腰痛持ちが恐れる、魔の時間帯とは?
日本人の4人に1人が悩んでいる腰痛。
1日酷使した身体への負担がたまり、夜に腰痛を引き起こす。そんなイメージではないでしょうか。
でも、腰痛持ちが恐れる「魔の時間帯」。実は朝に集中していたんです。
では、なぜ夜ではなく朝なのでしょうか。
■ 腰痛の発生時間帯
厚生労働省がその発生時間を調べたところ、なんと半数近くは朝7時から午前11時までの4時間に起きていることが判明。
なんとなくイメージしていた夜はたったの7%。腰痛持病者にとって、一番恐れるべき魔の時間は寝起きや朝の時間帯だったのです。
■ 寝姿勢が、腰に一番やさしい姿勢。なのに、なぜ?
腰への負担が一番大きいのは、前かがみになりながらの座り姿勢。
長時間スマホをいじったり、パソコンで仕事をする現代人の日常風景です。
また、睡眠は、日中たまった腰への疲労を、最も負荷の無い姿勢で回復させる役割も担っているはず...
なのに、寝起きや朝が腰痛持ちにとっての魔の時間帯なのはなぜなのでしょうか?
■ 「寝姿勢を制する者は、腰痛を制す」?
起床時や朝に発生する腰痛の種類は、主に3つのタイプに分けられます。
1. 腰の筋肉痛
2. 神経系(ヘルニア等)疾患
3. 冷え性等の血行不良
それぞれの腰痛の主要因と寝起きの痛みについて、まとめてみました。
起床時や朝に発生する腰痛は、腰痛タイプにかかわらず、寝姿勢が誘発している可能性がとても高くなっています。
なぜ???
先程の図からも、寝姿勢は腰への負担が少なく、腰には優しいはず...
(前かがみの座り姿勢185に対し、あお向け姿勢は25)
実は。。。この数値、正しい寝姿勢を数分間保持して測った、あくまで理論上の数値なのです。
寝ている時の私たちの姿勢を思い浮かべてみてください。
腰には悪いけど心が安らぐ変な寝姿勢(うつぶせ寝や腰を丸めた横向き寝)を、無意識にとってしまっています。
また、寝返りが少ない場合、腰が曲がった姿勢を長時間とってしまう様なことが起こり、腰への負荷は寝ていながら蓄積されてしまいます。
このように、寝起きの腰痛に、寝姿勢が大きく関わっているのは間違いありません。
ただ、無意識のなかでとっている寝姿勢を、自分の意志で制するのは、ほぼほぼ不可能。だから「寝姿勢を制する」者は、寝起きの腰痛を制するのです。
■ 理想的な寝姿勢
では、どんな寝姿勢がよいのでしょうか。
柔らかいマットだと、腰が沈み込み、くの字型の姿勢で寝ていることになり腰に負担がかかります。また、腰部がヘタってしまったマットは腰が沈み込み、正しい寝姿勢を保持できません。
理想的な寝姿勢とは、直立した状態に近い背骨のS字ラインを保つこと。背骨のカーブを自然な状態に保つと負担が軽いのは、寝ているときも同じです。
自分の意志で制すことのできない寝姿勢を、敷寝具(布団やマットレス)を使って理想の寝姿勢に保ち、腰痛の軽減につなげていくことができます。
寝起きや朝の腰痛にお困りの方は寝具を見直してみるのも1つの方法です。
正しい寝姿勢がとれるようご自身の身体や就寝環境に合った寝具を選んで「魔の時間帯」を恐れないで済むようにしていきましょう。