【国試対策】異所性骨化|第58回-午前-問題35
58-AM-35
脊髄損傷で異所性骨化の好発部位はどれか。
選択肢
肩関節
肘関節
手関節
股関節
足関節
解答
4
解説
今回は脊髄損傷患者で好発する異所性骨化の部位を問う問題です。
異所性とは本来あるべきでない部分のこと。筋⾁の中など本来
⾻がない部分に⾻ができることを異所性⾻化と言います。
まずは2枚写真を見てください👇(橋本健,他:脊髄損傷後に生じた両股関節異所性骨化の 1 症例 日本職業・災害医学会会誌 JJOMT Vol. 58, No. 3より)
矢印▶︎で示されている部分は全て骨化しています。これくらい骨化が進むと何が問題かと言うと関節可動域制限が必発し、ADL動作を大きく制限してしまうのです。
写真を見ていただくとお分かりのように、脊髄損傷者で異所性骨化の好発部位は”股関節”が多いです。
発症機序については諸説あるようで、よく分かっていないので割愛させていただきます。
もう少しだけ詳しく解説します
股関節以外となったら、膝関節・肘関節・肩関節と覚えましょう
アルカリフォスファターゼ(ALP)値の上昇=800U/L
アルカリフォスファターゼ(ALP):正常値 38〜113U/L
熱感・腫脹・可動域制限
臨床的な感覚としては、まず最初に大腿部の腫脹で気づくことが多いです。左右差がかなり著明に現れます。それに付随して股関節の可動域が悪くなってきている感覚があればすぐに主治医へ報告しましょう。すぐにX-pを撮ってくれます。その結果、先ほどのような画像(初期の段階であそこまで進行していることはないと思います)を認めれば異所性骨化と診断がつくでしょう。
股関節の可動域制限によるADLの制限
特に股関節の屈曲を伴う動作は制限を受けます
例えば更衣はかなりやりにくくなります
異所性骨化については複数回出題されております。
48-AM-35
45-AM-35
44-AM-68
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