男の一人旅 バンコク🇹🇭編①
バンコクへの旅立ちへの日。
この日の朝は、空が青く、雲も少なく、清々しかった。
世界ウルルン滞在紀のように、ある期間誰かにお世話になったわけではないのだが、どこかチェンマイを経つのが寂しい気持ちがあった。
人と会ったのは、訪れた3都市の中でもチェンマイが最も多かった気がする。全く深い話はできていないが、目を見て、表情を交わすことができた。
それだけで十分だった。
朝食:Cottontree Coffee Roasters
後から考えると、少しは朝食にタイ料理を経験すべきだったのかもしれないが、結局3日連続同じお店で朝食を取った。
この日は、バンコクへ移動するため、少し早めに開店直後の8時に訪れた。その結果、開店準備でバタバタするところに押しかけてしまったのが反省である。
3日目となると、完全に認知されていて、いつものお姉さんが接客してくれた。
僕は、お姉さんにベーグルのベーコンスクランブルエッグとアイスコーヒーのアメリカーノを注文した。お値段260バーツ。
最終日に気づいたのだが、店内に流れる曲もカフェ向きの落ち着いた曲がセレクトされていた。テイラー・スウィフトやアリアナ・グランデといった人気歌手のオムニバスになっていたのも考えられているなと感じた。
その戦略も頷けるように、近くに宿泊している欧米人がよく来るようだった。
お姉さんに今日が最終日であることを告げると、「You go back to...」と詰まった後、「Osaka? Tokyo?」と聞いてくれた。どうやら、僕が日本人に見えたらしい。
僕は「Osaka」と答えると、「こんにちは」「ありがとう」など知っている日本語をいくつか喋ってくれた。
このお姉さん、最後は玄関の外まで出てきてくれて、見送ってくれた。
僕が「アローイマーククラップ(とても美味しかったです)」と言うも2回聞き取ってもらえず、3回目でようやく通じた時には、めちゃくちゃ笑顔になってくれた。
何気ない一瞬であったが、再び道を歩き始めた時の多幸感が半端なかった。
「自分の言葉で相手をハッピーにすることができた。」と感じる瞬間だった。そして、僕もハッピーになっていた。
一方、なぜ日本ではこれができないのかと考えた。
日本人同士では、当たり前すぎる(=距離が近すぎる)あるいは落差がないからなのだろうか。
国籍の違う僕とお姉さんでは、言わずもがな総合的な距離が遠い。その隙間をお互い埋めようとするから、このようになるのだろうか。
しかし、日本でも外国の方が店員さんの場合もあるが、そんなことはないし...とふと2ヶ月前にも同じようなことを考えていたことを思い出した。
この記事を参照すると、僕と店員さんの間には定型的な会話しかやりとりされていないことが分かる。
つまり、定型的な会話をすることで「あなたとは深い話をしませんよ」という意思表示を示しており、知らず知らずのうちにお互い壁を作ってしまっているのではないかと仮説した。
このように考えると、この定型的な会話を「崩す」ことが重要ではないか。
「崩す」とは、「今日はめちゃくちゃ暑いですね〜」とか「近所に新しいお店ができたんやけど、知ってますか?」などの変化球を投げ込み、共通の足場(=話題)を共有することで、心の壁を取り払うことではないだろうか。
論理が飛躍している可能性もあるが、何となく輪郭を掴みかけている気がする。
チェックアウト〜チェンマイ国際空港
ホテルに戻り身支度を済ませ、チェックアウトした。
敢えて書く必要もないが、プロゴルファーの谷口徹みたいな風貌の受付の男性が対応してくれた。
日本の場合だと、ルームキーを返却するとすぐにチェックアウトできるが、タイではトランシーバーで別のスタッフに確認を取るのか、5分くらい待たされた。
チェックアウト後は、ホテルのロビーで Grab bike を呼び、チェンマイ国際空港まで移動した。
時間前行動がすぎる僕は、空港に2時間前に到着し、チェックインカウンターに並んでしまった。
この時、ニューヨークで「Not yet!!」と言われたことすら忘れてしまっていたのだが、列の先頭になったところで、空港のお姉さんに声をかけられる。
行き先を尋ねられ「バンコク」と答えると、何か英語でしつこく言われる。どうも何を言っているか理解できないが、「5 minutes!」と連呼していたので、Google翻訳に吹き込んでもらうと、まだ5分早いということだった。
その後、めちゃめちゃ並んだのに、また並び直させるのも可哀想だと思ってくれたのか、特別にチェックインさせてもらえることになった。
にも関わらず、受付カウンターのお兄さんも優しかった。
ベトジェットエアのテーマソング
見出しに語弊があるが、ベトジェットエアに搭乗すると流れている曲が妙に耳に残る。
帰国してから調べてみた。見つけた。
音楽というのも、記憶の断片に刻まれるというのが僕の認識なのだが、この曲を聴くとベトジェットエアに搭乗している記憶が間違いなく思い出される。
すごいぜ、ベトジェットエア...
