それぞれのストーリー:SOZOWスクール高等部設立プロジェクト メンバー対談(前編)
SOZOWは2024年4月に、『学ぶ・遊ぶ・働く』を融合する新しい学校「SOZOWスクール高等部」を開校します。
スタートアップが新しい学校を作る。
限りなく難しいその挑戦に、なぜ取り組んでいるのか?
今回は、中核メンバーとなっている4人の対談をお届けします。
自分と同じように、居場所がなくてつらいと思っている子の助けになりたい。
コッシー:
まずはそれぞれなぜSOZOWに入ってくれたかとか、実現したい想いを話そうか。
まずは事業の頼れるエース、むらたか。どうかな?
むらたか:
エースですか。(笑)
僕、小中高と楽しく学校生活を送ってはいたんですが、何か生きづらいなというのもずっと感じていたんです。
神戸で大学生をしている時にコロナ禍になり、人との繋がりが途絶えたりして、本当に居場所がなくなってしまった。休学して半年間、地元の宮崎に帰りました。共同生活をしながら、地域のおじいちゃんと一緒に陶芸をしたり。いろんな繋がりを作って、いろんな大人を見て、いろんな生き方を知って。やっと僕に「帰ってきたい」と思える居場所ができたんです。なんとか生きていけそうだな、となって、大学にも戻れたんです。
その後、SOZOWに出会って、そういう「居場所がないつらさ」を僕は大学生で経験したけど、小中学生でそれを感じていたら本当に苦しいだろうと思って。自分なら少しでも気持ちがわかるんじゃないか、生きづらさを抱えてる子のために何かできるんじゃないかと、インターンを始めました。
学びややりたいことは学校の外にもある。人の温かさに触れる体験の力を信じて。
げーつー:
初めて会った時は、大学生でこんなにバリバリ自分持って動いてて、半端ないなって思ったよ。SOZOWの若いメンバーを見ていると日本に希望を持てるよね。(笑)
20代の人から学ぶことも、SOZOWにいるとよくある。新卒で入るなら大企業よりスタートアップの方がいい経験になるかもなって思うよ。
むらたかはなんで大学生をしながらSOZOWで働き始めようと思ったの?
むらたか:
なんだろうな。学びたいこと、やりたいことは大学じゃなくても、自分で足を動かして見つけられると思ったから。
ピロリン:
まさにボーダレスを体現しているよね!「学ぶ」も「働く」も垣根がない。
むらたか:
僕、SOZOWスクールで絶対実現したいことがあって。
「旅するキャンパス」というプログラムです。
1ヶ月とか2ヶ月単位で日本中の廃校や宿を借りたりして色々な地域を巡りながら、オンラインでの学びに加えて、時にはリアルで、地域の人と活動したりする。
自分が大学時代に地方に住んでいて、ローカルな人の温かさとかに出会えて救われたというのがあるから、高校生のみんなにも、いい経験ばかりじゃなくて大変なこともあると思うけど、色々な経験をして、大人になってまたここに帰ってきたいなと思える場所ができたらいいなと思っています。
根暗な瞬間をぶっ壊して、個性が輝く場所をつくりたい。
げーつー:
やっぱむらたかはかっこいいな。
自分、小学生の頃からめっちゃ「陰キャ」だったんすよね。勉強が嫌いで、ゲームは好き。だって友達と外で遊ばなくていいから。
いじられやすくて学校に行きづらくなって、高校時代は家にもいたくなくてフラフラしてました。
コッシー:
「陰キャ」とか「フラフラしてた」とかって、今のげーつーを見てるとめちゃくちゃ意外だよね。
げーつー:
なんとか大学には入れて、そこで出会ったストリートダンスに衝撃を受けました。
ストリートダンスは人と違うことを良しとしていて、単純に3回転より4回転の方が点数が高いという世界ではないんです。自分らしく自己表現する世界。多様な文化がある世界を、初めて知ったんですよ。
そこでは「陽キャが偉い」とか「体育会系がいい」とかもない。勝ち負けじゃない。ダンスってなんていいんだろう、ってどんどんハマっていって。
卒業後はIT企業に勤めながら、「Danceで福祉をデザインする」を掲げるダンス集団に入りました。障害の有無に関係なく、理屈や言葉も超えて、ダンスや音楽で誰もが楽しめる世界を作ろうと活動する団体。そこで、個性とか、エンタメが持つパワーに惹かれていって。
福祉を通じて教育現場にも触れていく中で、長年変わらない「教育現場の負」があることが分かってきました。この負というか暗い部分を、エンタメの力と、キャリアの中で可能性を感じてきたITの力で面白くできないかと思い始めたんですね。
