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生理がつらいあなたへ


わたしは今20代半ばですが、高校生の頃から酷い生理痛やPMS(月経前症候群)(あとでも説明します)に悩まされてきました。でもその度にいろんなライフハックを知らず知らずのうちに身に着けていたことに気づきました。

最近、大学生の女の子と話していて、生理のしくみを知らないとのことで教たり、自分が当たり前だと思っている生理痛の対処法も意外と知らないひとがいたり、ただ我慢しなければいけないと思っているひとも多かったり。

パートナーや同僚のひとが、生理痛がつらいけれどなにをしてあげたらいいのかわからない、という男性もいるのではないでしょうか?

今回はそんな生理がつらいひとやその周りのひと向けに、婦人科での診療やピルについてをメインで紹介したいと思います。

(※医療の正しい知識をお伝えする記事ではないので、データなど省略している部分もあります。間違った情報がないようにしていますが、正確なデータなどはぜひご自身で調べてみてください。)



そもそも生理ってなんだ?

そもそも生理とはなんなのか、よくわからないというひともいるかもしれないので簡単に説明すると、

女性のからだは赤ちゃんを産むために、その卵である卵子を、毎月卵巣からお腹にぽんと飛び出そうとします。(これが排卵・これに痛みが伴う人もいます。)

そして、いつ精子が来て受精してもいいように、子宮では赤ちゃんを育てられるように、子宮内膜を厚くします。しかし、受精・着床しない限り、つまりほとんどの場合その厚くした子宮内膜は必要なくなるので、血と一緒に体外に排出します。これが生理です


生理痛はなぜ起きるの?どんな症状になるの?

生理中にあらわれる強い下腹部痛や腰痛などをはじめとする不快な症状が「生理痛」「月経困難症」と呼ばれるものです。そして、生理の前からこころの不調やからだの不調がはじまり生理になるまで続くものを「月経前症候群(PMS)」といいます。

生理のたびに生理痛を経験している人が約30%、ときどきある人まで含めると、80%以上の人が生理痛を経験しています。年齢別にみると、「生理のたびに生理痛がある」人は若い女性ほど多く、20代では約半数なのだそう。

昔は何人も子どもを産むというひとが多く、妊娠中は生理がないので、生理の回数が少なかったところから、今では産んでも1,2人、人によっては子どもを産まないひともいる、というライフスタイルの変化により、生理の回数が多くなっていることが原因という説もあります。


もちろんひとによって違いますが、多くのひとが悩む症状はざっとこんな感じでしょうか。

◉からだの不調
・下腹部の痛み、はり
・肌荒れ、ニキビに悩まされる
・身体や顔がむくむ
・乳房が痛む
・頭痛、肩こり、めまいがする
・だるさ、倦怠感
・腰痛
・酷い眠気
・体重増加
・貧血

◉こころの不調
・なにを考えてもネガティブ思考になってしまう
・ささいなことが気になってイライラしてしまう
・なにもやる気が出ない、落ち込む
・頭が働かない、ぼーっとする
・気分が不安定になり、衝動的になる
・わけもなく涙が出る
・不安や緊張感が高まる
・家族や身近な人に当たってしまう

からだの不調については、「生理のときってこうなるよね」という風に女性同士でも話題にあがったり、男性でも知っているひとが多いように感じますが、

こころの不調に関しては、女性自身も生理のせいでそうなっていると気づいておらず、特に「イライラしてしまう」「家族や身近な人に当たってしまう」に関しては、自分が悪いとか気のせいだと思い込んでしまい、生理のせいだと考えられていない場合も多いように思います。

これに関して一番言いたいのは、決してあなたのせいではありません。ホルモンのせいなのです。生理期間は、上にも書いたように「なにを考えてもネガティブ思考になってしまう」というこころの不調も合わさって、イライラしている自分のことも責めてしまいがちです。

しかし、これらは生理によるものなので(もちろん生理期間でなくても)イライラしてしまう自分のことも、一回受け止めて抱きしめてあげましょう。


そして、今回強調して言いたいのは、こころの不調もからだの不調も含め、生理にまつわる症状が酷いひとは、ためらわず婦人科を受診してほしいということです。

高校生の頃のわたしもそうでしたが、「学校や会社を長い期間休まないといけない」「こころの不調で周りの人との関係がうまくいかない」など、日常生活に支障をきたすほど生理による症状が重い場合は、それはもう「病気」としてとらえて治療をした方がいいですし、実際に生理痛の背景に子宮の病気などがある場合もあります。

そして、婦人科は妊娠しているひとだけが行く場所ではありません。最近では「レディースクリニック」というような名称の病院も増えていますが、子宮や卵巣などの病気で通院する方もいますし、性病になることや緊急避妊が必要になることもあるかもしれません。そんなときにかかりつけ医がいるとものすごく安心につながります。


ピルのススメ

上記のような生理にまつわる症状の緩和のために、今回はピルという選択肢を紹介したいと思います。

ピルというと、避妊・緊急避妊のためのものというイメージを持っているひとも多いと思いますが、海外では一般的に普及していて、

あるデータによると、フランスやドイツでのピルの普及率が30%を超えているのに対して、日本での普及率はなんと2.9%!女性が避妊をすることへの偏見や誤った認識、費用などの問題から、このようになっているのだそう。