スワンナプーム国際空港
今回はスワンナプーム国際空港に降り立つことにした。着いてみて驚いたのだが、この空港めちゃくちゃデカい。
自分が今、何階にいるのか最初は分からなくなるので、ご注意を。
バンコクでの滞在先がカオサン通り付近だったので、周辺まで行く方法を事前に調べていた。バンコクは電車も充実しているようだったが、カオサン通りまで直接行ける S1 バスというものがあることを知り、このバスに乗ることにした。
S1 バスの乗り方
空港1階の7番エントランスを出て、横断歩道を渡ったところに乗り場がある。
時刻表がないので、いつバスが来るのか分からなかったのだが、20分くらい待ったところでようやくやって来た。
バンコクのバスでは、どうやら運転手と運賃回収係の2人体制らしかった。
バスに乗り込むと、タバコ休憩を済ませたおばちゃんが行き先を聞いてきて、60バーツを回収しに来た。運賃を支払うと、ちぎったレシートをくれた。
乗客を見回すと若者が多かったが、小学生くらい女の子を連れた親子や年齢層高めのファミリーなど様々だった。若者はタトゥーを入れている人が多かった。シールかもしれないが。
途中、高速道路も利用するのだが、ETC ではなく窓から直接お金を受け渡ししていた。運転手はお金を受け取ると、真後ろに陣取ったおばちゃんにノールックで手渡しし、連携プレイが繰り広げられていた。
このおばちゃん、ティアドロップのサングラスをかけながら、紙幣を数えているので、マフィアのボス的な雰囲気が出ていた。(そう感じたのは僕だけだと思うが...)
降り方は、停留所に各停する形だった。多くの乗客がカオサン通りで降りたが、それより前に降りたバックパッカーの女性は運転手の隣まで行き、降りる意志を見せていた。
当たり前なのかもしれないが、そういうことが何気に僕はできていないかもなと感じた。
空港からカオサン通りまでは、40分ほどで到着した。
ホテルでチェックインする際に、デポジットで500バーツを要求され、「クレジットカードは可能か?」と聞くも「普通、そこは現金だろ」と鼻で笑われた気がした。そうだ、ここはタイだった。
昼食:Taste of India Bangkok
住所:115 117 Khaosan Rd, Talat Yot, Phra Nakhon, Bangkok 10200, Thailand
スワンナプーム空港に到着したのが13時過ぎで、そこからバスでホテルまで移動したので、時刻は15時前になっていた。
遅めの昼食を取ろうと、周辺を調査していると、Taste of India Bangkok というカレー屋が気になった。昼はカレーと決めていたわけではないが、カレーの口になっていたのかもしれない。
店内に入ると、20歳前後と思われるインド人女性がやってきて、席へ誘導してくれる。メニューを渡され、注文しようとすると、今度は強面の中東系の白人おっちゃんがやってきた。
僕はプレーンナン、チキンカレー、バナナラッシーを注文した。すると、おっちゃんがバリバリの英語で「米はいらないか?」と聞いてきた。僕は「要らない。」と回答し、了承を得た。迫力があった。
まず、バナナラッシーが運ばれてきた。飲んでみると、バナナの嫌な臭みが後味でやってきて、それがなければ最高だった。
続いて、チキンカレーである。チェンマイで食べたカレーとは明らかに見た目が違い、粘度も高い。食べてみると、まず旨みが前面に出てきた。そして、スパイシーな辛さが尾を引くが、辛すぎるわけではなく丁度良かった。香辛料もとてつもない種類と量が入ってそうだった。
めちゃくちゃ美味かったので、気に入ってしまった。お値段309バーツ。
最後におっちゃんにインド語を使ってみようと策略し、「ダンニャワード(ありがとう)」と言ってみたところ、「Thank you.」と普通に英語で返されてしまった。
しかし、ニヤッと笑ってくれた。
散策
お腹も膨れたので、バンコクの街の様子を見に歩くことにした。バンコクにはチェンマイにはなかった公園がたくさんあったのが印象的である。
