「SOZOW」を通じて、子どもの「好奇心」の大切さを伝えたい
初めまして!小助川将(こすけがわ・まさし)です。
好奇心を解き放ち、未来をSOZOWする子ども向けの学びの生態系として、オンライン習いごと「SOZOW PARK」やフリースクール「SOZOW SCHOOL 小中等部(2023年11月正式開校)」を運営するSOZOW株式会社の代表取締役をしています。
SOZOWは2021年1月に正式オープンしたばかりの、まだまだ新しいオンラインサービスです。
子どもたちの「好奇心」に火がつき、「想像」から「創造」をする楽しさを届ける多様なコンテンツやオンラインコミュニティを用意しています。
興味を持ってくださっている多くの子どもたち、保護者の方に、改めてSOZOWを通して私が何を目指しているのか、どんな思いでSOZOWというサービスをやっているのかを伝えたいと思っています。
ぜひお付き合いください!
1.「教育との出会い」
私は秋田の田んぼと畑しかない田舎に生まれました。田んぼや畑の手伝いがとにかく嫌で、「やりたいことだけやっていたいなあ」といつも思っていました (笑)
田んぼの手伝いからは逃げ出し、山の中で基地を作ってました。
小さい頃からテレビゲームが大好きで、毛布を掛けて光が外に漏れないようにしながら、ゲームをたくさんやって、親に怒られたこともあります。
でもその時から、「興味のないことはやりたくないけど、好きなことはとことんやる」というのは変わっていないように思います。
大学で東京に出てきて、毎日が刺激的な日々でしたが、ある出来事が大きな転機となりました。
それは京セラの創業者である稲盛和夫さんの講演会で「商売とは、人のため社会のためにやるもの。役に立ったらお金になる」という言葉を聞いたこと。
目からウロコが落ちるとはこのことか、と思うくらいの衝撃でした。
「仕事」をそういう風に考えたことはありませんでしたが、これから生きていく上で「自分も人のため、社会のためになることを成し遂げたい。そのために起業をしたい」という思いがふつふつと湧いてきたんです。
だからと言ってすぐに起業したわけではなく、社会人になりコンサル会社で大企業やベンチャー企業の新規事業開発や事業再建を行った後、リクルートに転職してネット事業の立ち上げを行いました。
リクルートでの経験を生かして、次に転職したグリーでは複数プロダクトの責任者をしました。
そんな時、長女が「学校にいきたくない」ということが起こりました。
原因を探る中で、150年も変わらない日本の画一的な教育システムに疑問を持ちました。
世界や社会の状況は刻一刻と変わっていて、私たち親が子どもの頃の昭和時代と、今の令和の時代であらゆることが違うはずなのに、教育に関しては明治維新以降ずっと「言われたことができる子を育てる教育」のままだなと感じたんです。
妻と話し合う中で、「未来は誰にも分からないからこそ、子どもたちには自分自身でやりたいことを見つけ、歩けるようになってほしい」と意見が一致しました。
そして親の役割は「好奇心サポーター」として2つのことを心がけようと決めたんです。
1. 子どもが興味を持つことを探す手伝いをすること
2. 子どもが興味あることを見つけたら、そのサポートすること
そして「好奇心サポーター」として、子どもが興味を持つことを探している中で、プログラミング教室を運営する「LITALICOワンダー」と出会いました。
そこでは、日本の画一的教育とは異なり、子どもたちが主役となって、一人ひとり違うものづくりに取り組んでいました。
私たちが見ていることも気にせず、娘も息子も夢中になって目を輝かせている姿を見て、「これはいいな、こういう教育を自分も作っていきたい」と感じました。
子どもの教育を変えたい!と思い始めた矢先、なんとLITALICOとご縁があって、執行役員としてLITALICOワンダーの事業部長やHR部長を務めました。
実際に自分が関わっていく中で、改めて子どもの好奇心の大切さを感じることになります。
好きや楽しいといった好奇心を大切にして、子ども自身がやりたいことをどんどんやる。
親やレッスンに携わるメンターは、先生としてティーチングを行うのではなく、サポーターとして子どもたちの好奇心を伸ばすためのコーチングを行うことが大切だと、実体験を踏まえて実感することができました。
やがて、プログラミング教室に通える子どもたち以外にも届けることはできないか、と考えるようになりました。
教室はまだ限られた場所にしかなく、全ての子どもがいる地域に出店しようとすると時間がかかります。教室事業以外の道はないのか、模索するようになりました。
2.「SOZOW」のはじまり
子どもたちの「好奇心」が解き放たれる教育を当たり前にしたい。
そう思っている時に、2020年からプログラミング教育が学校で必修化になることに伴って召集されたプログラミング教育委員会の委員を務めることになりました。
国の機関や実際の教育現場で働いていらっしゃる方と関わる中で、公教育では一気に新しい教育の形を広げるのは構造上 難しいということを感じました。
そんな時、息子が2017年のワールドロボットオリンピック(WRO)に出場し世界7位、翌年も世界8位に…!
