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全てを完璧にやらなくていい ~バ先の店長から学んだこと~

 平成12年12月12日、製薬会社の営業をしているサラリーマンの父と、看護師の母というごく普通で平凡な夫婦の間に、わたしは長女として生まれた(よってマイラッキーナンバーは12である)。その後、母の病気もあってか、妹や弟は生まれず、大事な一人娘としてのびのびと育てられた(もちろん母の病気は完治している)。

何をするにもかわいい愛娘のペースで進められてきた日常生活。そのおかげなのか、わたしは超が付くほどのマイペースのろま人間に成長した。

 しかし、箱入り娘のペースにあわせてくれるほど、世の中そんなに甘くはない。こう実感したのは、約1年半前にはじめた人生初アルバイトでの日々の中である。

 前の記事でも書いた通り、わたしはあるコーヒー屋さんで働いている。ここではコーヒー以外にも、甘いシロップやミルクと氷を砕いて作ったシャーベット状の飲み物や、コーヒーとココアを混ぜてホイップクリームを乗せたものなど、種類豊富なドリンクはもちろん、グレイズがてらてら輝くドーナツや、オーブンで温めるとサクッふわっとおいしくなるワッフル、溶けたマリボーチーズとハムのしょっぱさにたらりと蜂蜜を追加すると尚おいしくなるフィローネなど、魅力的なフードも多数販売している。

こんなにも輝かしいドリンクやフードを販売しているものだから、あれもこれもと欲張って注文していくお客さんが次々とやってくる。特に土日のお昼時なんて戦場のようだ。毎週休むことなくこんなに買っていってくれるのに、よくもまあ糖尿病にならないものだと感心する。

 彼らのニーズにこたえるためには、迅速に商品を取りまとめて提供する必要がある。したがって、いちいちドリンクの作り方なんて確認してられないし、一個ずつのんびり支度してはとてもじゃないけどやってられない。

 よってご察しの通り、わたしはこの業務に慣れるのにかなりの時間がかかった。覚えることが多くなかなか業務を自分のものにできず、それを見た先輩が途中から手伝ってくれる。その度に自分はいつまでたっても半人前なのか、と落ち込む日々が続いた。

わたしが働く店では、3ヶ月に一回、店長と一対一で面談する日がある。このとき、店長はわたしにこう聞いてきた。

誰が目標?

迷わずわたしは、みんなと答えた。続けて店長はこう聞いた。

 これだけは他の人よりできるぞ、とか自分の得意なことは何かある?

この質問には丁寧に業務を行うこと、と答えた。すぐには思いつかなかったが、長所は短所に紙一重だという言葉を思い出し、スローペースな自分だから一つ一つを大事にできているのではないか、と思ったからだ。

この答えに対して、店長は次の言葉をかけてくれる。 

何かひとつだけ自分の得意なことを伸ばしていけばいい、あとは普通でいい、全てを完璧にする必要はない。 

 皆をお手本にして、他の人のすべてを吸収しようとしすぎたあまり、自分らしさを失った超完璧スーパー人間になろうとしていたのかもしれない。このことに気づいて、わたしの心はだいぶ軽くなった。今までの自分の行動は間違っていなかった、わたしはわたしのまま頑張ればいいんだ。

 こう思えたことで、自分に自信もついた。日々少しずつではあるが、確実に成長していることを実感できるようになった。

 

 今朝も店長とオープン作業を終えてきたが、普段は、一見ミステリアスと思いきや、みんなを笑わせてくる愉快な人である。この店長と出会えたことに感謝して明日もがんばりたい。いや、明日は休みか…笑

 わたしのこの気づきが誰かの心をすこしでも軽くできますように。noteはじめて二日目の夜、三日坊主すら達成できないわたしが明日も更新できることを願いながら、、、今日はお風呂に入って洗濯してから寝ようかな。

 またね。

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