見出し画像

「映画『ユー・ガット・メール』が大好き!街角の本屋“Shop Around The Corner”の行く末は…」

                          2004.12.4記録
ある日地元新聞の投稿欄に中年男性からの手紙で、近所の商店街にある小さな本屋さんがとうとう閉店してしまい、さみしいという内容のことが載っていました。
近年ますます大型書店が増えていき、古くから親しまれていた個人経営の本屋さんが、どんどんなくなっていくのが目に付きます。
久しく行ってなかったけど、高校生のころは大変お世話になった本屋さんも以前店の前を通ったら、すっかり跡形がなくなっていました。
 
確かに大型書店は品揃えが豊富だし、新刊も並ぶのが早いし、利便性は申し分ないのですが…。
 
思わず大好きな映画『ユー・ガット・メール』を思い出しました。
映画でもメグ・ライアン扮するキャスリーンの小さな児童書専門店が、突然進出してきたジョー・フォックスの大型書店におされ、奮闘も願いもむなしく閉店に追い込まれるという話でした。
 
廉価本とおいしいコーヒーを飲めるという戦略で、お客はほとんどにっくき「FOX」チェーン店に流れてしまったのです。

でも「FOX」の店員は本のことを詳しくは知らないし、小さな本屋のようにお客さんに密接な関係をもてないことを強調していましたね。
なじみの客になれば、お店のご主人から新しい情報やおもしろい本を教えてもらえるような客と主人という垣根を越えた間柄になれるかもしれません。
 
結局、映画はハッピーエンドになるために、つぶした「FOX」のジョーとつぶされた「街角の店」のキャスリーンが、つぶした店とつぶされた店という因縁の垣根を越えて愛を育むことになるという話でめでたしめでたしとなりました。
 
恋愛ものとしても楽しめたのですが、私は何より『街角の本屋』の店内にある絵本やグッズやカウンター周りなどについつい目がいってしまいました。
全てが私の理想的な児童書店そのものなのでした。
映像を、目を皿にしてどんな本を置いてあるか?とか、店内のおはなし会で読んでいる本は何か?など、細かくチェックしました。
キャスリーンが、朝一番に店内に入ってくる子どもへの声掛けも何気ないのにすてきだなと感じました。
 
「FOX」の経営者ジョーも、親戚の子たちを連れてこの児童書店にやってきます。
そして同業者としての目線で見ることもさりげなく描かれています。
そして様々なエピソードを重ねて、キャスリーンとジョーの二人は結ばれることになります。
(そのエピソードの数々もとてもかわいい!)

そもそも二人は、はじめネット内のチャットで知り合いますが、お互い顔を知らないままでやり取りを重ねていきます。
 
そのやり取りで、最初の方に出てくる「秋(新学期)は鉛筆の花束を贈りたくなる」という言葉も印象深いです。

ニューヨークのアッパーウェストサイドの街並みもとてもきれいで、春のリバーサイドに咲きそろう花壇の花々も美しくエンディングを彩っていました。
最後はとても幸せな気持ちにしてくれる映画です。
 
 

話ははじめに戻りますが地元新聞に載った実際の本屋さんのお話は、結末がちょっぴり違いました。
 
投稿された男性がある日、再び例の本屋さんのあった場所を通ると、まだ残されていた建物のシャッターに張り紙がされており、「近日『街の小さな本屋さん』として生まれ変わります」(というような内容の文章だったと思います)と書いてあったそうです。
 
それこそ映画のような書店なのかしら。どこの町なのかは知らないけれども、期待してしまいました。
この投稿文を読んで思わず、心の中があたたか~くなりました。
「がんばれ!街のちいさな本屋さん」
 


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集