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子ども歌舞伎の見学で思い出す

子ども用の浴衣と帯を処分するとSNSにあげたところ、知人から譲ってほしいというメッセージが来た。

メッセージを送ってきたのは、昔PTAでご一緒したことのある人だった。以前から地域の活動に積極的に参加していて、その幅広い活動の中のひとつとして今は「子ども歌舞伎」に関わっているらしい。

子どもたちが着る浴衣が足りないということだったので、喜んでお譲りすることにした。使ってもらえるのならこんなにありがたいことはない。すぐに捨てなくてよかった。

練習場は近くの小学校の講堂だという。練習の様子も見てみたかったので、浴衣と帯の他に使えそうな腰ひもや足袋などを持って覗きに行ってみた。うちの子どもたちも通った小学校なのだが、卒業後に校舎を建て替えたので、初めて新校舎の中に入るのも楽しみだった。

講師は男性と女性がひとりずつで、いずれも藤間流の師範。指導を受けている子どもは8名ほど。来月末に発表会を控えているというから、どのくらいの踊りが見られるのかと思ったら、う~ん。これはかなり厳しい。

先生がお手本を踊るのを一生懸命真似しているのだけれど、マリオネットのよう。振りが全然頭に入っていないのが見ていてわかる。お手本がいなかったら、本番の舞台で身動き取れなくなる子がきっと出るだろうな。

けれど、そもそも子どもの発表会なんていうものは、完璧な作品を見せるのが目的ではなくて、それまでの練習の成果を身内に見せるものだから、これはこれでいいのだろう。

子ども歌舞伎は今年が初めての試みだという。これから続けていけば、基本の所作をきちんと習得して、日本舞踊に目覚める子が出てくるかもしれない。長い時間を掛けて頑張ってほしいと思う。

講師のプロフィール(東京藝術大学邦楽科日本舞踊専攻)を読んでいて思い出した。もうすぐ藝大の卒展ではないか。調べたところ、来週火曜日から始まるそうだ。よかった、気がついて。

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