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唐草の風呂敷&白い袋
昨夜、珍しく妹が電話をかけてきたので、
何事かと思ったら…
ラジオで面白い話を聞いたという。
それはリスナーさんの孫の話で、毎年クリスマスになると
「ウチには 暖炉も煙突もないから、サンタさんが入って来れない」と言って、毎回必ずどこかの窓の鍵を
開けてしまうので困るという話だった。
サンタさんを迎えたい孫と泥棒を防ぎたい
おじいちゃんとの攻防戦…それを想像すると、
何だか妙に可笑しかったという。
思い出し笑いで声を震わせる妹に 私は言った。
「それ私も やったけど😳」「え😲 」
絵本では、どのサンタさんも煙突から入ってきて
暖炉から這い出す絵しかない。でも日本家屋の
ウチには、そんなオシャレなものありはしない。
このままでは プレゼントを受けとれないと
焦った私は、ちょっと考えた末に
廊下のサッシ戸の鍵を開けておくことにした。
25日の朝、プレゼントは ちゃんと届いてたけれど
サッシ戸の鍵は閉まっていた。
サンタさんが どうやって施錠したのか、プレゼントに
夢中の私は、そこまで考えてなかった。
でも、ある時とうとう ウチの爺様に言われた。
『鍵を開けておくと「白い袋を担いだおじいさん」でなく「唐草(風呂敷)背負ったコワい おじさん」が
入ってくるから もうやめなさい』と。
コワい おじさんという人種が大嫌いな私は、
その年から鍵を開けておくことをやめた。
それでもプレゼントは届いていたので、以後 私が
鍵に こだわることはなかった。
そこまで話すと妹は「私は鍵が閉まっていても、
サンタさんが超能力を使って中に入ってくるって
思ってたから…鍵を開けとく発想は なかった。
同じ環境で育ったはずなのに、こうも違うもん
なんだね(笑)」と言った。
そりゃまぁ…サンタさんの正体についても、
名探偵コ※ンみたいに突き詰めたい妹と、
薄々気付きつつ言及を避けた私のように、
いくら兄弟でも、生まれつきの性分もあるんだし。
ちなみに…私より若い世代の子たちは、
「唐草(風呂敷)を背負ったコワい おじさん」という
ワードが、何を表すのか わかるんだろうか。
私もドリフのコントでしか見かけたことはない。
最近の泥棒連中は「全身黒コーデ」で
バール片手に複数人で つるんで押し込み強盗か、
空き巣なら「アタッシュケースを下げてスーツに革靴」
あるいは「水道屋さんのような業者っぽい格好」
してるというから…
唐突だけど…何かの手違いで生まれて来てしまった
ようなユルい私にでも…人並みに語れるクリスマスの
思い出があることを、両親に感謝したいと思う。