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【映画解説】かぐや姫に5人の皇子たちがフられた本当の理由②

前回の記事はコチラ👇

これまで映画「かぐや姫の物語」のあらすじ、7人の皇子たち、無理難題の意味について解説してきました!

ではでは、早速続きに入っていきたいと思います。

かぐや姫の本当の嘆き(この星テレパスできるやついない・・・)

さあ、そんなかぐや姫のホンネとは・・・
「青春エイリアンズ」流に解釈してみた。

まずは、状況と流れを把握しよう。

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)

「かぐや姫の物語」では、この言いよってきた貴族が、結局は、その動機が、偽りの「心」であることを悟ったかぐや姫は、誰も私のありのままの姿を見てくれる人はいないと嘆き悲しむことになる。

さらに最後の一人は命まで落とす羽目になり、

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)


その事実を聞いたかぐや姫は絶望して、

ささやかな楽しみとして屋敷内につくっていた自然を模した庭も、

「こんな庭、偽物よ!!私も偽物!!
みんな不幸になった!わたしのせいで!
偽物の私のせい!」

と自らの手で壊してしまう。

自分に近づこうとする周囲の男たち、自分を育てた親代わりの翁の思いやり。「高貴な姫君」というレッテル。そのうわさに群がる表面上の興味関心(同調圧力)に動かされる大衆。

そして、その中心にある「かぐや姫」という存在。


すべてがウソ偽り。


この悲しみの星の「一人称障害」その偽りの夢がもたらす、誰も幸せになれない絶望。

相手に投影する頭の中の虚像なしに、

ただ触れ合う

ただ生きる

ことができないその悲しみが、自ら地球に降り立つことを望んだはずのかぐや姫を苦しめる。

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)

誰も幸せになれないのは、美しき「かぐや姫」として、体をもって存在してしまう自分のせい・・・

そんなかぐや姫は本当は何を求めていたのだろうか?
その嘆きの真意は何だろうか?

ヒントは、かぐや姫の行動とセリフを追っていけば、見えてくる。

虚飾なき人体のありのままの姿を求めたかぐや姫のホンネ

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)


かぐや姫は都に上京した後、相模という女官に「高貴な姫君」になるための手習いを習います。

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)


ですが、かぐや姫は、「眉を抜いたら汗が目に入る!」

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)

「お歯黒を塗って口をあけると変よ!
お姫様だって、ときにはゲラゲラ笑いたくなることもあるはずよ!
涙を流したり怒鳴りたくなることだってある。
高貴な姫君は”人”ではないのねっ!」

と相模に反発する。

”高貴な姫君”という装飾=偽りのために、”しきたり”という言語束縛のために、人体に備わった自然の機能まで捨て、体から湧き上がる喜びや悲しみも抑圧し、”人”ではないものになろうとすることに、違和感をあらわにするかぐや姫。

ある日を境に、冬の季節に、春を待ちじっと耐え忍ぶ動植物のように、「高貴な姫君」としての立場を演じ切ることを決めたかのように、抵抗しなくなったかぐや姫が、春が訪れたある日、花見に出かける。

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)

途中素晴らしい桜の木を見つけて、その下で、その感動を、体全体で舞っていた。

そこで自分にぶつかった身分の低そうな子どもの家族が、平伏して許しを請い立ち去ったことに衝撃を受け、花見もせずに帰路につく。


このように、人が自然に触れ合えない

社会の仕組みやしきたりや、

その同調圧力(亜空間知能)に絶望する

かぐや姫の叫びは、

現代の情報社会に生きる我々にも、

ダイレクトに刺さるテーマだ。

言葉で表現するのはいくぶん野暮かもしれないが、

そのホンネは以下のように解釈できるかもしれない。

「Who am I ?」

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)

私は「高貴な姫君」・・・!?

おじいさんとおばあさんの家族!?

それとも、男たちを弄ぶ意地の悪い女!?

貴族という階級(同調圧力)があるせいで、

自然の美しさや素晴らしさを、

共有することすらできない・・・

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)

階級・・・
肩書・・・
レッテル・・・
ネーム・・・
プライド・・・
お金・・・
なにそれ・・・!?
なんなの・・・・?
それが地球では必要なのもわかるわよ!
百歩譲ってね・・・!
でも、それって、ほんとにわたし・・!?
ほんとにあなた・・・!?
それが”生きる”ってことなの…!?
そんなことにからだを捧げる人生って・・・?
自己実現って・・・?
安定って・・・?
豊かさって・・・?
愛って・・・?
幸せって・・・?
全部ごまかし・・・!
ウソじゃないっ!
尊いこの”からだ(人体)”は、
”恋”だの”愛”だの”自分”だの・・・
そんなただの”言葉”でなんか、できてない!
それを”わたし”と言うなら・・・
そこに”わたし”を求めるなら・・・

もういっそ、”わたし”を殺してぇぇえーーー!