たまたま、ダンスサークルの先輩にリクルートの人がいて。話を聞いて興味を持ち、リクルートのスタディサプリに入りました。
エンタメの力で「楽しいから学びたい」に。
「お勉強っぽさをなくす」っていつも言ってましたね。
前職の経験を活かして、マーケティング的観点で、予備校の先生たちが作ってくれる授業をどうやって面白おかしく届けるかってことをずっと考えていた。その課題発見のために学習ログを取得する環境を構築したり、アンケート、インタビューを繰り返し行っていました。
例えば乗り換えの隙間時間とか短い時間でも見れる短尺動画を作ってみたり、音が出せない環境でも学べるクイズのようなコンテンツを拡充したり、時に雑談コンテンツを増やしてみたり。
そんなある日、たまたまSOZOWのオンラインライブを見て衝撃が走ったんです。「何これめちゃくちゃ面白いじゃん!」
「つまらない。わからない。やらされてる」から「わかる。楽しい。やりたい!」に、全部オセロのようにひっくり返るような体験。
教育とITの力で、根暗な瞬間をぶち壊してくれるってのは、こういうことだと。
コッシー:
お、名言出たね!「根暗な瞬間をぶち壊す」。
げーつー:
コッシー始め、色々なメンバーに話を聞いてみたら、みんな本気でエンターテイメントの力を信じている。自分たちは「エデュケーション」じゃなくて、「エデュテイメント*」を届けているんだって本気で言っている。
「教えるんじゃなく、好奇心を育む」っていう考え方に惹かれて、SOZOWに入ることを決めました。
困っている人、つまらないと思っている人を、エンタメの力やデジタル、ゲーミフィケーションとかで楽しくして、ちょっとでも前向きになってくれたら。
しかもオンラインだから山奥に住んでいる人にもどこにでも届けられる。俺みたいにフラフラしてても、どこにいてもできる学びがある。そういう世界を広げていきたいなと思っています。
よし、次。コッシーがSOZOWを立ち上げたきっかけは、子育ての実体験があって、という話は取材記事とかでもよく見ますけど、高等部の設立についてはどんな想いがあるんでしょう?
「自分の意思で人生を歩み始めた」娘の変化を見て感じたこと。
コッシー:
自分の娘が、私立の中高一貫校をやめて通信制高校に行ったことで起こった変化。それを目の当たりにしたのが大きいね。
きっかけはコロナ禍で、リモートワークが一気に普及し、世の中大きく変わっていくなという実感がある中、娘の通う学校からは大量にプリントが送られてくる。
娘も少しずつ疑問を感じ始め、通っていた私立校を辞めて、通信制高校に進学した。
そこでは普通科の高校では学べないような多様なプログラムがあって、自由に選ぶことができる。最初は戸惑って、なかなか積極参加できていない様子だった。
だってそれまでの学校生活では、常に課題を与えられてそれをこなしていれば大丈夫だったからね。自分で意思決定をする機会があまりに少なかった。
ただ、半年くらいしてだんだん動き方がつかめてくると、そこからは劇的に変わっていった。幅広い体験ができる授業を受けて、いろんな人たちとの出会いが増えていって。複数の企業でのインターンも始めて、自分で稼いだお金で海外へ行ったり。世界中どこにいても学習して単位を取れるので、高校へ通いながらオーストラリアで語学留学もしていた。全日制の学校では絶対にできない経験だよね。
娘が言っててすごく印象的だったのが、「あのまま中高一貫の高校に行っていたら、先輩たちのように朝6時半には家を出て、丸一日授業。その後は学習塾に行って夜遅くにヘトヘトになって家に帰って…そんな3年間になってただろうな」ということ。
勇気を持って決断して、レールを敷かれた道を生きるのをやめて、自分で考えて、やりたいことを見つけて、周りにもちゃんとそれを伝えて。結果、「どんな時も自分で道は見つけられる。仕事も含めて、自分でどうにかできる」って自信をつけられたようで。親としても立派になったなあと感動してるよ。本人にはなかなかいえないけどね(笑)
ピロリン:
娘さんの話を聞いてると、こんなアクティブでしっかりした高校生いるんだっていつもびっくりします。通信制高校を選んだことが大きかったんですね。
「みんなと一緒」ではない選択肢を。
コッシー:
通信制のいいところは自由な時間がすごく増えるところ。必要なところはギュッと効率的に学びつつ、自分探しをしたり、やりたいことにチャレンジする時間を充実させられる。
