奥が深いアラブの世界
スペイン生活 168日目
私が初めてアラブ世界に触れた?のは15年くらい前にホームステイしていたカナダの家にサウジアラビア人?が来た時だったと思う。
ホームステイ先のイタリア人家庭がものすごく大きい家に住んでいて、部屋が10個くらいあって、ホームステイしている生徒が常時5~6人いた。
今思えば、リビングに暖炉もあったし、バスルームもめっちゃ広くて、シャワーブース以外にジャグジーついてたな。使うことはもちろんなかったけれど。
ホストマザーが毎日ごはんを作ってくれて、食べた後、後片付けをするのが私たち留学生だったのだけど(と言っても、ディッシュウォッシャーにお皿を入れるくらい)、サウジアラビア人の子が一緒にごはんを食べた記憶がなく、手伝うことも一切なくて、やたら高そうな皮のコートを着ていた記憶しかない。
結局、1ヶ月も経たないうちに出て行って気がする。
その次は確か10年位前にエジプトに行った時。
でもさすが観光大国エジプトで、英語がほぼ通じた。
エジプトのガイドさんが日本語ペラペラのすごく良い人だった。
ピラミッドにスフィンクス、ナイル川クルーズにカルナック神殿、アブ・シンベル神殿と見どころ詰めこみまくりのツアーで楽しかったけど、日本から添乗員付きのツアーに参加したせいか、ごはんはあまり美味しくなかった記憶。
その次は5年くらい前にヨルダンへ行った時。
お願いしたガイド兼ドライバーさんがめっちゃ親切で、ホントに良くしてくれた。
念願のペトラに、Petra by Nightと言う夜のキャンドルライトアップも見れたし、ワディ・ラムの砂漠でキャンプして、TBSの世界遺産撮影クルーにも会って、死海で浮いて、泥パックして楽しかった。
そしてこの時、ごはん美味しい!!!ってなる。
ガイドさんが連れて行ってくれたお店のファラフェルが美味しくて、滞在中に2回も行ったし、一緒に連れて行ってくれたレストランもごはんがとても美味しかった。
ついでにシンガポール。まさかのここにアラブストリートなるものがある。
モスクもあるし、中東系のレストランが並んでいて、雰囲気もある。
フムスとかケバブとか、ごはん美味しいじゃーんってなって、たまに食べたくなった時にアラブストリートへ行っていた。
そして現在。
何せクラスのマジョリティを占めるモロッコ勢。最多勢力のロシア4人に次ぐ、第二勢力としてモロッコが3人、そしてアルジェリア人も1人いる。
モロッコって行ってみたいなと思っていたけれど、結構大変なんだなと思うことがある。
スペインの失業率について授業で話したことがあったけど、モロッコも同じく失業率が高いらしい。見て、20代のモロッコ人がこのクラスだけで3人もいるのがその証拠よ!と話していた。そしてこれは全くもって個人的な感想で、モロッコ人だけでなくちょっとスペイン人にも共通する気がするのだけど、仕事が見つからなくて何をするかと言うと、修士(マスター)やってる人が多い。
スペイン人もマスター持ってる人が結構いる。
仕事が見つからないと言う理由だけではもちろんないと思うけれど、モロッコ人の子も、マスターを持ってた方が仕事を見つけやすいからとは言っていた。一人は現在、マスターやっていて、もう一人はこれからマスターやる予定と言っていたし。
日本にも確かにいるけど、まだ少数派な気がする。こっちは会う人みんなマスターやってるんじゃないかと思わせるレベルで多い。
話がそれたけど、モロッコとアルジェリアって隣同士だから、すごく似てるのかと思いきや、アルジェリアもモロッコに近い西側とチュニジアに近い東側で違うと言っていた。モロッコよりも断然大きいし。
そしてアラビア語についても、モロッコ人の子は、僕たちが話しているのは方言みたいなアラビア語だ。と言っていた。
サウジアラビア、ヨルダン、イラク、レバノン、カタールとかで話されているアラビア語とはちょっと違うらしい。
そしてヨルダンでファラフェル食べたよって話をしたら、アルジェリアではファラフェルは食べないわって言われた。
更に、授業で歴史のワークショップをやっている時、先生が”アラビア語を話す人が自分はアラブ人だと言う認識がある?”と言う質問で、アルジェリア人の子は、私はアラブ人じゃない、ベルベル人だ。と言っていた。アラブの世界は思ったよりもだいぶ奥が深い。
私がスペインでしょっちゅう出かけて見に行ってるムデハル様式の建築物。
そもそもムデハルとはレコンキスタの後、残されたムスリムたちの事を指していて、ムデハル様式はイスラムの建築様式とキリスト教の建築様式が合わさったものだ。
モスクだったものを改築して教会にしてたりするので、ミナレットが塔になっていたり、幾何学模様があったりして、個人的にはとても好き。
モスクと教会、それぞれ美しいけれど、良いとこどりしている気がする。
その昔はヨーロッパよりもずっと進んだ文明を持っていたと言われるムスリムたち。
日本だとちょっと遠すぎるからか、馴染みがなさすぎるのと、ヒジャブやラマダン、ハラルのイメージでちょっと難しそうだなって思わないこともない。でも私が知る限り、みんなとても良い人たち。
っていうか、イスラム教=テロリストみたいなイメージ植え付けたのアメリカのせいな気がするけど。
ちなみに一番イスラム教徒が多い国は日本からも比較的近いインドネシアだったりするのが意外なところ。
でもアラブ系のムスリムたちにももっと日本を訪れて欲しいなぁ。
今日の写真はムデハル様式で有名なテルエルのカテドラルでした。
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