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)

ハァ・・・ハァ・・
結局・・・
この悲しみの星、地球に、
生身の共感・共鳴(テレパス)でつながれる人

いねぇぇえーーー!!!

もうあたい月帰る!!

・・・・

冬のあとには、春がくる。

四季と同じように移りゆき

めぐり続ける

人体のライブ感が失われた、

男と女の関係に、

社会に、

文明に、

地球に、

果たして希望はあるのだろうか?

こんな時代だからこそ、言葉で表現することに意味がある。

かぐや姫の叫びを、

自分の体の叫びとして、

聞いてみたとしたら、

あなたは、どう感じるだろう・・・?

原作には出てこない「かぐや姫の物語」オリジナルキャラ「捨丸兄ちゃん」の存在

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)


さて、そんなホンネを爆発させたかぐや姫が、母親の機転で都を出て、訪れたのはかつて自分が育った地。

自然に囲まれ、自然と育ったかつての幼馴染たちがいた場所。

ふと聞こえてくるは、懐かしいあの歌。

まわれ まわれ まわれよ 水車まわれ
まわって お日さん 呼んでこい
鳥 虫 けもの 草 木 花
春 夏 秋 冬 連れてこい

歳を経て、冬が終わり、この地に戻ってきた

あの幼き頃に面倒を見てくれた捨丸兄ちゃんたちだった。

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)


お互いに大人になり、立場や家族がある中、久しぶりの邂逅に、ホンネをぶつけ合う。

「なんでもないわ!生きている手応えがあれば!きっと…幸せになれた」

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)


「でもだめなの…もう遅すぎた…あたしは誰のものにもならない!」

「いいじゃないか!そんなことどうでもいい!俺はお前と逃げたいんだ!」

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)

(重力を克服し宙に浮き上がる二人)

「天地(あめつち)よ私を、受け入れて!」

「喜びも悲しみも!この地に生きるものはみんな彩りをもつ
とり むし けもの くさき はな 人の情けを」

私、月に帰ります。その時彼女が来た着物は・・・

いきなり宙に浮き出す二人w

物語のクライマックスということもあり、姫の心象風景や夢としての捉え方もできるが、これを実際に姫が浮いている、と捉えると・・・

なかなかの問題のシーンだ笑

この後に姫を迎えに月からやってくるあのエレクトリカルパレード・・・

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)


彼らの、

筋斗雲みたいな人が乗れる雲や、

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(出典元:アニメ「ドラゴンボール」©鳥山明,フジテレビ,東映動画)


自我フレームの囚われがない子ども以外は、聴くだけで眠ってしまう催眠のような音楽、

戦う気すら一瞬にして削いでしまう「ワンピース」の覇気のようなもの・・・

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(出典元:ONEPIECE45巻©尾田栄一郎/集英社)

彼ら月の民の、少年漫画の粋を集めたような不思議な力を見ると、あながち妄想とも言えなくなる。

そう。

雲、音楽、そしてあの天の羽衣・・・

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)


それらは、”科学”としての理解がない時代では、雲や音楽、羽衣としてしか表現できないものだったとしたら・・・

Space Peapleが地球に降り立つとき、しばしば似たようなことが起こる。

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歴史上、その時代には先進的すぎる科学が、魔術や、神秘的な力、超能力、オカルト・・・などと捉えられてきたことは、過去にも多くあるが、それは、史実がフィクションとして、彩られるときにも多く為されているのかもしれない。

そして、”未知のもの”に恐怖を抱く人間の性質も、いつの時代も変わらない。

この月の王が迎えに来て、かぐや姫の地球での思い出(キロク)を消失させ、月に連れて帰るシーン。

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(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)

巷では、よく「月の王酷すぎww」「感情がないように見えて怖い・・・」と、恐れられる月の民だが、

あの多角的な判断を下し、賢く、共感力が抜群に高い、かぐや姫が姫君である彼らが、

月から見ている地球への視線や、その高度なテクノロジーのレベルは、地球人の恐怖ベースの人体の範囲では捉えられないものなのかもしれない・・・

そして、

それでも、それでも・・・と

かぐや姫が遺した最後の言葉

「喜びも悲しみもこの地に生きる者は皆彩りに満ちつつ
鳥虫獣 草木花 人の情けを・・・」

が地球人の希望であり、ヒントとなる・・・


続きはコチラ👇

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