インターネットが登場して、世の中がどんどん変わる中で、「学び方」とか「学びの仕組み」も劇的に変わる必要がある。今の子どもたちが大人になる10年後、今以上にリアルとオンラインのハイブリッド化が進んで、メタバースももっと当たり前になってるかもしれない。
そんな時代には「みんなと一緒」はどんどん価値が落ちてくるはず。「みんなと一緒」の考えや答えを導くのってAIでできちゃうわけで、他の人と違うことをやっていくのが大事。
毎日朝から夕方までみんなと同じことをやるような画一的な教育ではなく、子どもの個性を活かせるような選択肢を増やしていきたい。それで、SOZOWスクール高等部をやろうと決めた。
ヨガと広報。共通する想い。
げーつー:
と、主にこの3人が中心になって高等部設立の準備を進める中、クラファンをやろうと企画してくれたのがピロリンだよね。
ピロリン:
高等部設立を応援してほしいっていうだけでなく、やっぱりSOZOWが掲げるビジョンを知ってもらいたい、共感してもらいたい。そのためにクラファンをやるべきなんじゃないかと思ったんですよね。
私は、広報の仕事のかたわら、ヨガインストラクターとしても活動していて。SOZOWスクール小中等部でも、子どもたちとヨガをしています。
今の子どもって本当にいろんなストレスに晒されていて。小さい頃から受験勉強だったり、こうしなければ、ああしなければ、あの子がこうだからうちも、とかが多い。都心の幼稚園でヨガを教えている仲間から、幼児ですらストレスで睡眠障害になったりしているという話も聞きました。
そんな今の子どもたちに、ヨガは本当にいいんですよね。ヨガは誰かと比べたりしないんです。ありのままの自分に気づければ、それでOKだよ、って言ってあげられる。頑張らなくていいんだよ、無理しないんでいいんだよって。
でもそれって、ヨガに限らず、人間本来のあり方だと思うんです。
私は、地方の進学校を出て、有名大学から大企業へっていう、はたから見たら立派かもしれないけど、ある意味レールの敷かれた人生を歩んできました。実はコンプレックスの塊で、自分には何も誇れるものがなくて。人からの評価や期待に応えるとか、高い目標を達成することでなんとかプライドを守って生きてこれた感じでしたね。
それが、ヨガに出会ったり、SOZOWにも出会って、「ありのままでいいんだ、高い目標を達成したり誰かに評価されることより、むしろいろんな欲とかプライドを手放して、自分らしさとか、何が自分にとって価値のあることかに向き合っていくのが本当の幸せなんじゃないか」と気づけたんです。
そうすると、ふっと生きるのが楽になって。それをひとりでも多くの人に伝えたいと思って、ヨガインストラクターをやっています。
あと実は、SOZOWの広報の仕事をしているのも、理由や目指しているものは全く同じなんです。
ありのままでいいんだってみんなが思える社会にしたいから。
自分自身が幼少期は人見知りで苦労した経験があるので、自分の子どもについても、学校に合わなかったらどうしようかな、とか、学校に行きたくないって言われたら何て答えればいいんだろう、とか、上の娘が赤ちゃんの頃からそういう不安をよく感じていました。
でも、コッシーの話を聞いていると、実は学びの選択肢は一つじゃなくて、自分の子どもに合う環境を選んでいけばいいんだ、って安心して肩の力が抜けたんです。
多くの大人が、「子どもの人生、親が心配しなくてもなんとでもなる。だって子どもはありのままで素晴らしいんだから」と思って楽になってもらえるように。
SOZOWが推し進める「好奇心」軸の学びの輪を、どんどん広げていきたい。今回のクラウドファンディングにもその気持ちを込めています。
あと、コッシーの娘さんのエピソードにも通ずるものがあるんですが、自分もレールの敷かれた道を外れてみて初めて、自分の人生を歩み始められたなって実感があるので。
全ての子どもたち、そして大人も、自分の道を切り拓いていけるように、「生き方を選ぶのは自分自身」と言うことを伝えていきたいです。
後編では、設立に取り組む現在の様子や、SOZOWスクール小中等部の子どもたちのエピソードなどをお届けします。
また、この4人が今取り組んでいるクラウドファンディング「SOZOWスクール高等部設立プロジェクト」はこちら👇
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