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蕎麦屋では黒文字うすはり不織布おしぼり
遠田は不動産屋を脱サラして、蕎麦屋になった。
開店準備で黒文字の楊枝200本、うすはりグラス15客、そして不織布のおしぼり。おいしい!と思った蕎麦屋を真似た。
つづいて買ったのは蕎麦湯を入れる漆の容器。巷では四角いものと丸いものが多いが、そこはあえて八角形のものにした。
開店まであと2日。向こう三軒両隣に引越し蕎麦をお届け。「細いそば、好っきやわ〜」と斜向かいのご婦人に言われた。
店の名前は「近田」にした。遠田には本名を伏せたい事情があった。それに「遠」という字はなんだかごちゃついている。