「まさか入賞するとは!?」と、 驚きでしたし、親である私自身がが予想していませんでした。
ロボットとの出会いは、息子が好奇心を持っていたモノづくり、それをもっと応援したい思いから、ロボット教室の無料体験へ通ったのがキッカケ。
この経験を通じ、子どもが抱く「好奇心」のチカラに感動しました。
私がWROに同行して目にしたのは、世界中の子どもたちがキラキラと目を輝かせながら協力し、目標に向かう姿、何よりイベントの盛り上がりに感銘を受けました。
同じように子どもたちが思い切り取り組める「テーマパーク」を作れないか、と考えるきっかけになりました。
帰国後、息子は孫正義育英財団の選考会を目指し始めました。
孫さんの前でプレゼンしたい、その思いが彼を動かしていたんです。そんな彼の姿を見ていると、私自身も背中を押されるような気がしました。
彼の「好奇心サポーター」として伴走しているつもりが、いつの間にか私の方が励まされていたんですね。
いきなり「テーマパーク」をつくるには投資額が足りない。でも、イベントなら、子どもたちに体験機会を提供できるのでは、と感じた私は2019年に「Go SOZO」というイベントを開催しました。
イベントは「子どもたちの好奇心から、未来の可能性が広がる場」として、子どもたちのロボット・プログラミング等の作品発表や、最前線で活躍するプロとの交流、学校や塾では体験できないデジタルテクノロジーに触れるさまざまな体験プログラムを用意しました。
共通点は、子どもたちが主体となって好きなものや未来にワクワクすることを体験できること、自分で考えて行動してアウトプットできること。
とても嬉しいことに、イベントには1回目で1,000人、2回目に11,000人の方から応募をいただき、参加に抽選が必要になるほど好評をいただきました。
自分がやっていることの方向性は間違っていない。そんな、自信を深める体験になりました。
3.「SOZOW」がいまの形になるまで
大成功を収めた「第2回Go SOZO」が行われたのは、2020年2月。
その後、みなさんもご存知の通り、新型コロナウイルスの感染拡大によって、リアルでのイベント開催という形は難しくなってしまいました。
リアルで開催したイベントに手応えを持っていたからこそ、2020年4月の緊急事態宣言の時には「どうしよう」と思い悩みました。
その年のゴールデンウィークや夏休みにも、イベントで子どもたちに新しい学びを体験してもらおうと思っていたのに、どうして…と。
しかし、改めて考えてみると、私たちのビジョンは「好奇心が未来をつくる社会を子どもたちへ」届けることです。
リアル開催のイベント形式なのかどうかは、単なる手段の話に過ぎず、ビジョンを達成するための方法は他にもいくらでもありました。
リアル開催の成功体験に囚われそうになっていましたが、ビジョンに立ち戻ることで、改めて他にはどんな手段があるだろうとポジティブに考えることが出来たのです。
そもそも教室や限られた場所で、限られた子どもたちにしか提供できない形ではなく、より多くの子どもたちに好奇心を刺激する体験をしてもらいたいと考えるのであれば、これは1つのチャンスでもありました。
そこで「GoSOZO」は「SOZOW」となり、オンライン形式に大きく舵を切ることになったのです。
もちろんオンラインに手段を変更するからといって、「子どもたちが主役」であることに変わりはありません。
まず懸念したのは、これまでの一般的な教育のように、一方的に授業を配信するだけでは、子どもたちが積極的に参加してくれないのではないか、ということでした。
どこにいても子どもたちが主役となって、好奇心の赴くまま挑戦ができる。それをサポートしてくれるプロや大人たちがいる。
同じことに好奇心を持っている同世代の友だちたちがいる。みんなとの交流によってさらに子どもたちの好奇心が伸びていく。
目指したのはそんな新しいオンラインの学びの場です。
オンラインへ舵を切ってから、何度も何度もトライアルを行いました。
多様な課題が見つかり、どう改善するか、日々たくさんの気づきがありました。
その中で、問いかけやクイズを交えつつ、子どもたちにも答えてもらい、より好奇心に火をつけることができるような、いまの「双方向参加型オンラインライブ」の形が見えてきたのです。
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