不登校娘が丸腰で挑んだ初めての中間テスト。
ぴぃさんが、6月にあった2日間の中間テストに挑んでいた件。
テスト前3日間はそれまでの意気込みは影を潜め、机に向かうこともなく、学校にも行かず、ひたすら絵を描いていた。
勉強はもう分からない事ばかり、なかなか進まない、もうやめた。
そんな感じだった。
でも謎に、テストは受けると言い続けた。
当日、早起きをして緊張した面持ちで朝から登校する。
1日目は、国語と英語と社会。
「めちゃくちゃ緊張したし、何を聞いているのかさっぱり分からなかった〜」と言いながら帰ってきた。
当然帰ってきてからのぴぃは抜け殻で、次の日の数学と理科を少しでも頭に入れておこう・・・とは思っていない。
そして2日目のテストを終え、「やっと終わった」と開放感でいっぱいのぴぃ。
ほとんど丸腰で挑んだ中間テスト。
「武器も持たずによく行った」
これに尽きるし、これ以外の言葉が見つからない。
多少は机に向かう時間もあったけど、ほとんどまともに受けていない授業の問題集をYouTubeを見ながら励んでいた。
ぴぃが不登校になっていなければ、この姿を見て黙っていられる自分はいただろうか。
「しっかりやろうよ。」「それでいいの?」「テストをなめてる。」
そんな言葉が全く浮かばなかったとは言わない。
でもぴぃが、「机に向かってる」「鉛筆を持ってる」「漢字を書いてる」「計算してる」そっちの感動の方が遥かに大きかった。
もう十分。そんな姿見れるなんて、思ってもみなかったから。
むしろありがとうだった。
テスト勉強を満足にしないままテストを受けるメンタルたるや。
不安は強いが、ある意味では最強のハートを持った娘なんじゃないかと思う。
そして、ぴぃの答案用紙が返ってきた。
中一の最初の中間テストとはいえ、5教科の平均点はだいたい60点台で簡単ではない。
ぴぃ自身もびっくりしたと笑いながら見せてくれた。
比較的励んだ国語と英語は手応えを感じなかったと言うわりに50点以上とれていて、苦戦していた数学は30点台、全くと言っていいほど問題集が進まなかった社会と理科は20点台。
ぴぃの作ったテスト勉強計画表には、目標の点数が書いてあったが、そのほとんどが、5点と10点だった。
それを大きく上回り、思っていた以上の結果だったことに、パパも交えて3人でゲラゲラと笑った。
小学校5,6年のブランクが、まるで嘘のよう。
結果ではないと言いながら、今回ばかりは結果を無視するわけにはいかなかった。
ただぴぃにはちゃんと伝える。
「よく頑張ったね。不安でいっぱいだったよね、本当にお疲れさま。
今のぴぃの全力を出し切っている姿はカッコよかったよ。
自分で計画して、自分のペースで、頑張る姿を見せてくれてありがとう。」
それからのぴぃは毎日のように何度も言う。
「ぴぃがんばったよね?すごくない??全然勉強してなかったのに。」
久しぶりに励んで、挑んで、成果を手にした達成感で高揚していた。
ただ高揚感と共に、しっかり心と体は燃え尽きていた。
テストを終えた次の週は1週間まるまる登校することはなかった。
もうやることはやった。
ぴぃはまた、薄着でYouTubeを見ながら、ソファに転がって絵を描き続ける。
そして時々言う。
「ぴぃすごいよね?」
うん、君は最強だ。