それは魂で繋がっている
私の親友のひとりとは、ニューヨークに住んでいた時に出会いました。
彼女を始めて見かけた時、懐かしいような、もう知っているような、心がほわっと温かくなるような、何とも言えない気持ちになったのを今でもよく覚えています。
私が人生で初めて「友達になりたい」と思った人でした。
始めは数人でのグループでご飯を食べたりお茶をしたりの関係が続きましたが、ふたりで会うようになるのにそんなに時間はかかりませんでした。
お昼どきのアジアン料理のお店。お客さんはまばらです。
初めてのふたりだけのランチタイム。
私たちは、まるで昔からの友人のようにお互いのことを話しました。
その頃の私は彼に対する自分の感覚がどういうものか理解できず、とても苦しい毎日を送っていました。
彼を見ていると自分に見えること。
前世と思われる夢をたくさん見ていること。
アメリカに渡って物理的に離れてしまったことの不安と淋しさ。
でも、彼とはとても深いところで繋がっているのだと分かるのだということ。
気がつくと私は彼の話をしていました。
涙が頬を伝っていきます。
涙が止まらない私と向き合いながら、彼女はただ黙って聞いていました。
そして私の言葉が止まった時、彼女が静かに口を開きました。
「それはね、魂で繋がっているんだよ」
優しい声のトーンのその言葉が、私の全身に強烈なインパクトで響き渡っていきます。
彼と私の間にあるもの、それまでの全てが繋がった瞬間でした。
ソウルメイトという言葉は知っていました。
自分の中にある魂というものの存在も何となく理解はしていました。
あの人と魂で繋がっている。
それまで、彼と私の間に起こった不思議なできごとには全て意味があったのです。喜びと衝撃が入り交じり、何ともいえない気持ちでした。
帰り際、彼女がエンリケバリオスの「アミ 小さな宇宙人」と「ツインソウル」という本を教えてくれました。
「読めば分かるよ」と。
私は彼に出会って6年後、彼が自分のツインソウル、魂の片割れなのだと知ることになります。
エンリケバリオスの本を夢中で読みました。
まるで理解者にであったような高揚した気分になりました。
でも、私には疑問が残ります。
なぜならば、彼の物語の中のツインソウルたちはみんなあっさりと出会っているように感じたから。
そんなに簡単に出会うことができるのか。
それでは魂を分けて生まれた意味がないのではないか。
彼は私からのサインに気がついているのだろうか。
私たちはこの主人公たちのように出会える時がくるのだろうか。
私の中にどこからか、経験したことのない感情が生まれていました。
嫉妬です。この気持ちはどこに向かっているのだろう。誰に向けた訳もない気持ちでした。
彼と現世で出会いたい。
彼のそばに行きたい。
一緒にいたい。
ひとつになりたい。
どこからともなく、声が聞こえてきました。
その声と共に、私の奥底から愛おしい感情が溢れてきます。
私の中から聞こえていた声は、たましいの声。
それは想像したこともない世界でした。
それが今を生きる私にどんな影響を及ぼしていくのかを、その時は知る由もなかったのです。
私に彼との関係性を教えてくれた友人。
彼女は今でも、彼と私の世界の全てを理解してくれる大切な大切な存在です。
いつか私たちが出会える日まで、これからもずっと見守っていて欲しい。私の願いです。