3泊4日の旅、楽しむより比べ続けた母でした。
私の幼なじみ2人と、その子供たちと一緒に3泊4日の旅行へ行った。
幼なじみ2人には、ぴぃが不登校になってしまってから、なんとなく心を閉ざしていた私。
私が心を閉ざした理由・・・
ぴぃの病気と不登校をきっかけに、今までのように、共感、理解し合う関係を築けなくなってしまったから。
私自身にとっても理解しがたいことばかりなのに、ぴぃとの生活も、私の気持ちもどれだけ2人に伝えても、共感と理解は得られないことが苦しかった。
そこで、私はずっと、2人と自分を比べてきたんだと気づく。
私にないものを多く持っている2人。
2人そろって我慢強くて努力家だから、自分は2人とは違うとずっと思ってきた。
ぴぃが不登校になってしまったのは、そんな自分のせいなんだと思わずにいられなかった。
グループLINEに流れる2人の子ども達の成長を見るたび、妬み、うらやんでしまう自分をどうしても消せなかった。
やりたいことや、目標を持って頑張っている姿を見るのが辛かった。
「もうやめて」そんなことも言えない関係になった。
私は心を閉ざし、コロナに乗じてそれとなく自分から距離をとった。
すると、時の経過と共に、私は2人とは違う自分を受け入れられるようになって、2人の子ども達の成長も喜べるようになって、私を見捨てないでくれていた2人に感謝できるようにもなった。
そして、ぴぃも成長して、私は久しぶりに心が満たされている感覚になっていた。
だから、春休みに子ども達も一緒に旅行に行こうとなった時、楽しみでしかなかった。
が…
旅から帰ってきて、パパに何をしたか、どこへ行ったか、ざっくりとは言えても、心の底から「楽しかった」と言える私はいなかった。
そして、何か自分に対して満足がいっていない感覚があった。
旅の疲れだと思って泥のように眠ったが、目が覚めてからも、心にはモヤモヤが残っていた。
このモヤモヤの正体は何か、3泊4日を一つ一つ遡って思い起こす。
3泊4日、最年少ということもあり、子ども達の輪に馴染めないぴぃが目について仕方なかった。
私はなるべくぴぃが1人になって孤独を感じないよう目を配り、寄り添った。
3泊4日、荷造りや着替えの準備など、自分のことを自分でやる子ども達の横で、自分のことを何一つせず、気ままに過ごすぴぃも目についた。
それを放任している私を、幼なじみ2人はどんなふうに見てるかなって思うと胸がつまった。
「甘やかしている」
またそう思われてるんじゃないかと思うと怖かった。
・・・そうか、私は、また比べて過ごしてたんだ。
自分と2人の幼なじみを比べていたように、ぴぃと2人の子供たちを比べて過ごしていた自分がいた。
親の言うことをしっかり聞いて、怒られてもすぐに切り替えて楽しい時間を全力で楽しみ、自分のことを自分でできる子供たち。
少しの注意に泣きそうになり、子供たちの中で浮いてしまう自分を嘆き、自分のやりたいを我慢して落ち込み、自分のことを何もしないぴぃ。
3泊4日、ずっと比べ続けていた。
もちろん、旅の中で楽しい時間は山ほどあったし、幼なじみ2人のおかげで行きたい場所、会いたい人にも会えた。
ただ、疲れたんだ。
比べていた自分に疲れたんだ。
それに気づいた瞬間、やっと自分に「お疲れさま」って思えた。
なんで比べちゃうんだろう、なんで求めちゃうんだろう、なんで欲しがるんだろう。
って自分を責める私はいない。
「比べちゃったんだね、お疲れさま」って言ってあげられる自分が残っててよかったと思ってホッとして、とりあえず泣いてみた。
ぴぃは、3泊4日の旅の思い出話をほとんどしていない。
ぴぃも疲れたんだと思う。
どれだけ楽しいことがあっても、我慢したことや、気になったことの方が多く記憶に残ってしまうぴぃを残念に思うことがあった。
私も一緒だなって思った。
幼なじみ2人には感謝の気持ちを忘れない。
そして、私もぴぃも、自分に優しくできる生き方をこれからも身につけていこう。