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告解

「罪を犯しました」
どこまでも無機質だった。抑揚のない声音は、聴いている者の心をひやりとさせた。
彼の顔には微笑みが浮かんでいる。人の良さそうなその表情さえ何故だか恐ろしく、こうして対面していることが酷く危険なことのように思えてくるのだった。
いや実際、彼のしたことを思えば、危険という認識に誤りはなく、危険人物に間違いないのだが、その事実を知らなかったとしてもそう感じていただろうと思うのだ。
気持ち悪いほどにちぐはぐな、印象。
「貴方は、何故」
震えてしまった声に歯噛みする。
怯えを表に出してはならない。付け入る隙を与えるだけだ。なのに。
彼は殊更笑みを深くして、それは既に微笑みの域を超え、満面の笑みと呼んでも過言ではないような笑顔で、僕の問いに答えた。
「理由など必要ありません」
嗚呼、恐ろしい。人の命を奪うことになんの感慨もない。
僕は唇を噛み締めて、静かに瞼を閉じた。

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