しかし、今は月経困難症で婦人科にかかれば、古い考えのお医者さんでなければピルの使用も選択肢として提示してくれることが多いと思います。(むしろ、ピルの処方に積極的なお医者さんの方が、新しい治療法なども勉強して知っているいいお医者さんなのではないかと個人的には思います。)

わたしはこの「ヤーズフレックス」という低用量ピルを使用しています。1シート(1か月)で10,000円近くするものもありますが、「ヤーズフレックス」は保険適用なので、2,500円程度で処方できます。

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①ホルモンバランスを安定させられる
②生理痛、PMSの症状の軽減
③生理期間が短くなる
④出血がかなり少なくなる
⑤子宮内膜症の予防になる
⑥生理がいつ来るか明確にわかる

③に関してはそのままですが、普通であれば4日~1週間続く生理が、2,3日で終わります(私の場合ですが)。

④に関しても、通常であれば1週間のあいだのほとんどの期間出血が続くひと、夜の寝返りや昼間も、血が漏れていないか心配になるくらい出血をするひとも多いと思いますが、

2,3日しか出欠せず、量も小さいナプキンで一日変えなくてもいいくらいの量にわたしはなりました。


そして、個人的に一番のメリットだと思っているのが⑥の「生理がいつ来るか明確にわかる」ということ。

生理痛の酷いひとだと、学校や仕事も休まなければいけないこともあると思うのですが、いつ来るかわからないと予定を調整できず、大事な用事があるときに生理が来てしまって困った経験のあるひとも多いと思います。

そこを、ピルを飲んでいれば基本的に28日周期、ものによっては3~4か月生理を来ないようにすることもできるので、生理の日を把握して予定を組んだり周りの人に事前に伝えたりすることもできるし、生理の回数を減らして体調不良になる日を少なくすることもできるのです。

わたしは社会人になってから、会社の先輩と共有しているカレンダーに生理の予定を共有するようにしていました。その男性の先輩が、わたしが生理の日を共有していたことについてnoteに書いてくれているので、よかったら見てみてください。


ピルに関して、「ホルモンが影響して妊娠できなくなるのでは?」というような漠然とした不安を抱いているひともいると思いますが、むしろ逆です。

生理痛が重いひとのなかには、子宮内膜症という子宮の病気が隠れているひともいますが、子宮内膜症は不妊の原因にもなります。しかし、ピルを飲むことによってホルモンバランスを安定させられて、むしろ子宮内膜症の予防になるのです。(⑥に関して)

また、ピルによって「妊娠できなくなる」というようなことは基本的にないとされています。


ここまではピルのメリットについて書いてきましたが、もちろんデメリットもあります。

まず、一番気になるのは副作用だと思います。飲み始めて1か月近くは吐き気などの症状が出る人が一定数いるそうです。わたしは副作用はまったくありませんでしたが、そういう友人の話も聞いたことがありますし、

薬を変えても吐き気などの副作用が何カ月も続き、ピルの処方自体を続けるか検討している友人もいます。

そして、ピルを飲み始めたら妊娠を希望するまで基本的に続けないといけない(もちろん途中でやめることもできますが、生理痛のあるもとの状態に戻ってしまったり、ピルをやめることによる不調も考えられます)ので、

ピルを毎日飲み忘れないようにしないといけないですし、保険適用でも約2,500円×12ヶ月=30,000円/1年 の出費となります。

しかし、みんながみんな副作用が出るわけではないですし、ピルも飲む習慣がつけば日常になりますし、避妊にもなるので、副作用などを恐れて選択肢に入れない、というのは個人的にはもったいないなと思います。


今回はピルを使った治療に特化してお話しましたが、他にも生理の際に楽しく過ごす方法や、職場やパートナーなど周りのひととうまくやっていく方法などについても今後お伝えしていきたいなと思っています。


最後に


「生理痛」に悩まされたことのある女性は少なくないはず。

わたし自身、試行錯誤を続けてきて、自分にとっては婦人科に行くことも、PMSの治療のためにピルを飲むことも、生理痛を理由に仕事を休むことがあるのも当たり前になっていましたが、

女性でも生理についてよく知らないひとや「婦人科って妊娠したひとだけが行くところじゃないの?」と思っているひともいたり、なかなか周りのひとに理解してもらえないというひともまだまだ多いと感じます。

そしてなにより、自分自身がその症状を生理によるものだと知らずに自分自身を責めてしまうことも、すごく悲しいことです。

けれど生理はずっと付き合っていくものなので、少しでも生理痛をやわらげたり、生理でもハッピーに過ごしたりする方法を知っていることは人生を豊かにしてくれると思います。

わたし自身今でも生理にまつわることで苦労することもありますが、わたしなりに実験してきたことをぜひ今後もお伝えできればと思います。


また、直接悩みを共有したい・相談したいという方向けに、今度イベントで月経前症候群をテーマにお話させてもらいます。からだの悩みについて気軽に話せる場も、まだまだ少ないなと感じるので、ぜひこの機会に同じ悩みを持っている人同士でお話できたらと思います。

そして、ぜひパートナーや職場のひとが生理痛に悩まされているけれどどんなサポートをしたらいいのかわからない、という男性の方にも参加していただきたいなと思っています。

女性も男性にどういう風に伝えたらいいのかわからなかったりするので、逆に男性がどんな感覚を持っているのかも聞いてみたいです。


読んでいただきありがとうございました…!

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そい|内藤千裕
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