プレゼンの順番でコンペに勝てる?!その2
先の「プレゼンの順番でコンペに勝てる?!」の回では、プレゼンは最初か最後が良いというお話をしました。特に、最初よりも最後の方がお得だという点について触れました。しかし、最初からお伝えしていた通り、順番を選ぶのは非常に難しいのが現実です。
よって、ここからは、与えられた順番の中でどのように振る舞うかが重要になります。
ヒアリング(発表20分、質疑10分)が1日間でも2日間でも、初日の朝9時からであればトップバッターでしょうし、最終日の17時スタートであればラストバッターである可能性が高いのです。また、東京の設計事務所が地方でのヒアリングで朝9時からの順番にされている場合、それは当選しにくいし、させたくないという暗示であることも考えられます。
自社の順番を予測し、その順番に応じてどこに注力すべきか話す内容を変える必要があります。
例えば、審査側の立場からすると、土地の歴史や配置計画などについては3組くらいまでは同じような話でも聞くことができますが、5組以上になると「さっきも聞いたよ!早く中身の話に移ってよ!」と飽きられてしまいます。
そこで、「既に周辺環境などについては前の発表者から聞かれていると思いますので割愛させていただきますが、我々が特に配置のポイントとしているのは、一見同じように見える配置ですが、北東のこちらの部分に○○のために全体を1.2メートルだけズラしています。こうすることで、ほんの少しの違いですが、実際に使用される段階で大きな差を生むことになります。」というように、他者との違いを差別化のポイントとして説明することが重要です。
さらに提案内容ももちろん重要ですが、それぞれのプランにはそれぞれの良いところもそうでないところもあり、提案内容に特別な優位性が感じられないケースがあります。このような場合、よくあるのが、A社の発表者は非常に気難しそうで、建築の専門用語を多用して分かりにくかった。一方で、D社の発表者の女性のDさんはNテレビのアナウンサーの●●さんの声そっくりで非常に聞きやすかった。プランやデザインはこれからの打ち合わせでいくらでも変更できるということでD社に決めた、というものです。
このように話し方が当落の決め手になることが多々あります。
ではなぜ、A社は気難しそうな担当者が発表しているのでしょうか?よくあるのは、A社ではA部長がプロジェクトの責任者であり、気難しく、しわがれた声ですが、社内的に顔を立てないといけないからという内向きの理由や、これまでA部長がヒアリングの際にいつも発表してきたからという理由です。
お客様にとってのベストを考えて発表者を決めているのか?
社内にとってのベストを考えて発表者を決めているのか?
前者を当たり前だと考えれる方がほとんどだと思いますが、実際はこれまでのしがらみで変更することができない、「わかっているけど変えられない」という状況の事務所の方が多いのです。
そのような場合は、迷わずご相談ください。たとえA部長のような方がいても、A部長自身にも喜んでお客様のことを考えたヒアリング体制に変革していただけるようサポートさせていただきます。
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