休憩中の人が芝生の上で横になったり、昼寝をして過ごしていた。
中学校の地理で習ったチャオプラヤ川は、特に感慨深いものもなく、ただの川だった。
街を歩いていると、人が多いことに気づく。物乞いも多い。
チェンマイとは違い、ごちゃごちゃしている。
そして、人が多い割に雇用の種類が少ないのではないかと感じた。物品店は Tシャツ、旅行カバン、アクセサリーなどどの店でも買える物しか売っておらず、差別化できていないと感じた。
であるならば、食に特化した露店の方がいいのでは?と思ったが、生活はできそうだが、これも店の数がとても多いので厳しそうに感じる。
ならば、マッサージとなるのだろうが、マッサージ店も多く料金を上げられない。そして、店の前で暇そうにしている人がとても多く見られた。
本人たちはそう思ってないかもしれないが、退屈という地獄を垣間見た。
既存の構造を疑い、新たな雇用を創り出す努力が大切ではないかと学んだ。
フットマッサージ:Massage in Garden
住所:1, 1 Ram Buttri Aly, Chana Songkhram, Phra Nakhon, Bangkok 10200, Thailand
性懲りも無くフットマッサージに行ったのだが、チェンマイとバンコクでは施術に差があるのか?という調査も兼ねている笑
今回担当してくれたのは、いかにもジブリに出てきそうな3段腹のおばちゃんだった。風貌は、天空の城ラピュタに出てくる女海賊ドーラにそっくりだった。
終始、愛想が良いのか悪いのか掴みかねるおばちゃんだったが、ガシガシ揉んでくるものの、腕は上手だった。
フットマッサージにも関わらず、最後は上半身のストレッチまでやってくれて、お得に感じた。お値段は300バーツ。
Lumphini Park
その後、バンコク初 Grab bike に乗って Lumphini Park に行った。
バンコクでは、車の量もチェンマイに比べると多いので、渋滞が多かった。渋滞は多いのだが、こちらはバイクなので車と車の間にどんどんすり抜けていく。時にはバスと並行走行するなど、一歩間違えば死ぬかもしれないスリル感が凄かった。バンコクは街の夜景も綺麗だった。
Lumphini Park 自体は次に行くタニヤ通りのついでに寄ったのだが、結構綺麗な公園で、夜はマラソンランナーで溢れていた。
タニヤ通り
タニヤ通りは、バンコクに居ながらにして日本の雰囲気を味わえる賑やかな場所らしく、暇つぶしに立ち寄った。
暇つぶしで寄ったのだが、ここに着いた瞬間好きな雰囲気ではなかったので、お姉さん達の声を全無視しながら通り抜けてしまい、一瞬で観光が終了した笑
そのまま Grab bike を再び呼び、行きに綺麗だなと感じた Democracy Monument に戻ることにした。
Democracy Monument 〜 Wat Ratchanatdaram Worawihan
夜景が綺麗だったので、いくつか写真に収め、その後はホテルに歩いて帰った。
カオサン通り(夜)
歩いてホテルに戻っていると、嫌な予感がした。なぜかというとホテルに近づけば近づくほど、けたたましい騒音が聞こえてきたからである。
僕はとりあえず、セブンイレブンでペプシを購入した。
店員さんがめちゃくちゃ不機嫌だった。そりゃ、こんなところで働きたくないよなと少し同情した。
意を決して、再び通りに繰り出すと、クラブで爆音ライブをしていた。また、道沿いにはズラッと並んだ客引きの嵐である。
僕は、夜のカオサン通りは最悪だなと思った。
チェンマイとのギャップが大きすぎて、バンコクがかなり嫌いになった。
一方で、彼らも新しいものを作り出せないから、既存の構造に苦しんでいて、実はこんなことしたくないのでは?とも考えたが、どんちゃん騒ぎをしている彼らの顔を見ていると、とてもそうには見えないくらい楽しそうだった。
結局、午後8時くらいから深夜2時くらいまで爆音は続き、一睡もできなかった。カオサンパレスにお泊まりの際は、ご注意を...
To be continued...