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あずきとバー

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

bowです。

餡子

あんこが好きで、無性に食べたくなる時があります。無性に食べたくなるもの多いな。ないですか、あんこ欲。
粒餡、こし餡どちらも好きです。好きです、が。あんこ欲を満たす時は粒餡に限りますね。あの、あんこ食べてる!って感じがたまらないわけですよ。
ね?わかるでしょ?え、わからない。え?え?粒餡の、え?あの感じ。
え?嘘でしょ?伝わってない?
わかる?わかる!ですよね!よかったぁ。

手間

あんこって、小豆から作るとなるとかなり手間がかかる食べ物ですよね。
そう考えると、小豆の立場に立って考えて見ると、あんこってものすごく過酷な試練の連続ですよね。

ここは小豆畑。
のびのびと育っていた小豆たちに突如魔の手が襲い掛かる!
「な、なんだ!?これは……収穫!?」
夏から晩秋!
収穫時期に株単位でばらつきがあるため、この畑では成熟した鞘から収穫されるのだ!
ばらばらに収穫された小豆たち、しかし彼らに安息の時はなかった!
「乾く!?俺たち、干されている!?」
害虫対策!
収穫された小豆たちは、害虫対策や作業効率のために干されてしまう!
小豆は虫たちにとってもご馳走なのだ!
その後、選別され、各地に出荷されていく小豆たち。彼らの運命や如何に。

とある、和菓子屋。
長い旅路を終え、外の光を浴びた小豆たち。
「やっと、外に出られた。一時はどうなることかと……!?こ、これは!?」
たっぷりの水!
なんと、からっからに乾燥した彼らを今度は容赦ない水責めが襲う!
しかも、それだけでは終わらなかった!
「あ、熱い!?煮込まれている……?」
強火!小豆たちはぐつぐつ煮込まれている!
「お。一旦、熱湯から解放されたぞ!これで安心……!?また、水!?」
しぶ抜き!
一度、水を含ませ煮込んだ後、最初の熱湯を切る、しぶ抜きと言う工程で小豆たちを油断させるのだ!
またもや煮込まれる小豆たち!
「俺たちは、どうなってしまうんだ……お、おい!そいつらをどうする気だ!」
試食!茹で加減を確かめるために、芯が残っていないか確かめられる小豆仲間!
「あぁ……俺たちも、美味しくいただかれてしまうのか……!?冷たい!?」
引き締め!茹でたての小豆は掬えないのだ!
冷水で皮を引き締めて、水切りをしてから次の工程へ向かわされる小豆たち。
「へ、ここまでされたら何も怖くないぜ!煮るなり焼くなり好きにしな!」
大量の砂糖!
砂糖を塗されなら、煮込まれ続ける小豆たち!先ほどまで大量に飲まされた水分が染み出し、いい感じに砂糖と煮込まれてしまう!
「どうした?これで終わりかい?この程度で俺たちが音を上げるとでも?」
潰し!粒餡にするため、程よく潰される小豆たち!
ついに、粒餡となってしまった。

粒餡となった、彼らは、これから、おはぎや、大福など和菓子として召し上がられていくのだった。

ところ変わって、ここはとある工場。
ここに運ばれた小豆たちも、先ほどまでの小豆たちのように、煮込まれ、餡子になろうとしているようだった。
「どうやら、俺たちも餡子にされてしまうみたいだな。」
「そのようだ。なぁに、小豆に生まれたこの命。餡子になるのも悪くねぇや。」
だが、彼らを待ち受けていたのは、餡子になる運命ではなかった!
「なんだここは?俺たち、どうしてさらさらの液体なんだ?」
「ようこそ、同志諸君。」
「あんたは!?」
冷凍機!さらさらのまま型に入れられた小豆たちを待ち受けていたのは、極寒の冷凍機だった!
「私語は慎みたまえ、同志諸君。君たちは今から、この極寒に耐え抜き、鋼鉄よりも硬い体へ、何者にも屈しない戦士へ、鍛え上げねばならないのだ。」
「な、何を言ってやがる!俺たちはあんこに……!」
「同志諸君!我々は、餡子などという柔らく、人にただただ蹂躙され、甘みを味わう至福の時間を提供するだけの甘味になるのではない!
では何になれば良いのか!
あずきのバーだ!鉄塊のようなあずきのバーに!
己が肉体を鋼と化し、甘味はただ楽しむものと決め付けている人間どもに、一矢報いるのだ!奴らの残された牙を折るのだ!
夏の暑さを凌ぐためにかぶりつくその瞬間に!
お風呂上がりにアイスを頬張る至福の時間に!
緩み切った奴らの腑抜け面に叩きつけるのだ!
我々、あずきの真の恐ろしさを!」
「うおおおおおおお!」
「行こうか、同志諸君。スティックを起こせ!」
いま、小豆達の戦いが始まる。

なんの話だこれ

あずきのバーの硬さに引っ張られて、話が変わってしまいました。
小豆たちのことを思うと、しっかり味わわないといけませんね、餡子。

それでは、本日はこの辺りで。

失礼します。

bow


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