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相続税対策の真の目的は「節税」ではない!

おはようございます!

もうすぐ8月も終わり。残暑は厳しいですが、夏のやり残しがないようにしっかり楽しみましょう♪

今日のテーマは「節税の真の目的」について

▼目次
■相続税対策の真の目的とは?
■節税だけで大丈夫?
■本当の効果がわかるのは相続発生時しか分からない
■まとめ

■相続税対策の真の目的とは?

相続コンサルタントの豊田剛士氏は著書の中で「相続対策の本質」について以下のように述べています。

相続対策や資産を守る、殖やすという定義が明確でなかったり、定義を間違えている場合が多いことも問題です。一族の繁栄に繋がる相続対策の本質は、資産を最有効活用し、相続人に効率よく財産を移転し、揉めない財産の移転の方法をおこなっていくことです。」
引用:「「知らなかった」ではすまされない 地主・大家の相続対策の本質」豊田剛士著 現代書林、p7

世の中には様々な節税対策がありますが、特に王道は「生前贈与」と言われています。

生前贈与だけでも、暦年贈与、おしどり贈与(夫婦間の居住用財産の贈与)、教育資金非課税信託、住宅取得資金、結婚・子育て資金、相続時精算課税、特定障害者扶養信託契約

これらの方法を駆使すれば、節税は可能です。
相続税を減らすことができます。

一見、節税すると一族の財産は効率的に渡せている、と思いがちですが本当にそうでしょうか?


■節税だけで大丈夫?

例えば、節税対策の王道 生前贈与を考えてみましょう!

①相続人は子供1人、財産1億円の場合
課税対象:1億円-基礎控除3600万円=6400万円
相続税:6400万円×30%-700万円=1220万円
税引き後の財産:1億円-1220万円=8780万円
②相続人は子供1人、財産9000万円(年間100万円贈与×10年で財産圧縮)
課税対象:9000万円-基礎控除3600万円=5400万円
相続税:5400万円×30%-700万円=920万円
税引き後の財産:9000万円-920万円+1000万円(贈与分)=9080万円

①②を比較すると、子供は生前贈与で100万円×10年=1000万円を無税で引き継ぐことができました。
その分、300万円の節税が達成できたわけです。

でも、その貰った1000万円をどう使ったのか

車が高級車になった、やたら外食が増えた、お金遣いが荒くなった・・・

単に子供の”浪費”に使われてしまったとしたら、その節税は本当の目的を達成したと言えるでしょうか?

300万円節税できても、1000万円を浪費してしまえば、相続の時の手残りは8080万円
子供に無駄なお金を渡さない①のほうが、一族の財産を減らさずに済んでますよね。

もちろん、その貰ったお金を、自己研鑽に充てたり、子供の教育に充てたりと、”投資”に充てていれば、貰ったお金をさらに大きく伸ばすこともできます。
そういった”教育”も必要なのではないでしょうか。

そもそも相続税対策の目的は、「一族の資産を効率的に次世代に移転し、より財産を最大化できるようにする」ためのはずです。
節税はあくまでその目的を達成するための一つの手段でしかないのです。


■本当の効果がわかるのは相続発生時しかわからない

生前贈与で節税をしたら、相続の時に結果的にどれだけの遺産(生前贈与分を含めて)になっているのか?
この結果は、「実際の相続の時」にしか分かりません。


せっかく節税しても、相続の時にもらったお金が費消されていれば、納税資金が確保できないこともあり得ます。
だからこそ、相続税対策をしてから相続が発生するまでの時までの定期的なメンテナンスが必要なんです。

「相続税シミュレーションをして、こんな贈与をしていったら生前贈与の効果が300万円です。」

税理士の役割としてはその税効果を伝えるのが仕事です。それでも、親御さんの気持ちをしっかり子供にも伝えていくことをサポートすることも相続に携わる者の必要な仕事だと思います。例えば、


孫の教育をしっかりサポートしたい!
子供に自分の不動産を
しっかり管理してもらいたい!
自分の育んできた事業をより発展させてほしい!


親御さんが考える想いや理念を共有してもらい、その後の相続までしっかり見続ける。相続税対策の真の目的を達成するためには必須な役割だと思っています。

■ まとめ

以前、銀行に勤めていた方がこんなお話をしてくれました。

「銀行窓口で相続手続きをしていた時、いろんな相続人さんを見てきました。


自分の父親が遺してくれた預金の金額にビックリされる方
親の思い出話をしながら、その遺してくれた金額に感謝をしている方
はやくお金が欲しくてウズウズしている方・・・etc.

そんな方々の相続手続き(預金の解約手続き)を終えて、その方が帰る姿を見て、ふと思うことがあります。

相続したお金で人生が狂わなければいいな

と。」

これまで、大きなお金を持ったことがない人が、相続で急にお金を持つと急にお金の使い方が変わる人がいます。

お金や環境が変わると、それまで大切にしていたお金の使い方や習慣すらも、変えてしまうことがある。


子や孫に財産を遺す目的はなんですか?
何のために節税をするのですか?


そのことをしっかり意識して親子で「節税」と向き合っていただきたいと思います!

今日も皆さんにとって最高の1日になりますように♪

最後までお読み頂きありがとうございました♪
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