【9分で解説:画像問題】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 AM-問題85 #せきそん国試
今回は第48回PT国家試験の午前:問題85を解説します。
今回は腰部MRI画像から認められる疾患、病変について問う問題です。
1.骨粗鬆症
「脊椎X線像での骨粗鬆化の評価は、従来の骨萎縮度判定基準を参考にして行う」そうです。骨粗鬆化あり(従来の骨萎縮度判定基準:骨萎縮度Ⅱ度以上)と診断する際のX線所見としては椎体の「縦の骨梁が粗となる」「縦の骨梁が不明瞭となる」を見るそうです。今回はMRI画像ですので骨萎縮度判定基準の適応ではないと思いますが、見た感じ骨粗鬆症の患者さんの腰部MRIではないなと感じますね。椎体変形は無さそうですし。と言うことで骨粗鬆症ではないので1は✖️ですね。
2.腰椎圧迫骨折
圧迫骨折は椎体骨折とも言われ高齢者ではとても多い骨折の一つです。椎体骨折には楔状椎、魚椎、扁平椎なんて名前もついてますね👇
椎体変形による分類がありますので載せておきます👇
ここでは椎体の骨梁構造について復習しましょう。
まず椎体はこんな形をしてます
椎体の骨梁構造は3つの走行があります👇
この3つの骨梁が重なり合うため、
後壁の方が強い構造となっています。椎体後壁の後ろには脊髄が走行しているため強くないとヤバイですよね。ちなみに椎体後壁の後ろには後縦靭帯も走行しているためさらに補強されています。
MRI画僧を見てみると、変形してそうな椎体はありません。なので腰椎圧迫骨折も✖️となります。
3.腰椎すべり症
椎体が前方へ移動し(すべり)、その結果として腰部脊柱管狭窄症と同じような症状が出現します。
今回の画僧を見ても椎体の前縁は途切れることなく真っ直ぐ走ってますので腰椎すべり症はありません。
4.後縦靭帯骨化症 OPLL
国に難病指定されている病気の一つです。ちなみに黄色靭帯骨化症もそうです。またOPLLの多くは頸部で発生します。胸椎や腰椎でも全く発生しないことは無いと思いますが、頸椎の方が多いですし、症状が出てくると厄介です。まずは場所を確認しましょう。
後縦靭帯は椎体の後方に走行します。つまり脊髄(脊柱管)の前方を走行します。この解剖学的構造については国試でも問題にされますので一緒に覚えておきましょう。
では実際のOPLLはどんなものなのか?
下に貼ったリンク👇に後縦靭帯骨化症の写真が載ってますのでぜひご覧ください。OPLLって実は患者さん結構たくさんいらっしゃると言われてます。症状が無いので気づいていないだけ。実際、頸髄損傷者の中には検査でOPLLがあったなんてことは結構あります。リンクの写真のように脊柱管をかなり圧迫してそうですが、これくらいでも無症状の方がいらっしゃいます。また症状も少しづつ進行しているので気づきにくんですね。厄介な病気だと思います。
MRI画像を見てもOPLLらしきものは写って無いですね。
5.椎間板ヘルニア
答えはこれですね。L5とS1の間から椎間板ヘルニアが出てますね。
答えは 5.椎間板ヘルニア となります
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