【IRの裏側】IRを「型化」する(IR系AC2023)
みなさんこんにちは!スパイダープラスIRチームの石田です。
2023年IR系ACに参加させていただくこととなり、「オモテ」の8日目を担当します!
(「そもそもIR系ACって?」という方はこちらを御覧ください)
参加してみて分かったのですが、IR系ACは日を追うごとに投稿内容のレベルと次の人のハードルがどんどん上がりますね。
今日は株式投資界隈の有名人、馬淵さんからのバトンです。
昨日の馬渕さんの投稿は、「IRを国策に」という力強いものでした。
まだご覧になっていない方はぜひご覧ください!
IR担当が読めば胸アツ必至です!
さて、そんな8日目のIR系ACで「何書こう?」と考えていると、
上司であるCFOから「自分のこと書いていいよ!」とサンタさんくらい
気前良いことを言ってもらいました。
そこで今回、個人的テーマである「IRにおける再現性の確立」という軸で、「IRの型化」に関する投稿をしたいと思います。
この記事は、「将来スパイダープラスに新しいIR担当が入ってきてくれたら、こうやって教えよう」というイメージのもと作成しました。
これを読んでいただければ、今すぐにでもスパイダープラスのIRチームで活躍できること間違いなしです!
それではまいります!
1. 今さらながらの自己紹介
とはいえ、まずは自己紹介をさせてください。
スパイダープラスが上場して3年目、決算説明会に"声だけ"出演すること数回、「スパイダープラスIRチームの石田です!」というnote投稿20本以上している中、実はまだ一度も自己紹介をしたことがありませんでした。
ということで、初めて名乗りを上げたいと思います!
私自身、こんな経歴でございました。
自己紹介すると大体「芸能人と同姓同名なんですね」と言われるのですが、注目いただきたいのはそこではなく、、、(笑)
「VCとして上場前のスパイダープラスに投資していた」という部分です。
スパイダープラスの描く未来に共感して投資いただいている皆様同様に、
私自身も「スパイダープラスの描く未来」に投資をしました。
(ちなみに当時のバリュエーションは約50億円。懐かしい。)
私自身が2018年からスパイダープラスに夢を見て、今では中の人として、
「未来の建設現場を共に創る」というビジョンを追いかけているわけです。
そんな私も、IR経験が約3年経過し、少しずつ「型」が出来てきました。
「どんな思考でマテリアルやリリースを作っているのか」と質問を貰うことも増えてきているので、これを機会に明文化したいと思います。
それではいよいよ本題です!
2. IRを「型化」する_リリース編
実はこの話、10月に登壇機会をいただいたnote社主催のセミナーでお話したことがあります。
(このセミナーの共演者がオモテIR系AC7日目担当の馬渕さん、IR系AC主催者の重松さんというのは感慨深いです)
スパイダープラスでは、2022年6月からIR施策としてPR情報を積極的に開示しています。2023年も、現在までに20本以上のIRリリースを開示しました。
そんなスパイダープラスのPR情報(IRリリース)の特徴は、
"メディア向けリリースを横展開せず、 内容を投資家向けに書き換える"
という所です。
セミナーでは表面的な紹介に留まったので、より具体の、「How」の部分を「型」として紹介します。
と、その前に前提を少しだけ。
なぜゆえ「型化」が必要なのか
個人的に、IRという仕事は個社別・担当者別に属人化してしまうものだと思っています。
「型化」によって「再現性」をつくることは、IR業務の効率化や品質基準の向上、より質の高いアウトプットを出すことに割く時間・思考のメモリを増やすことができる、また個社だけでなく他社にも「型」が応用されることで日本の資本市場全体のIR品質が向上する、と考えています。
属人化しがちなIRだからこそ、「型化」が必要なのです。
私自身、IRリリースの「型」があることで、初稿の書き上がりが早くなり、より質を高めるディスカッションの時間を増やせています。
また、当社が「ディスクロージャー優良企業賞を受賞」できた背景の1つに施策立案を「型化」したというのがあったからではと思います。
(その「施策立案の型」ついては、また別の機会に紹介させてください。)
それでは前置きはこれくらいにして、
スパイダープラス流、「IRリリースの型」を紹介します!
