100個売るまで決断できません!週末パン焼きの挑戦(家焼き方法紹介)
食品広告会社で働き始めた僕は、スーツを着て久しぶりにする仕事とサワードウブレットを焼ける環境が整ったことにワクワクしていました。
新しい生活をスタートした僕は、目標を作りました。
仕事:伝える力を養う。コピーライターさんやWEBデザイナーさんなどが近くにいる環境でクリエイティブと呼ばれる職種の皆さんからたくさん知識を奪ってやる!
パン:100個、人に届けることができたら、自分のサワードウブレッドに自信を持つ!
先にお伝えすると、100個届けることはできました。
自分のサワードウブレッドを食べて、
体が和む。
酸味って美味しいんだね。
お店出せると良いね。
などなど、すごい嬉しい言葉をいただけました。
環境を変えて本当に良かったなと思えました。
そんなお言葉いただける結果に至るまでのお話です。
まず、帰国してから、酵母だけは継ぎ続けていたものの、
焼いたこともない。
手探りの状況からのスタートでした。
第一難関
サワードウブレッドを家のオーブンで焼くにはどうしたら良いのか?
です。
新しい家のオーブンはガスオーブン。火力は問題ない。
それだけw
どうしようからの始まりです。
そしてサワードウブレッドに最もと言える重要な過程、
蒸気(加湿)
をどうすれば良いかも問題でした。
第一難関への解決策は、
Staub鍋を使って焼く。
でした。ホーロー鍋と呼ばれる保温・保湿に優れる鍋ですね。
無水鍋に使うというのを聞いたことがあったので、
温度も維持できて、鍋の中で生地から発生する蒸気を逃さないで焼けるかな。
と思ったんです。
第二難関
成形した後、どうやって熟成させれば良いのか?
職場ではラックにサワードウが入ったカゴをたくさん並べたあと、ラックごと覆えるビニールカバーを被せて、大きな冷蔵庫へぶち込んでいたのですが、家ではどうすれば良いのかわかりません。
きっと温度も湿度も安定に保っていたはずで、焼く時まで乾燥せず良い状態を維持していたんだと思っています。
第二難関への解決策は、
シャンプーハットです。
あれって防水性が高くて、湿気も逃さないと思ったんです。
シャンプーハットは頭の形に作られているので、カゴぴったりに覆うことなく、生地へ付着も回避できました。
(サランラップだと生地にくっついてしまって、発酵を阻害してしまいそうでやめました。)
第三難関
ストウブ鍋の蓋をいつ開けて焦げ工程に移れば良いのか。
ストウブ鍋で焼くことで蒸気問題はクリアできたものの、
蓋をしたままでは加湿された状態が続いて、焦げ色がつきませんでした。
妙にしっとりして酸味より湿っ気を感じる食感であり、味でした。
第三難関への解決策は、
困った時こそインスタグラムでした。
すごい世の中になりましたよね。
世界中で近しい趣味や立場の方を見つけやすい時代です。
世界中のサワードウブレッドを作る人の投稿をインスタグラムを通して見ることができました。
質問を国籍問わず、ダイレクトメールでたくさん送りました。
あれってどうやってるの?
これってどこで手に入れたの?
などなど。
もちろん返信がない時も。。。
時には逆に自分に質問をいただいたりも。
そのやりとりの中で、焼き時間についてのアドバイスをもらました。
なんか嬉しくもなりました。国を超えてお互いの悩みを共有しながら、良いサワードウブレッドを焼くことに挑んでいることが。
インスタグラムは自分のモチベーションを保つ良きツールであり、情報共有ツールとなって、とても役に立ちました。
広告のお仕事も少しだけですけど、投稿するタイミングだったり、写真の撮り方とかで役に立ったのかなって思ってます。少しだけ。。。
家で安定してサワードウブレッドが焼けるようになって、自分が納得のいくクオリティが出せてきたと思えてきた頃、インスタグラムで写真を投稿していると、友人知人から
「買いたいな!」
ってメッセージをもらえうようになりました。
やっと、100個届ける目標のスタート地点に立てたと思えた瞬間です。
そこから、平日は仕事。週末パン作り。といった生活を送っていきます。
1度に1個しか焼けないオーブンに加えて、ミキサーも買わず手ごねで仕込んでいたこともあって、4個が仕込み限界量でした。
(ミキサーに頼らず生地感を肌で感じたいと思って頑固に腕を酷使していましたw)
あっという間の気持ちでしたが、1年くらいかけて、目標の100個に到達しました。
ついに自分の知人友人ではない、インスタグラムを見て興味を持っていただいた方から
「販売されているんですか?」
と、問い合わせも来るようになりました。
もしかしたら、自分のお店を持ってもやっていけるかな。。。
と思えました。
、、、。
本業への想いが薄くなっている自分に、ちゃんと神様は悪戯というか、当たり前の仕打ちをしてきます。
週末も客先の催事などが多い担当になってしまい、パンを焼く時間がなくなってしまったんです。
お金を頂いているお仕事、もちろん文句は言わない言えない立場なんですけど、平日に代休を入れたり、突然週末も仕事と言われることもあったりと、落ち着かない生活になってしまいました。
サワードウブレットが焼けるようになり、目標にしていた100個焼いて届けるという目標も達成して、サワードウブレッドへの想いがより、強くなっている自分には耐えれませんでした。
わがままですけど、自分の好きなことを続けられないことは苦痛で、仕事をしている意味があるのかわからなくなってしまいました。
それはワイン屋さんで過ごした時間と同じ状態でした。
もっとたくさんパンが焼きたい。
夢を実現できるかもしれない。
もしかしたら、、、という、気持ちを抑えられず、食品広告会社さんを辞めることにしました。
もっとパンを焼きたいという気持ちに素直になってみようと思い、次の道に進みます。
最後に
もし、お店を開いた時は、聞いてください。家で焼いてみて悩むことがあったら。
サワードウブレッドは作る人によって味が変わります。
いくら製法が同じであっても、似て非なるパンに仕上がります。
不思議なパンです。
なので、自分もノウハウとは言えないレベルでしょうけど、家で焼くアドバイスはできると思っています。
それも自分にオーストラリアでサワードウブレッド職人のチャンスをくれた店主や職場への恩返しになると思っています。