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練習の練習をしよう
競技会の話にどれだけ需要があるかわかりませんがメモがわりに書いてみます。
予選突破、或いは優勝するために必要なこと。
いろんな観点があるかとは思いますが、一つは練習時間の練習をすることだと思います。
「練習時間」とは、競技が始まる前に競技エリアとは別の練習エリアで、競技と同じマシンを使用して抽出・テイスティングができる時間のことです。
(トップ画像はJBC東京予選の練習時間)
予選では15分間(たしか)が割当てられ、競技者と事前登録されたサポーター(コーチ)が練習エリアに入室でき、テイスティングをして実際の競技本番でジャッジに宣言する味わいを決定します。
センサリースコアにおいて、大きなウエイトを占めるのが「フレーバー/タクタイル描写の的確さ」という項目です。
競技者は「提供したエスプレッソにはこのような味とこのような質感があります」という説明を必ずプレゼンに盛り込む必要がありますが、その正確さ、もしくは準備してきたものをきちんと表現する再現性が問われます。
例えばエスプレッソだと、「フレーバーは、ストロベリー、ローズヒップ、アフターにカカオニブ、タクタイルはミディアムウエイト、スムーステクスチャです」のように表現します。聞いたことありますよね?
この時の描写は、本番直前の練習時間でテイスティングして感じたものを伝えるようにします。
つまり、練習時間での抽出・テイスティングを限りなく本番に近づけておこなう必要があります。
そのために、チーム内で練習時間をどのように使うかの打ち合わせを細かくおこなうのはもちろん、実際に手を動かして練習時間の練習をします。
実際に手を動かしてみると、計画が計画どおりに行かないことに気がつけるかもしれません。
エスプレッソのテイスティングの際、例えば抽出後1分待ってからジャッジに飲んでもらうよう指示するのなら、もちろん練習でもそのようにおこないます。スプーンで10回前後に混ぜるのなら、それも正確にします。
そのような当たり前のことを、実際に会場の練習スペースで普段どおりにおこなうにはその練習が必要です。
限られた時間内では抽出する回数も限られます。
あらかじめその回数を決めた上で、少なくとも2回目では抽出秒数・グラインダーのメッシュを合わせた上でテイスティングし、フレーバーをとります。
ベストだと思う抽出ができた時のメッシュにグラインダーを設定したら、本場のステージでの準備時間で試し抽出をします。そこでの秒数と練習時間での秒数が同じであれば、宣言したフレーバーはきちんと評価される可能性が高いです。
試し抽出は2グループ分おこなうので、秒数が違う場合、2回目の抽出でメッシュを変更します。できればそこでもテイスティングをし、より練習時間に近いほうを採用します。
ということで、「練習時間」のための練習をする。
むしろ「練習時間」は本番に含まれると考える方がいいかもしれません。
もっというと、競技当日起こること全てが本番の出来に直結するので、綿密に計画を立ててシミュレーションできる部分は必ずする、何時にどのようなルートで会場入りして、どのタイミングで着替えて、食事をとるならいつ何を食べるかなど、できるだけ全てを想定してそのように振る舞うのがベストです。
そうだとすれば、何度か上位進出している方が対策がしやすいので、上位進出者の顔ぶれがある程度固定されるのも頷けます(そしてその状況は極めてフェアです)。
大会の練習、というとプレゼン練習だけを頑張りがちですが、そのプレゼンを練習どおりにおこなうためにも、練習時間の練習や準備時間の練習をしっかりした上で、「大丈夫、全て練習どおりだ」というマインドで本番に臨むことができれば、結果は望んだものになるでしょう。
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今年の競技会も頑張ります。