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ミツバチの羽音が聴こえる。

2022年、日本ミツバチが自然入居する。

庭に転がっていた巣箱を設置。
(空き家ありますよ〜)
秋、どこからか逃げてきた家族が突然の入居!

はじめての日本ミツバチと共同生活に、毎日、毎日、ミツバチ観察!
寝るときも常に羽音の幻聴が聞こえるようになった。ミツバチが飛びかう菜の花畑に身を潜める至福、巣穴を行ったり来たりする彼女たちの行動が面白くて目が離せない。羽音の海になる分蜂の季節は見逃せないからどこにも出かけたくない。野生の群れが飛んでくる音や気配をキャッチすれば見つけられた。身近に飛んでくる一匹のミツバチに「今日、分蜂するよ」とか「スズメバチが襲来にきてるよ!」とお知らせがわかるようになった(昔、屋久島の友人が”ミツバチがお知らせしてくれるのよ”と話を聞いたとき、さすが変わってる〜なんて笑ってたのに今じゃ)。

山菜の目になるのも、野生動物を見つけるのも、好きこそなればでピントが合ってしまえばどんどん見えてくる。ミツバチの羽音も、その周波数にチューニングが合うと音にまぎれていてもキャッチしやすくなる。

2023年4月、我が家の巣箱からはじめて分蜂した。
新しい女王蜂が旧家に残り、先代女王蜂は新居へ引っ越す。その際に残るもの、出ていくものに分かれる。

分かれた群れが螺旋を描いて飛んでいく姿は圧巻。

「決めた」新居はどこだろう?走って追いかけていくと、群れは集落の通り沿いに誰かが設置した巣箱に吸い込まれていった。どこからか飛んできた群れを追いかけた時は、すぐそばを大きく円を描きながらワンワン飛んでいるのにまったく気づかず洗濯物を干し続けている近所の方の頭上をぐるぐしながら、裏山へ消えていった。

ある場所に向かっていく、明らかに「決めた」意思を感じる野生の潔さをただただ見送る。いつかまた子孫が帰ってきますように。

人が住むことをやめた場所に、また人が暮らすようになって、ミツバチも住むことを決めた。種を蒔いて、「花が綺麗だね」と愛でて、虫のコミュニケーションが生まれる。『人の暮らしと自然のリズム・・・』里山に暮らしてはじめてわかる。たとえ自然が身近にある地方にいてもマンション暮らしじゃ見えてこないことがある。暮らしの環境って大きいと今はわかる。

日本ミツバチってなんて魅力的なんだろう。
生まれてから死ぬまで変化していく役割を全うして、全体で生きる姿は見ていて飽きない。環境に敏感に反応するから、「全て繋がっている」目に見えない間を見せてくれる。人の思いや心の表れのバイブレーションに反応する。鏡のように。
日本ミツバチを愛するSNSコミュニティはたくさんあって、いくつか参加しているのだけれど、コミュニティメンバー(おじさまが多い)皆さんミツバチのために一生懸命で、純粋で、よく観察している。自然も小さな命も。奥が深くて学びは尽きない。

日本ミツバチが好きな花が毎年咲くことも大事にしていく。
菜の花も、ちくちく種がくっつくセンダン草も、
自生する琵琶の木や柑橘も。





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