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今や「ダイヤルを回す」という表現など、すっかり死語だろう。通信の進化の結果、電話はもはやデバイスの中の一機能に。家庭の固定電話も、街の公衆電話も、数が少なくなった。 電話機が通話に限定された機械だった時代も長かったわけだが、1つの機能に特化した機械というのは、独特の重厚な存在感があるもの。モスクワの「電話の歴史博物館」は、ロシアや欧米諸国の電話機を数多く展示する博物館だ。私は2015年の開館直後に訪れたが、どうも見切り発車でスタートした感があり、収蔵品はまだ少なめで、展示
鉱物というのは少なからず熱烈なマニアが存在する分野だが、門外漢には、その面白さは今一つ想像が及ばないかもしれない。かく言う筆者も、化石は好きだが鉱物は別に…という種類の人間であったが、A.E.フェルスマン記念鉱物学博物館を初めて訪れた時、鉱物の魅力とはこういうことか、と成程合点がいったものである。 もちろん、鉱物に興味のある方なら、この博物館は絶対に見ておきたいひとつだろう。所蔵する標本は約14万点、2300種に及ぶ。鉱物の博物館としては、世界最大級である。 建物自
ソ連の娯楽産業は慢性的に低調であったが、やがて娯楽振興に向けた動きが始まる。1970年、ソ連文化省の調査団が日本、米国、西ドイツの遊園地や関連産業を視察。同年中にはチェコスロバキアの遊園地を期間限定で誘致し、採算性をテストした結果、極めて良好な結果が得られた。そこでさらに、国際的な遊具博覧会が企画されることになる。 アトラクション'71 1971年8月、文化省と連邦商工会議所が音頭をとり、モスクワで遊具博覧会「アトラクション'71」が開催された。米国を中心に、ヨーロッパや
街灯が、我々にとってすっかり当たり前の存在となって久しい。しかし当然ながら、それが当たり前ではなかった時代もあった。星と月明かりのみの夜の街は真っ暗。不便だし、なにより治安がよろしくない。街灯は、技術の進歩がもたらした、ありがたーいものなのである。 モスクワに初めて街灯が出現したのは、1730年12月。木製の柱にブリキのランプ。大麻油を使った弱々しい灯りでも、当時は画期的。もっとも、点灯は手作業なので手間がかかるし、上質な大麻油はよく盗まれるし、苦労は絶えなかった模様。
奏でては耳を楽しませ、飾っては目を楽しませ。楽器は良いものですね。 ロシアの楽器といえば、何を想像されますか? やはり、バラライカでしょう。テルミンを連想された方は、ちょっとマニアック過ぎます。 もう1つ、ロシアの文化や感性に深く根付いている楽器は、アコーディオン。日本語では、手風琴(てふうきん)という、響きも字面も優雅な呼び方があります。軽快なミニアコーディオンから、大型で重厚な«バヤン»まで。コミカルな演奏から荘厳なクラシック演奏まで。ロシアのアコーディオンは実に幅広
世界最長7416キロに及ぶシベリア鉄道を擁するロシア。 広大なロシアの大地において、鉄道は都市間をつなぐ生命線です。 モスクワには、ロシア鉄道(РЖД)の管理する鉄道博物館が二か所にあります。パヴェレツキー駅の隣に位置する「モスクワ鉄道博物館」は、ロシアの鉄道史が中心。 19世紀末頃の一等客車のジオラマ。ラウンジっぽさがイイ。 駅長室のジオラマ。なにげにイケメンの駅員氏。 展示の目玉はU127蒸気機関車の実物展示。1924年、レーニンが死去した際に霊柩列車を牽
開催期間:2015年11月6日~2016年3月13日 会場:ВДНХ(全ロシア博覧センター)64番パビリオン オーガナイザー:VDNKh JSC、Alexander Vasilyev 1905年と1917年の2つの革命、2つの世界大戦、そして国家崩壊とその後の再編に伴う出来事――数々の社会的混乱と変化にさらされたソビエトの歴史を、アレクサンドル・ワシリエフ財団のコレクションから顧みる展示。帝政期〜革命前後〜ソ連〜現代ロシアまで、100年間のファッション史を当時の品々や写