「楽しい楽しいお芋ほり」
次男が幼稚園での行事で、芋ほりをした時のはなし。
園からバスに乗って約30分位の所に、おそらく園が借りているであろう芋畑があった。
長靴とスモックのいでたちで出て行った次男に、それほどたくさんのさつまいも収穫は期待しなかった。
小さい体で力はないし、要領も悪いから。
その日は用事があってお残り保育をたのんでいたので、園へ迎えに行った。
先生が「お母さん、今日はおみやげがたくさんですよ。」とにこにこしておっしゃった。
そしてお部屋の奥から、次男がなにかずるずる引っ張りながら、先生の手助けも断りながらゆっくり出てきた。
ビニル袋にどっさり入ったお芋を、必死に私の所まで自分で持ってこようとしている次男がとてもかわいく思えた。自分の採ったお芋を自分の手で持ってきて私に見せたかったのだろう。
「年少さんは芋ほりというより芋拾いですね。少ししかお芋を袋に入れてなかったので、私がもっとどんどん入れていいよって、たっくさん入れてあげました。でももういい、もういいって言うのをむりやり入れちゃったかな」アハハ…と笑いながら言う先生。
「もう!先生ったら、自分が食べたいからって」と私も笑いながら次男を見ていた。
しかしながら、当時次男はあまりお芋を食べなかった。さっそくその日はお芋の天ぷらをしてあげたのだが、少し食べただけであとは、芋天大好きの長男がほとんど食べていた。
そして、次の日は園にておいもパーティが予定されていた。園庭で落ち葉たきをしてお芋を焼いてくれ、皆で食べるのだ。
「明日はお芋パーティだよ、楽しみだねえ」と私が言うと、
「お芋パーティきらい」と次男。
「どうして?」
「だってお芋、きらいだもん。」
なるほど、そうだったわね。嫌いなら楽しみでも何でもないか。
明日のお弁当はやや少なめに、という園からの通知も次男には関係ないことだった。
そんな嫌いなお芋なのに、“芋ほり”というイベントは楽しかったに違いない。
いつもの園とは違う環境の広い畑で、お友達といっしょに泥だらけになる。考えただけでもウキウキする。
でもいざ食べるとなると、楽しくないよね…。
おいもパーティといえば、絵本『おおきなおおきなおいも』(赤羽末吉/さく・え 福音館書店)がすぐに思い浮かぶ。
この絵本も幼稚園での楽しいお芋パーティのことを描いたおはなしだが、絵本では残念ながらお天気が悪くお芋ほりに行けない。
でも先生たちのアイデアで、その日もとってもすてきなことが待っていた。いつの時代も子どもたちが大好きなことがいっぱい詰まっているこの絵本はとても素晴らしい絵本だ。
最後はお芋を食べたあとのおまけで終わる。そのおまけで宇宙えんそくにも行ける子どもたち。楽しい、楽しい!
次男は食べなかったから、激しいおまけはなかったかな…?(^_-)-☆
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