茶道スタートアップ WACHAの誕生秘話②
私は大学を卒業後、大手メーカーに就職したのですが、メーカーのなかでは珍しく、当時現場を経験する形での多くの研修が実施されていました。
そしてなんのご縁なのか、
私はあの白洲次郎さんの武相荘の中の修理に同行することになりました。
白洲次郎さんと言えば、吉田茂首相に請われてGHQとの折衝にあたった歴史上でも重要な人物ですが(恐らく俳優の伊勢谷友介さんがNHKドラマで
白洲次郎役を演じて知った方も多いのではないでしょうか?)
GHQ側から「従順ならざる唯一の日本人」と言われていたような人物です。
その彼が白洲正子さんと移り住み、生涯を通して愛した家で現在は博物館となっているのが「武相荘(ブアイソウ)」です。
森の中にひっそりとたたずむ、とても素敵な空間のお家で、当時お邪魔させていただいたとき、ひどくときめいたのを今でもよく覚えております。
白洲次郎さんについては、元々世界史が好きだった私は彼に関する本も読んだことがあり、そのハイカラで勇ましい姿は、私の祖父の姿と重なるところがありました。
私はそこで、白洲次郎さんの娘さん、牧山桂子さんの旦那様の牧山圭男さんに出会いました。彼は記念館の館長を務めながら、そこで焼き物もやられておりました。
当時焼きものつながりで、祖父の焼き物の話をして、
1000個近くある茶碗をどうするのが良いかを相談しました。
そうしたところ、どうにか紹介できる手立てがないか考えてみようと言ってくださったものの、当時私の祖父に関する情報自体がほとんどなく、
何も整理できていない状態で紹介するのは難しい、
という結論になりました。当然ですね。
ただこの一件のおかげで、
✔ 祖父の眠っている情報を掘り起こし、情報を整理する
✔ 茶碗自体に価値があるのか?それともないのか?を明らかにする
これらを明らかにすることが第一段階目の目標となりました。
このエピソードは、私は本格的に陶芸家である祖父
「花仙人」の過去を掘り起こし、
楽茶碗自体が何のために存在しているのかを探る
途方もない長旅が始まるきっかけとなったのです。
では次回に続きます!