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はちみつと告白。

 車に乗り込んで、キー回す。エンジンに火が入り、シフトレバーをDに入れる。ゆっくりと走りだす車。気持ちは、車より、少し遅れてついていく感じがする。目的地のクリニックに到着する。診察券を入れて、座る席を探す前に声がかかる。「月が替わったので、保険証もお願いします」との声。そうだ。前回の受診は2月だった。今月は3月だった。
 
 前回の受診後に色々考えた。やっぱり、ヒノキの机は諦めなければいけないのか?いや、まて。せっかく2カ月位散々迷った挙句、購入したのに。でも、命には代えられない。天秤にのせること自体失礼な話ではないか。

 神社にはヒノキが多く使われているらしく、新築した神社に行くと、数時間でもいれる気がする位ヒノキの香りが好きなのだ。特に、印象的だった所は、遷宮後の伊勢神宮であった。伊勢神宮全体がヒノキの香りで覆われていて、とてもリラックスできた。出来れば、毎年行かせて頂きたい程である。
 その香りをどうにか、家で体験できないかと考えた。ヒノキの材木をホームセンターで購入した。長いので、小さく切り揃えた。最初は家中ヒノキの匂いが漂った。数カ月すると、香りも薄くなってきたため、人生で初めての「かんな」を買って、表面を削った。何回か繰り返している内に、ちょうど、引き出し風の机が交換サインを上げていいた。このタイミングはもしや!という思いで検索をかけたのだ!数日間、検索をかけて、やっと自分の納得する机を見つけた。
 
 ここまで、手塩にかけて購入した机を諦めろと言うのだろうか?でも、家にいても何の症状もない。
 花粉症は蓄積されるという話を聞いたことがある。けれど、その蓄積スピードを緩めることができないだろうか?やはり、今の医療技術では雲をつかむ様な話なのだろうか?

「はっ!」と我に帰った。
今日は先生に「ヒノキの机をどうしたらいいですか?」という相談をしに来たのではない。前回の結果を聞きに来たのだ。危うく先生に私のヒノキに対する熱弁を振るう所であった。ひとまず冷静になろう。
 
 待合室で見ていると今年の花粉飛散情報が流れている。自分が注目していると、無意識でも耳に入って来る。
 
 とうとう来てしまった。自分の名前が呼ばれる。ゆっくりアウターを脱いで診察室にはいる。先日、処方された薬の効き目について聞かれる。「全然症状は緩和されました」ありがとうございましたとお礼を伝える。 

「ヒノキは大丈夫だったね」
「そうですか。ありがとうございます」

「ん?」今大丈夫だったと聞こえた気がする。幻聴ではない気がする。平たく言えば、明日から、ヒノキの机を使っていいよと言うことだ!
よかったー!今日から安心してヒノキの机を使える。神社にも行ける。なんて素晴らしい一日だろう。と、考えを巡らしていると更なる真実が明るみになった。
 「スギ花粉に少しだけアレルギーがあるね」やはりスギだったか。竹林は行ったことがあるが、今後スギ林に行くのは避けよう。今まで行ったことはないが、スギ林は私の中でとても敏感な問題になると思う。
 とりあえず、2週間分の処方箋を書いてもらい薬局で購入し、帰宅した。

 数日後、花粉症のことを弟に話すと、「俺もう2~3年前から市販薬飲んでるよ」と言っていた。
「なんのアレルギー?」と聞くと「検査はしていないけれど、ひどい時は飲む様にしてる」と。なんと自分に素直な弟か。私みたいに、そうじゃない可能性をひたすらに数えなかったのだ。抵抗もしなかったのだ。やはり考え方が違っていた。
 
 ここまで来たら全て告白させて頂きたい。実は、2~3年前から症状は出ていた。コンタクトをしていると、していない部分がかゆくなるのだ。本当に大変だった。さらに言うとひそかに花粉症に良い言われる食べ物も食してきた。それも、ばれない程度でさりげなく食べて来た。しかし、その抵抗もむなしく今日まで来ている。
 これからは、薬も処方してもらい、天気予報と同じく花粉情報も気にする毎日になるだろう。それに応じて、前の夜に薬を飲んで次の日に備えよう。

 今回「はちみつ」のアレルギー検査に行って、スギ花粉アレルギーがわかったのだが、私なりに色々想像してみた。はちみつは主に花の蜜である。蜂が蜜を採取するときに何かの拍子でスギの成分を運びその私の体が反応したのかもしれない。となると、とても納得がいく。今後はちみつを購入するときは、「スギ蜜抜き」と注文すればいいのか?いや違う。これでは何も解決になってない。


 解決する唯一の方法は「はちみつアレルギーを検査して頂ける医療機関を見つけること」答えはきっとここにある。いや必ずある。それ意外に方法はないのだ。自分の体が反応して以来、はちみつを使って食べていないレシピが山ほどある。特に、はちみつトーストはここ数年食べていない。

 なるべく早い内に、はちみつ検査のできる医療機関を探そう。そして、結果がでたら、胸を張ってはちみつトーストを思う存分味わおう。死ぬまでに食べたい10の食べ物。その中に「はちみつトースト」が今日加わった。

 最後までお読み頂きありがとうございました。これからスギ花粉との長い付き合いになりそうです。

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