見出し画像

台本「蘇カフェ始めました。」第一稿

今回は台本を思いつきで書いていこうと思います。
よろしければ、最後までごゆっくりお楽しみください。

蘇のカフェ

 ここは、少し前に流行った「蘇」をメインにしたメニューが売りの蘇カフェ。けれど、蘇のブームは一瞬。しかも、カフェを開いたのは蘇ブームの末期も末期。如実に客足は鈍っていき、今では日に2〜3組の客が来ては、人数分の飲み物と写真に撮るための蘇を一つ頼むだけであった。
 オーナーの蘇我飛鳥(そがあすか)は、大学の後輩で店長を頼んだ
平安寿(たいらあんじゅ)に店の現状を相談していた。

「どうかな、このカフェ。順調?」
「……先月の売り上げ、見てないんですか?」
「見た!見たよ!で、あの黒い三角って何?」
「……どうやって、このお店開いたんですかそんな知識で。」
「え?あれよ、あれ!知り合いがお店閉めるって聞いて、
 もったいない!って言ったら、なんか色々書類用意してくれて、
 気づいたらお店開くことになってたのよ。
 それで、アンジーを呼んだってわけ。アンジー、料理上手いし、
 蘇の研究してたでしょ?」
「蘇の研究はしてません。」
「あれ?そうだっけ?蘇、作ったことなかった?アンジーの蘇、
 食った記憶あるんだけどな。」
「それは、食から当時の文化・歴史を考える一環で作っただけで、
 蘇はついでです。」
「そうだったのか。てっきり、アンジーは蘇のスペシャリストかと。」
「なんですか、蘇のスペシャリストって。
 ていうか、そのアンジーって呼び方やめてください。死ぬほどダサいんで。」
「蘇のアンジー?」
「その"蘇"じゃありません!」
「蘇の蘇?」
「はぁ……分かってて言っていますよね、先輩。」
「わかる?」
「わかりますよ。そのニヤニヤしてるウザい顔見たら。」
「蘇のニヤニヤした顔でね。」
「先輩。」
「ごめん!」
「それですよ。」
「蘇れ?」
「そ!れ!で!す!よ!
 会話に"そ"が出るたびにニヤニヤして、蘇に結びつけるところです!」
「どういうこと?」
「このカフェが流行らない、一番の理由です。」
「いやいや、蘇んなわけ……」
「先輩?」
「そんなわけないでしょ?あれでしょ?アンジーの接客が悪いんじゃないの?
 アンジー目つき悪いし。」
「どうやら、店長を辞める日がやってきたみたいですね。」
「わああああ!ごめん!目つきは禁句だった!やめないで!見捨てないで!」
「って言うか、そもそもなんで蘇なんですか?」
「蘇も蘇も?うーん、だって流行ってるじゃない、蘇。」
「もう!流行って!ません!」
「う蘇?」
「さっきのお客さんの会話、聞こえてなかったんですか?」
「アンジー、ダメだよ、お客さんの会話を盗み聞きしちゃあ。
 …………まぁ、"蘇っていつのネタだよ、ウケる"って言ってたね。」
「それと、その蘇に反応する先輩を見てる時のお客さんの反応も。」
「……うん、まぁ、苦笑いだったよね。」
「分かっててやめられなかったんですか!?何故!?
 蘇の呪いにでもかかってるんですか!?」
「蘇んなわけないでしょ?てか、なに蘇の呪いって。怖すぎでしょ。」
「今も、そんなわけないでしょの、"そ"を"蘇"にしてるでしょ……」
「……はっ!」
「怖すぎでしょ。」
「うわあ!俺はどうなってしまったんだ!突然、夢で
 『蘇のもの、蒼き衣を纏いて、牛乳を煮詰めるべし。カフェ開け。』
 って言う言葉を聞いた日から、何故か蘇が頭から離れないんだ!」
「蘇の呪いじゃないですか。てか、御告げの後半。雑だな。頑張れよ、呪い。」
「俺は……俺は、どうすればいいんだ……!大量に仕入れた牛乳と、蘇の呪い。
 これから、どうなってしまうんだ……。」
「まぁ、とりあえず、命に別状はないわけですし。蘇の呪いは放っておいて、
 大量の牛乳を何とかしましょうか。幸い、御告げ的には、
 蘇のカフェを開けとは言ってないみたいですし、なんでもいいからカフェを
 開けば、蘇も満足するんじゃないですか?」
「蘇うかな?」
「そうと決まれば。」
「なにが決まったの!?」
「閉店です。今日が蘇カフェ「蘇我dolphin」最後の営業日です。」
「蘇れしかないか……。寂しくなるね。」
「なに言ってるんですか。閉店しますって、フォロワー118人のアカウントで
 呟いて一人でも同情してくれるお客さんを呼んだり、新しいカフェを
 なににするか考えたり、最後の蘇作りしたり、寂しいなんて
 言ってられませんよ?さぁ!早くエプロン付けて、仕事してください!」
「はいはい。はぁ、この青いエプロンとも今日でお別れか……。」
「感傷に浸ってる時間はないですよ!自分は蘇、煮詰めるんで!先輩は
 宣伝!お願いしますよ!」
「わかりましたよぉ。」

 この日、一日に5組と言う開店日タイの好成績を記録した
蘇カフェ「蘇我dolphin」は、惜しまれながらも閉店した。

 その後、アンジーの蘇作りから生まれた濃厚ロイヤルタピオカミルクティーが
まさかの大ヒットをする事を、蘇我は知る由もなかったのだった。

『蘇のもの、蒼き衣を纏いて牛乳を煮詰めるべし。カフェ開け。」

「自分!蘇のものじゃありませんけど!」

って言う

オチも内容も無い話が頭に思い浮かんだので、勢いで形にしてみました。
「流行に乗り遅れたお店の話」みたいな思いつきで「蘇カフェ」って言うワードが頭に浮かんで、とりあえず流れに身を任せて膨らませたら、こうなりました。
ある意味、じぶんが蘇の呪いにかかっていたのかもしれませんね。
てか、蘇カフェ「そがのどるふぃん」ってダサいなぁ(笑)

 かなり長い話になってしまったので、ここまで呼んでいただけていたのなら
幸いです。ありがとうございます。

 こんな感じで、思いつきの話もnoteに書いていけたらいいなぁ、
なんて思ったり。感想とかコメントとかもらえたら嬉しいです。

それでは、本日はこの辺りで。

失礼します。

bow(Twitterアカウントはこちら

いいなと思ったら応援しよう!

bow
あなたの「スキ」が何よりのサポートです。 ここまで読んでいただきありがとうございます。