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〈沖縄の地域課題〉沖縄戦を知る方(ガイド)が減っています

こんにちは!沖縄南部観光局です。今回は沖縄南部の課題をひとつご紹介します。

沖縄の観光は慰霊の旅から始まった

東屋

2021年6月23日、沖縄で戦争が終わってから76年が経ちます。今では多くの人を魅了する沖縄も、76年前には戦争が行われており、特に沖縄南部では激しい地上戦が行われました。沖縄戦で亡くなった人の数は、日米合わせて20万人以上と言われています。

沖縄戦では、1945年4月から6月、約3ヶ月に多くの住民の方が戦争に巻き込まれました。

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沖縄旅行といえば、海やリゾート、沖縄グルメ、独自の文化などが一般的ですが、戦後は「慰霊の旅」から始まりました。沖縄戦では、沖縄に住んでいる人だけでなく、全国から沖縄に集められた方々も亡くなっています。平和祈念公園にある「平和の礎」には、47都道府県の石碑があり、そこに犠牲になった方の名前は刻まれています。

本島中南部には各都道府県の慰霊塔も立てられています。

慰霊の旅は今でも行われており、特に沖縄に訪れる修学旅行生のほとんどが、旅行中に平和学習のプログラムが組まれています。

沖縄戦を知る人が減っています

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これまで、沖縄の慰霊の旅を支えてきたのは、沖縄戦の歴史を伝える「ガイド」の方々でした。その中には沖縄戦を経験された方もいれば、経験者の方から聞いた話を継承している方もいます。沖縄戦の歴史を伝えることは、戦争の悲惨さを知ってもらい、再び戦争が起こるような世の中にしないためにも重要です。

太平洋戦争時は「お国のために」といって、戦争に行くことが素晴らしいというような風潮でした。沖縄では、米軍に保護される(捕虜になる)くらいなら、自決(自分で命を絶つ)するようにともいわれていました。

しかし、今、ガイドの方々の高齢化が著しく、今後沖縄戦の歴史をいかに伝えていくかが、大きな課題となっています。ただ、こうした課題も、若い世代で関わっている人が少ないため、ネットを通じて広く知られることもありません。

そしてもうひとつ。昨年もこうしたガイド養成講座を実施しているのですが、なかなか参加していただける方が集まりません。

平和学習・沖縄南部=「恐い」というイメージ

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沖縄で生まれ育った人でも、沖縄戦を知っているというわけではありません。公立の学校であれば、カリキュラムは他の県と同じです。「おじいちゃん・おばあちゃんから戦争の話を聞く」というのは、全国どこでもある話だと思いますが、そういった機会も今後どんどん減っていきます。

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沖縄の場合は、そういった話を聞いて、平和を学びたいというニーズがある一方で、話せる人がいないという状況です。むしろ、平和学習や沖縄南部というだけで「恐い」という人も多いです。これは今までの平和学習の課題でもあると思いますが、SDGsの達成目標にも「平和」という言葉が入っている通り、戦争の歴史から平和を考えることは大切です。

確かに戦争は恐い出来事ですが、今までの平和学習はその恐さだけが伝わり、そもそも「なぜ戦争が起こったのか」「戦争の歴史を知る意味は」「これからどうする」といった面から語られることはありませんでした。

住んでいる人が語るということ

沖縄本島には「平和祈念資料館」「ひめゆり平和祈念資料館」という、沖縄戦の歴史を知ることが出来る2つの施設があります。

上記の朝日新聞の記事によると、全国の平和資料館で来場者数は減っているそうですが、沖縄は特に減少率が高くなっていることが指摘されています。

一方で広島、長崎の平和祈念館は18年度に過去最多の年間入場者数を記録したそうです。

沖縄の観光客数が年々増加している中で、平和資料館の来場者は年々減少している…この理由も考えるべき課題です。

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例えば、旅先で地元の人から「ここへ行ったら」とおすすめされたら行ってみたくなるものです。来た人に対して、地元の人が資料館や戦跡を紹介するというのも、沖縄戦を後世に伝えていくためには大切なことです。

沖縄戦を勉強したい方を募集しています

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沖縄南部・八重瀬町にあるNPO法人自然体験学校では、沖縄戦をゼロから知る勉強会・フィールドワークを随時、無料で行っています。随時にしているのは、日付を決めてしまうと、参加者が集まらないためです。お問い合わせいただいた方々と日程を調整し、10名様以下の少人数で実施します。

ちなみに、勉強会では20代のスタッフが沖縄戦や戦跡の案内を行います。前世代の方がご参加いただけます。

2日間のガイド養成講座を受けていただき、救急蘇生法の資格を取得していただいた方(有料)は、実際に修学旅行生に向けたガイド(日給あり)なども行っていただけます。

沖縄戦を勉強してみたい、知りたいという方は、ぜひ一度ご連絡頂けますと幸いです。また、興味がありそうな人へのご紹介もお願い致します。

連絡先 :NPO法人自然体験学校 okinawa@shizentaiken.com


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