「物語の最後が恐怖で縮み上がりそうになる~『出版禁止』~」
『出版禁止』長江俊和 著 (新潮社) 2015.1読了
本書はミステリーホラーです。
あまり好きなジャンルではありませんが、意を決して読んでみました。
あるルポライターが、以前おこった心中事件で生き残った女性にインタビューし、その真相をふたたび取材するという企画で、雑誌に記事として載せることになった。
これまでなかなかインタビューに応じることがなかったその女性に接触することに成功し、その後、心中事件の中に潜む知られざる秘密の部分に触れるようになるライター。
そして女性と度々取材で会うようになるとライターには、自然の成り行きで女性に対する愛情が芽生え始める。
しかし、それは決してあってはならないことだった…。
苦手なジャンルの本を読んでみるきっかけとなったのが、TBS「王様のブランチ」で紹介されて、プレゼンというかレビューの内容がとても上手かったので読んでみたのです。
番組でも言っていましたが、文章の中に仕組まれた言葉遊びがあり、その種明かしを知った時ものすごく恐ろしくぞ~~っとしました。
人間の狂気がほじくり出された、本当に恐ろしい本でした。
著者は元来、映像作家とのことで展開のしかたやサプライズ、どんでん返しなどの魅せ方が上手です。
この後に発売された『掲載禁止』も怖いもの見たさに、つい読んでしまいました。
短編集でこちらもやはり怖い話だらけでした。
読後感は、好きではないジャンルということで私にとってはあまりよろしくなかったです。もうじゅうぶんです。
想像力だけは豊かな私は、文面から頭の中で描き出される映像がずうっとこびりつき、当分思い出しては身震いをしていました。
こういう本の内容は、未読でこれから読もうとしている人にはあまり詳しすぎる情報を与えない方がいいので、今回はこれくらいでおしまいにします。
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