「完全理系人間・長男」
長男は小さい頃から、理系且つオタク系の素養をあちこちで見せていた。
私自身が文系人間なので、その言動には驚き、やたらと記憶に残るものだった。
その中でも特に印象に残ったことを二題取り上げてみる。
① 【誰か答えられる人、手あげて…と尋ねてみた件】
長男が十歳のときに、私にした質問に答えられなかった。
果たしてこんな疑問に答えられる人っているのかな?
もしかして、常識なのに知らないのは私だけ?と思い、当時やっていたブログの仲間に問いかけてみたのだ。
体のしくみについて、早いうちから興味を示していた長男。(ドラえもんの学習漫画がきっかけ)
今日も血液のことで話をしていたのだが、血液には鉄分がある…云々の会話が発展したものである。
長男「ねえねえ、血液にも鉄分があるでしょ?その鉄ってさあ、砂鉄といっしょで磁石にくっつくのかなあ?」
私、すでに絶句状態。
「う~ん…血液を熱して水分を蒸発させたら、鉄分とか塩分が残るんじゃない?そこに磁石を近づけたらいいんじゃないの?」と、適当なことを言った。
そんなことわざわざ実験までしてやんないと思うけど。
私「ねえ、そういう質問こそ、理科の○○先生に聞いてみたら?おまえ、おもしろいこと聞くなあ、って答えてくれるかもよ。休み時間に捕まえてみたら?先生を。」と、やはりここはプロフェッショナルにお任せ。
でも案外みんな知っていることだったりして…。
ご存知ですか?
…という風にブログのお友達に問うと、やはりコレという明解な回答は得られなかった。
(「ヘモグロビン」の中に多く含まれているのが体内中の鉄分で、イオンに形態を変えているが果たして、それが磁石にくっつくかは??…くらいまででこの話は終了したわけだ。)
説明するとすごく難しいことなのか?
それさえわからない文系の私だ。
その後大人になった長男に聞いてみた。
「血中の鉄分はほとんど酸化しているから磁石にはつかない」とのことである。
あ~、長年の疑問が解決してスッキリした。
②【長男君の航空力学講座を体験する件】
長男が十二歳のゴールデンウィークのある日、家族で行楽に向かったのは有名なドライブコース。
そのコースは車で走っているととても気持ちがいい。
まわりは見渡す限りの草原と、遠くには緑の山々。
窓を開けて、風を入れながら走ると爽快!
後ろの席の長男が、窓から手を出して風を切っている。
いつもなら「手や顔は絶対に出さないで!!」と叱り飛ばしているところだけど、このコースだけは左側の窓でもあったし、な~んにもまわりにないし、歩く人も自転車も当然皆無。
好きにさせていた。
すると、
「ねえ、お母さん。お母さんも手を窓から出してごらん」と長男が言ってきた。
「いいよ。別に」とそっけなく返事すると、
「あのね…手をこんな風に傾けると、飛行機とおんなじでふわっと上がっていくんだよ」と長男。
はじめ何を言っているのかさっぱりだったけど、よくよく聞いていると飛行機が飛ぶ原理のようなことを言っているらしい。
手をまっすぐに窓から伸ばして、手のひらを下にして風を受ける。
そして、手のひらを前に向かって45度上げると…
ふわあ~っと少し上昇しようとするのだ!
「これってね、飛行機の翼と同じなんだよ。飛ぶときに、両翼を上げるでしょ?すると、風を受けてふわっと飛ぶの」と、力説していた。
要するに、“浮力”とか“揚力”とかのハナシらしい。
騙されたと思って一応やってみた。
ホントだあ!!
ふわあっと、上にあがろうとする~。
おもしろ~い!!
子どもに教えられ、おもしろくて何度もやってみる。
へへへ…
「きゃあ~…なんでこういうこと、知ってるの?」
と、完全理系の長男なのだということを改めて知る。
だって中学生になってすぐ実力テストなるものがあったが、う~ん…、悲しくもあまり公表できないような成績に長男の行く末を案じた私だったが、そんな悲惨な成績の中で理科だけは異様に成績がよかった。
完全文系の私にとっては、そんなしょーもないこともすごい!と思ってしまう。
同じく後ろの席で「酔った~」とか言ってゴロンと横になったり、気のない感じで座っていた次男も完全文系の男だ。
これらの会話を聞いていたかもよくわからない。
こんな楽しい遊びにも乗ってこないし。そういう会話にも、興味さえも持たないのか!
つまんない奴…。
兎にも角にも長男君、他の教科をせめて人並みに頑張って、得意分野を活かせる状態までガンバってちょうだいね。
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