型その1:業界の課題や現状など、「背景」もきちんと説明する。
新プロダクトなどのリリースにおいて、業界課題や現状などの「背景」を
説明することは重要です。
前提として、関わりがなければ業界固有の課題は分かりません。
「新機能出ました!こんな事できます!」とだけ書いても「すご・・そう」という反応に留まるでしょう。
だからこそ「いま現在はこういう状況にある」「こういう負がある」という「背景」を盛り込むのです。
「背景」を知ることによって理解も進み、「確かに売れそうだ!」という
納得感を作ることができます。
加えて、その課題や負の大きさも表現できると、経済的なポテンシャルがイメージできて、より投資家フレンドリーな内容になります。
型その2:「企業価値のどこに効くのか」明らかにする。
IRリリースの想定読者は投資家で、そんな投資家の最大の関心事は、
「それが分析する上のどこに影響するのか」です。
そのため、「(このリリースは)企業価値のここに効くのか!」という理解を作る必要があります。
明らかにすると言っても「売上に貢献します」など漠然としたではなく、「ユーザー数が増えます/契約単価が上がります」というKPIの観点や、
「既存市場のシェアを高めます/新市場を開拓します」というマーケットの観点、「業界初の機能です/独自の機能です」など競争優位性の観点で、「企業価値のどこに効くのか」をできる限り具体的に、またはイメージできるように表現しましょう。
こういった表現があると、リリース内容の価値が理解され易くなり、さらには説明会や1on1での「これ、どういうこと?」などの初歩的な質問が無くなって、逆に内容を深ぼるような一歩進んだ対話ができるようになります。
型その3:「描く未来」まで落とし込む。
私がベンチャー投資を行っていた際の投資検討基準の1つに、
「描く未来に共感できるか/未来を想像できるか」という軸がありました。
上場株投資でも、特に長期に渡って投資する投資家は「業界の未来」や、「将来起こるゲームチェンジ」を想像し、そこに可能性を感じた時、納得を作れた時に投資検討しているんだろうなという印象があります。
そのため、「今後、これをこういう発展をさせていきます」など、投資家が未来を想像できる内容を書き足します。
「背景」や「企業価値のどこに効くのか」を明らかにした後の仕上げとして、投資家を"ワクワク"させましょう。
型その4:型の1から3を、できるだけ「1枚目」に入れ込む。
ここまでの内容を、できるだけリリースの1枚目に収めましょう。
リリースは拡散して多くの人の目に触れてもらうことも重要なため、
自社のみでなく、株探などのメディアでも取り上げてもらう「二次報道」の力を借りたいものです。
運良く二次報道で取り上げられた際にも意図した内容が掲載されるように、型の1〜3の内容をリリースの1枚目に収めることを意識しています。
こうすることで、メディア側も記事化しやすくなり、二次報道がされやすくなると考えています。
3. おわりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
最後に、私自身がスパイダープラスに惚れて投資したからこそ、
IRで意識していることを紹介して終ろうと思います。
それは「このIRで、2018年当時の興奮を再現できるか?」ということです。
意識というより、自分自身への「問い」ですね。
自己紹介でも書きましたが、私自身がスパイダープラスの未来に共感し、
2018年にVCとして投資をしています。
初めて(池袋の旧オフィスで)スパイダープラスのピッチを聞いた際は、
興奮と共に「投資したい!(早く帰って投資検討したい!)」という熱い想いが湧き上がりました。
あの時からスパイダープラスが目指している世界は変わっておらず、
むしろ規模拡大によって目指せる世界が格段に大きくなっています。
「あの時と同じ興奮を、全投資家にも味わって欲しい。」そんな思いで、
スパイダープラスのIRをつくっています。
引き続き、スパイダープラスにご注目いただけますと幸いです。
ということで、以上がIR系ACの8日目、スパイダープラスでした!
そして明日はrenny/投資家さん!お楽しみに!!