれるコーヒーの「甘さ」にそのまま直結するかというと実はそうでもないようです。
実際には加熱によってショ糖は消失もしくは他の化合物が生成されるための前駆体となり、それは香りであったり、ポジティブな酸味であったりします。
焙煎の科学についてここでスペースを割くつもりは無く、詳しくは『コーヒーこつの科学』という名著で説明されていますので、より詳しい内容はそちらでどうぞ。
ちなみにこの本、Q&A形式でゆるめのイラストも交えながら書かれていますが、内容を完璧に理解すれば、未だに難関と言われている「コーヒーインストラクター1級」に合格することができます(私はそれで合格できました)。
という訳で、コーヒー豆そのものの品質については産地やプロセスや品種がどうこういう前に、何においてもしっかりと果実の状態で完熟したものを収穫することが何を差し置いても重要で、私が過去に一度だけ産地訪問した経験においても、そのことが最も重要な学びでした。
(エルサルバドル 訪問時に撮影した、完熟したコーヒーチェリー)
とはいえ、毎回毎回産地に赴いて、収穫時の熟度を確認した上で素材として仕入れる生豆を決定したりすることはほぼ不可能です。
ではどのように私たちは目の前のコーヒーが本当に完熟していたかどうかを見極めているのでしょう?
答えはひとつしかなく「カッピング」です。
もっというと、カッピングにおいて液体の温度が下がった状態でネガティブな味が無いかどうかを非常にシビアにチェックする様にしています。
完熟したコーヒーの大きな特徴のひとつは、味わいの欠点の無さです。
具体的には、冷め切った時に口をすぼめたくなるような渋さが無いことや、焙煎由来でない苦味を過剰に感じないという事です。
結果的に味わいの印象として、透明感のある澄んだ味わいが保たれているのが完熟したコーヒーの特徴です。
この辺りの科学的根拠も『コーヒーこつの科学』に詳しいので、やはり是非読んでみてください。
ですので、何か新しく豆を仕入れようのする際には私たちはしっかりと時間をかけてカッピングを行います。
1時間以上かけて冷たくなった状態で初めてその良し悪しに結論を出せるからです。
さて、スパークコーヒーで扱うコーヒーというのは、開店当初から現在に至るまで私たちが基準とするところの完熟したコーヒーのみを販売しています。
近年は既存の生豆商社=取引先以外からも「良い生豆があるので買ってもらえませんか」というオファーを受けることも増えましたが、今のところ残念ながら取引に至るケースは、、、ほとんどありません。
その理由は明白で、ほとんどのコーヒーが冷め切った時の味が良くない=完熟していると言えないからです。
これはめちゃくちゃ残念だと思っていて、せっかく良い取り組みをされている商社さんばかりで個人的にも応援したいし引き続き繋がっていたいと思う方々ばかりです。
だからこそ付き合いやコネとかではなく品質に関する真摯なジャッジを経た上で扱うかどうかを決めさせて頂きたいので、そういった取引先がもっと増えると良いなと思っています。
さて、やっぱり長くなってしまいましたが、それでも語り足りないくらいです。
が、ざっくりいうと風味やプロセスや品種がどうこういう前に、何よりも完熟したコーヒーであるかどうかをしっかりとカッピングした上で吟味して扱う素材を決めています、ということですね!
次回は次の段落、
焙煎については、ロースター(焙煎人)の哲学が反映されるべきと考えています。「素材本来の味を引き出す」という表現をコーヒーにおいてもよく目にしますが、少々説明不足です。 そのコーヒーの味作りをしていく上で、香り、酸味、甘味、口に含んだ質感、またあるものは苦味など、 数ある要素の中でどの部分に重きを置くか。そのバランスの取り方こそが重要です。
そう、焙煎についてです。ここについてもいろいろありそうですね、、、。
そんな思いで焙煎されたコーヒー豆は、実店舗だけでなく楽天市場でもほとんど全てのラインナップをお買い求めいただけます。どうぞご利用ください。
https://www.rakuten.co.jp/sparkcoffeeroasters/
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